【インタビュー】有馬爽人、境界を超えて挑む夢「ひとりでも多くの人を笑顔に」
■愛を知って色づいていく主人公
──「colorless」は、有馬さんの歌声が美しく、どこか儚くも響くナンバー。作詞にも参加されていますが、“君”に出会い愛を知ることで次第に色づいていく“僕”の世界を、言葉で、歌声でていねいに描いています。
有馬:主人公は、過去の自分に重なる内気で不器用な人物像で。あのときこうしていればよかったとか、あの日気持ちを言葉にして伝えておけばよかったとか……これまでたくさん後悔をしてきたからこそ、そこにちゃんと向き合った上で、自分の想いを言葉にして伝えることの大事さを、言葉で、歌で表したかったんです。愛を知って色づいていく主人公を思い描きながら、すごく入り込んで歌いました。
──本当に、心が動く歌声です。ちなみに、歌詞に“愛すべき”というフレーズがありますが、音楽は大前提として、有馬さんが愛するものは?
有馬:パッと浮かぶのは家族です。1年半前くらいに上京してひとり暮らしをしているんですけど、離れてみたことでよりいっそう家族のありがたみを感じるし、応援してくれている家族の存在は背中を押してもくれるし。家族の愛をひしひし感じながら、僕の中で家族への愛はどんどん大きくなっています。
──なんて孝行息子! それから、2021年11月より上演予定の舞台『ギヴン』では、なんと主役の真冬を演じ、劇中バンド“ギヴン”でギター&ヴォーカルとして歌い、ギター演奏もされるのですよね。
有馬:お芝居をすることも、バンドで歌うことも、ギターを弾くことも、自分にとっては初めてのことなんです。しかも、僕は左利きなんですけど、真冬は右利きだから、右利き用のギターを弾かなくてはいけないっていう。でも、新しいことに挑めるというのはありがたいことでもあるし、ワクワクもあります。
──どんなときも、やはり有馬さんは前向きですね。真冬を演じるにあたり、どう役作りされているのかも気になります。
有馬:考え方や声のトーン、大きさなども、とことん真冬になりきろうと思いまして。オーディションに合格する前に、真冬と同じようにギターを背負って電車に乗ったりもしたんですよ。
──合格前にそこまで!?
有馬:演技が未経験の自分にできることはなんだろう、っていうことをとにかく考えて。オーディションに受かるかわからなくても、役に対しての想いを全力で注ぎたかったんです。それだけに、真冬を演じることが決まった瞬間は、主演のプレッシャーは感じながらも、本当に嬉しかったです。
──現在は、共演者とのバンド練習も重ねているそうですね。
有馬:まず自分の楽器を演奏するのも難しいし、バンドとして合わせるのも難しいし、最初は手探りしながらだったんですけど、みんなとコミュニケーションをとっていく中で、日に日に楽しさが増して、絆も深まっていって。本当にいいメンバーだし、いいバンドになっている実感があります。
──本番が楽しみです。恋愛模様も描かれる作品ですが、恋心をお芝居で表現することで、見つけるものもありますか?
有馬:原作漫画やアニメはもちろん、国内外の恋愛作品を観て、恋する人の心の動きを勉強したりしています。お芝居で得たものが音楽にも活きるだろうし、今回の舞台経験も養分に、今後ドラマティックなラヴソングを書けたら素敵だな、と思っています。
──さまざまな表現に、貪欲にチャレンジする有馬さん。この先、どんな未来図を描いているのでしょうか。
有馬:歌手として喜怒哀楽さまざまな感情を歌で描いたり、俳優としてガラっと異なる役柄を演じたり。自分の好きなことや個性を大事にするのは大前提として、いろいろなことを経験して、新しいことにもどんどん挑んで、幅広い表現力を身につけたいです。そして、海外でライヴをしたい、世界中のみなさんと一緒に曲を作ってみたい、という夢もあります。支えてくださる方々、応援してくださる方々に感謝しながら、想いを込めた歌を届けて、魅了するようなお芝居をして、ひとりでも多くの人を笑顔にできるような存在になりたいです。
取材・文◎杉江優花
1stデジタルシングル「colorless」
2021年6月10日(木)配信スタート舞台『ギヴン』
出演:有馬爽人 澁木 稜 須永風汰 川上将大/山﨑晶吾 他
原作:『ギヴン』キヅナツキ(新書館「シェリプラス」連載中)
演出:松崎史也
脚本:綾奈ゆにこ
主催・制作:トライフルエンターテインメント
監修:ギヴン製作委員会
舞台HP:https://given-stage.com/
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