【インタビュー】DIR EN GREY、「朧」に重なり合う“痛みと時代感”「メロディがはっきりわかるものがいい」
DIR EN GREYが4月28日、通算32作目のシングル「朧」をリリースする。表題曲は聴き手を一気に引き込む音色をオープニングに、バンドサウンドを交えながらシンプルにドラマティックに展開していくミドルチューンだ。その中で人間の弱さが生み出す感情を表現した歌詩が浮き彫りとなる。彼らがずっと表現してきた“痛み”が時代感と重なり合い、ヒリヒリするほど説得力を持って伝わってくるようだ。
◆DIR EN GREY 動画 / 画像
BARKSインタビューでは薫(G)とShinya(Dr)から、今作「朧」収録曲についてはもちろん、生産限定盤に収録された特典映像<爆音上映会『目黒鹿鳴館GIG』上映のLIVE映像再編集Ver.>、コロナ禍におけるDIR EN GREYの活動やライブについてまで、バンドの今を徹底的に訊かせてもらった。
◆ ◆ ◆
■無駄な音を入れて飾り付けするのは
■嫌かなあ、みたいな
──ツアーこそないものの、リリースはコロナ禍においても、いつものペースですよね。
薫:そうですね。ライブがない以外は何も変わらないですね。メンバーで集まる回数が少なくなったぐらいです。
──Shinyaさんは、コロナ禍のバンド活動をどう捉えていらっしゃいますか?
Shinya:やっぱりツアーがなくなったことは一番大きいですけど、あとは一緒ですね。
──そもそもDIR EN GREYは、以前から音源制作をリモート化していたり、独自のスタンスを貫いていたからこそ、この状況下でも変わらない活動ができているのかな?と思ったのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
薫:そうですね。でも、やっぱり時間はできましたよ。これまではツアーの合間に制作することが多かったですけど、今は“ただ漠然と、ずっと制作しています”みたいな感じなので。なんか、見えない中でやっている感はちょっとありますけどね。
▲薫(G) |
薫:刺激が足りなくなったかどうかはわからないんですが、ツアーがあることによって、そこまでやっていた制作を止めてツアーのモードに入って、それが終わったら制作に戻るっていう、制作におけるオン/オフがあったんですよね。それがなくなって、ずーっと制作をやっているので、客観的にできあがっているものの現状が見えにくいところもあるかもしれないです。
──そのあたり、Shinyaさんはいかがですか?
Shinya:例えばシングルを出して、1回ライブでやって、感触を見てアルバムを作るとかの過程を経ながらやっていたので、今はライブでどうなるかがわからないままやっているところはあります。
──そういう中で今回のシングル「朧」は、どんなふうに出てきたんでしょうか。
薫:去年の秋とかぐらいかな。アルバムを制作している中で出てきた曲で。まずシングルを出そうっていう話になった時に、「今回はミディアムからスローのテンポで、メロディがはっきりわかるものがいいかね」って話になって、アルバムの曲として創っていたものの中から、これが選ばれたみたいな感じです。
──アルバムの制作は進んでいる状態なんですか?
薫:全然……って言ったらあれですけど(笑)、そんなにですね。
──じゃあ、収録する候補曲を作っている、ぐらいな段階ですか。
薫:まあまあまあ、そんな感じです。
▲Shinya(Dr) |
薫:まあ、なんとなくっちゃなんとなくですけど(笑)、いろんな人に聴いてもらえる感じがしたんですかね、今回は。
──では、それぞれ、「朧」の聴きどころと思うところを教えていただけますでしょうか。まずは薫さん、いかがですか?
薫:曲の出だしですかね。“頭のシンセ音とかの雰囲気で、この曲は決まるやろ”って思いながら創っていたので。
──出だしを大事にしたのは、シングルということも関わっていますか?
薫:いや、シングルになることが決まる前、曲創りをしている時からあの感じだったんです。バラード的な曲になるとは、自分の中ではわかっていたので、アレンジによってはいろんな感じに展開していけるような、シンプルやけどゾクゾクするようなイントロにできればなとは思って、創っていました。
──シンプルにしたいっていうのは、何か理由があったんですか?
薫:んー、無駄な音を入れて飾りつけするのは嫌かなあ、みたいな。
──最近のDIR EN GREYの楽曲は、シンプルな中でも世界観を構築するスタイルを貫いている印象があるんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
薫:うん、シンプルにしようとは思っています。何かぶつけて散漫にさせるよりは、しっかりひとつのものを聴かせていこうっていう気持ちではいますね。もちろん曲によっては、そこから展開させて面白くしていこうってなることもありますけど。
──そんな中でも気になったのが、中盤のストリングスとエレキギターが交差して入れ替わっていくように聴こえるインタビューの部分だったんですけれど。
薫:ストリングスが入って、途中で混じって、ギターソロに入っていく感じですね。
──このストリングス〜ギターソロは曲のイメージを象徴するようにも感じましたが、どういうことを考えて構築したギターソロですか?
薫:思いっきり弾いてますっていう感じじゃないんだけど、熱いものにしたいとは思っていました。
──では同じ質問ですが、Shinyaさん、今回の「朧」の聴きどころを、どのように考えていらっしゃいますか?
Shinya:楽曲全体を通してのメリハリですかね。音があって、ふとなくなって、また出てきてみたいなところかなって、個人的には思っています。
──ご自身のドラムプレイ的には、どういうところが気に入っていますか?
Shinya:個人的には、Aメロが好きですね。
──通常のリズムパターンというよりも、タムを活かしたフレーズで組み立てていますよね。
Shinya:そうですね。理論的にはわからないですけど、感覚的にそうしたいなと。
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