スフィアン・スティーヴンス&アンジェロ・デ・オーガスティン、禅/仏教の初心を持って制作されたコラボAL完成

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スフィアン・スティーヴンスとアンジェロ・デ・オーガスティンによる『A Beginner’s Mind』はAsthmatic Kittyのレーベルメイトである二人がニューヨーク北部にある友人のキャビンで1か月間、ソングライティングのためのサバティカルをおこなったところから始まった。

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毎日の作業の後、リラックスのために映画を観ていると、自分達の歌が映画を反映していることに気づき、二人はこの関係を真剣に調べ始めた。こうして出来上がった14曲は、その大半がポピュラーな映画をベースとしている。彼らはタンデムに曲を書いた。一人はヴァースを書き、もう一人はコーラスを書き、コード進行と歌詞を混ぜ合わせ、その過程で互いの歌詞を完成させることもあった。綿密な編集と書き直しを繰り返し、結果として得られたものは、「映画の解釈」ではなく、曲を自由に関連付けることを可能にする「とりとめのない哲学的探究」だ。二人はshoshin(初心)を持って全ての曲を書いた。これは、アルバムのタイトルにもなった禅仏教の概念で、映画が何を言おうとしているのかという先入観なく、ありそうもないインスピレーションを探しそれについて書く、というものだ。

その過程で、易経とブライアン・イーノの『Oblique Strategies』もインセンティヴとして機能した。結果、映画は修辞的な刺激となり、自らの明確な反応と創造的な本能が二人のプロセスを支配するようになった。共感と開放こそが根底にある目的で、それは、判断をなくし、子供の目で観察することであった。アルバムのアートワークを手掛けたのはガーナのアーティスト、Daniel Anum Jasperだ。80年代後半のガーナでは、映画を宣伝するために、アーティストは映画についてのわずかな情報だけでポスターを描いた。二人はこの形式のパイオニアであるJasperに仕事を依頼した。Jasperが自由に仕事ができるように、プロジェクトに関する情報は意図的に曖昧にされた。

スフィアン・スティーヴンスはニューヨーク在住のアーティスト、ソングライター、コンポーザーだ。彼は、広く評価される9枚のスタジオ・アルバムと共に、仲間のミュージシャン、振付家、ヴィジュアル・アーティストとのコラボレーション作品も多数、リリースしている。その中には、ニューヨーク・シティ・バレエ団、有名な映画監督のルカ・グァダニーノ、継父のローウェル・ブラムス、著名なダンサーのジャライア・ハーモンが含まれる。一方のアンジェロ・デ・オーガスティンは、自らが育ったロサンゼルスの北の郊外カリフォルニア州サウザンドオークスをベースとするソングライター/アーティストだ。2014年にデビュー・アルバム『Spirals of Silence』を自主リリース。その後、Asthmatic Kittyより『Swim Inside The Moon』(2017年)、『Tomb』(2019年)と2枚のアルバムをリリースしている。


『A Beginner’s Mind』

2021年9月24日(金)Asthmatic Kitty Records AKR143JCD[CD/国内流通仕様] ¥2,500+税
ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ

■収録曲目:
1. Reach Out
2. Lady Macbeth In Chains
3. Back To Oz
4. The Pillar Of Souls
5. You Give Death A Bad Name
6. Beginner’s Mind
7. Olympus
8. Murder And Crime
9. (This Is) The Thing
10. It’s Your Own Body And Mind
11. Lost In The World
12. Fictional California
13. Cimmerian Shade
14. Lacrimae

◆スフィアン・スティーヴンス オフィシャルサイト
◆アンジェロ・デ・オーガスティン オフィシャルサイト
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