【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>TOTALFAT、「こんな時代に音楽を選んでくれたおまえらマジ最高!」
昼過ぎに雨が止むまでは、この1〜2年、不屈の精神の塊と化しているTOTALFATなら、雨にも負けず必ずオーディエンスを盛り上げるに違いない。
そんな熱演をぜひ見せてほしいと勝手なことを考えていたけれど、「雨が上がったぜ。富士山も見えてるぞ。最高だ!」と開口一番、Jose(Vo,G)が言ったとおり、TOTALFATがステージに立つ頃には久しぶりに<SATANIC CARNIVAL>に帰ってきた彼らを祝福するように僕らの頭上には太陽と青空が広がっていた。
◆TOTALFAT 画像
今調べてみたら、TOTALFATの<SATANIC CARNIVAL>出演は5年ぶり。ひょっとしたら、オーディエンスの中には3人編成になった彼らのライブを初めて観るという人もいたかもしれない。
どうだったかい? Shun(Vo,B)、Jose、Bunta(Dr,Cho)という結成時のメンバーで再出発したTOTALFATは。筆者は彼らの関係者でも何でもないけれど、3人編成になってからのTOTALFATをずっと見てきたいちファンとして、この日、彼らのライブを観ながら「どうだい? 3人編成になったTOTALFATもかっこいいでしょ」と思わずちょっと自慢したい気持ちになった。
もちろん、バンドの本質は何ら変わらない。しかし、ライブの定番と言えるメロディックでアンセミックなレパートリーを演奏しながら、彼らはこれまでとは違う一面を見せてくれた。それはバンドにとって大きな存在だったKuboty(G)の脱退、そしてコロナ禍というTOTALFAT史上最大とも言える危機を乗り越えるため、彼らが見出してきた突破口だから、変化と言うよりもむしろ進化という言葉がふさわしい。
たとえば、最近は本編最後にやることが多いライアンセムを、敢えて1曲に持ってきてスタートダッシュをかけた「Good Fight & Promise You」では、JoseとShunに加え、Buntaもハーモニーを重ねた。Buntaが頭につけているマイクはコロナ禍以降、ファンが声を出せないなら俺が代わりにと使い始めたものだ。そのBuntaは、祭りのリズムとオーディンスによるタオル回しがやはりライブの定番になっている「夏のトカゲ」でファンにワイプをリクエスト。以前に比べ、オーディエンスにアピールするようになった。
そして最近、ステーに立つたび胸の内から思いが溢れ、それを言葉にせずにいられないShunはこの日も「PARTY PARTY」の途中、本来は歌うべきところにもかかわらず、「こんな時代に音楽を選んでくれたおまえらマジ最高!」と叫んだ。そして、オーディエンスもサビでシンガロングできないならとワイプと突き上げた拳でその思いに応えたのだった。
そこから繋げた「World of Glory」で、「俺らとひとつになりませんか? お手を拝借。手拍子でひとつになろうぜ!」と繰り広げた手拍子のコール&レスポンスは、最近のTOTALFATのライブの見どころのひとつだ。
「お天道様も味方してくれた。富士山も顔を見せてくれた。SATANICに来た人は正解だったんじゃないですか!」Shunの言葉にオーディエンスが拍手で応える。
「中にはシンガロングできないならライブやる意味はないと思ったバンドもいるかもしれない。でも、ライブやって後悔している奴らは1人もいない。ここに集まった奴らが屈強だから、(SATANICを)やろうと決断したんだと思う。やらない理由はいくらでもあるけど、やる理由もたくさんある。信じていこうぜ。俺らはやる理由を見つけて、ここに来た。(SATANICを)やった証を作って帰ろうぜ」
30分の持ち時間だ。今日は語らないだろうと思ったが、やはりShunは熱く語った。胸の内から思いが溢れ、それを語らずにいられないんだからしかたない。それもまた今のTOTALFATのライブの大きな見どころだろう。
「パンクロックは1人じゃない。それを伝えて帰ります!」
Shunの言葉に応え、Joseが歌い上げるように始まったラストナンバーは、「Place to Try」。僕らは決して1人じゃない。怖いことは何もない。だから進んでいこう。彼らがこの曲に込めたメッセージがオーディエンスの胸の中に響き渡ったことこそが、数々の制約がある中、TOTALFATがこの日、ステージに立った証。筆者はそう信じている。
取材・文◎山口智男
撮影◎岸田哲平
【TOTALFAT セットリスト】
2.夏のトカゲ
3.My Game
4.PARTY PARTY
5.World of Glory
6.Place to Try
■<SATANIC CARNIVAL 2021>
6月6日(日) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
・物販 / FOOD AREA:start09:30
・ライブ観覧エリア:open10:30 / start11:30 ※19:25終演予定
▼6月5日 出演アーティスト
バックドロップシンデレラ (※new)
The BONEZ
Dizzy Sunfist
Fear, and Loathing in Las Vegas
マキシマム ザ ホルモン
NAMBA69 (※new)
Northern19 (※new)
ROTTENGRAFFTY
SiM
SPARK!!SOUND!!SHOW!! (※new)
Survive Said The Prophet
suspended 4th
WANIMA
▼6月6日 出演アーティスト
04 Limited Sazabys
10-FEET
Age Factory (※new)
coldrain
G-FREAK FACTORY (※new)
ハルカミライ
HAWAIIAN6 (※new)
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
MONGOL800
NOISEMAKER
SHADOWS
TOTALFAT (※new)
[O.A.] PALEDUSK (※new)
▼チケット ※全て電子チケットでの取り扱い
【一般発売】
2日通し券 ¥17,800 / 1日券 ¥9,500
発売開始:5月22日(土)〜
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