【インタビュー】YAASUU、沖縄から全世界へ「重大発表も予定しています」
▲<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>2021年2月12日/YAASUU
沖縄宮古島出身、現在は活動拠点を東京をに置き、宮古島の素晴らしさを歌に乗せるシンガーソングライターがYAASUUだ。コロナ禍の現在、弾き語りソロからバンド編成まで柔軟なスタイルで、沖縄出身の先輩後輩と様々なオンラインライブをプランニングしているほか、宮古島方言であるミャークフツを使ったカバーソングや宮古島あるある情報などを紹介するYouTuberとしても活動している。
◆<LEQUIOS FESTIVAL> 動画 / 画像
先ごろ公開したインタビューでは、琉球人によるフェス<LEQUIOS FESシリーズ>やカウントダウンライブ<LEQUIOS COUNTDOWN FESTIVAL 20/21>について語ってもらった。2021年に入っても新たなフィールドを開拓するYAASUUに、沖縄から世界へ発信中の活動について話を訊いた。
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■なんでお墓の前でピクニックやってるの?
■ってビックリするみたいです
──前回インタビューでは、2020年12月31日のカウントダウンライブ<LEQUIOS COUNTDOWN FESTIVAL 20/21>の話をうかがいました。そして2021年に入ってからは、<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>が実施されましたね。
YAASUU:新暦正月の<LEQUIOS COUNTDOWN FESTIVAL 20/21>の次は、2月12日の旧正月に、旧正月元旦フェス<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>を開催しました。沖縄には旧正月の文化がけっこう残っているんです。那覇の老舗のライブハウスOkinawa Cyber-Boxと、台湾、マカオ、中国大陸、韓国をオンラインで繋いで実施したんですが、緊急事態宣言の真っ只中だったので完全無観客で。ただ、喜納昌吉さんを筆頭に、As Alliance、春翠、メカルジン、THE WARSMANS、Shingo Break time、signalなど沖縄本島各地からみなさんに出演していただきました。
▲<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>2021年2月12日/春翠
▲<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>2021年2月12日/メカルジン
▲<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>2021年2月12日/THE WARSMANS
──さらには各国をオンラインで繋いで。
YAASUU:そうです。Cyber-Boxがある地域は、琉球王国の時代にチャイナタウンだった場所で、その名残で孔子廟とか龍柱とか中華圏に由来するものがたくさんあるんですね。そのすぐ隣に福州園という中華庭園があって、そこから沖縄のアイドルグループRYUKYU IDOLとOBPの皆さんに出演していただいたり。台湾からはBIKE(機踏車樂團)、マカオからはCancer Game、中国からはモンゴル族のバンドNine Treasures(九宝乐队)、そして韓国からはStorySeller、LiveYubin、JungHeumBandの3組がオンラインで出演してくださいました。
──YAASUUさん自身もオンラインでの参加でした。
YAASUU:コロナ禍を鑑みて、東京の高田馬場BASS ON TOPからオンラインでのトリ前出演となりました。トリは今回も喜納昌吉さん率いるKINA&GWINKO WORLDCHAMPLOO。<LEQUIOS COUNTDOWN FESTIVAL 20/21>のゆんたく(MC)は、島ハーフ芸人のニッキーさんが日本語と英語で担当してくれましたが、今回は旧正月なので中華圏を意識して、“おど みわ”さんに担当していただきました。おどさんはうちなんちゅーで中国語が堪能なボイスアクターです。現在、YouTubeで<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>のダイジェスト版が見られるようになっているので、ぜひ観ていただきたいですね。
──緊急事態宣言が発出されていた2021年初頭はどんな活動を?
YAASUU:最近、東京に住んでいる宮古島出身の歌手である自分、俳優の一色湊、モデルのMARY、サッカー選手の上里琢文といったジャンルの異なる仲良し4人組で、YouTube番組『WONDERFUL LIFE』をスタートさせたんです。みんなで地元宮古島をPRしながら、普段見せない素の部分とか、休日の楽しみ方などを少しずつ公開しています。完全に遊び感覚なんですが、けっこう毎日のように更新しているんですよ。宮古島方言のミャークフツでカバーソングを歌ったり、宮古島と沖縄本島の言葉の違いとかも面白く紹介しています。少しでも沖縄に興味がある人はとっても参考になると思いますので、これもぜひ観ていただきたいです。
──4月4日に開催された<レキオスシーミーフェスティバル>はいかがでしたか?
YAASUU:前回のインタビューでもお話しましたが、沖縄本島で4月4日は、琉球王国時代に中華圏から伝来した“シーミー(清明祭)”というご先祖様のお墓参りを行う暦の日なんです。ご先祖様のお墓を清掃して、ご先祖様がお金に困らないようにあの世で使うお金“ウチカビ(紙銭)”を燃やしてお祈りを捧げたりします。沖縄本島ではそこからさらに独自の発展をして、今では親戚が一同に集まってお墓の前にブルーシートを敷いて、御馳走やお酒を並べて、三線を持ち込んだりします。お祈りが終わったらお花見やピクニックみたいな展開になるんですよ。
──前回のインタビューでも「お墓の前でピクニックみたいな感じで盛り上がる独自の文化が沖縄にはある」とおっしゃってました。
YAASUU:そうですね。僕らは小さい頃から「お墓参りはお祭りだよ」と教えられて育ってきたので全然普通なんですが、内地(日本本土)出身の方や、同じ清明のお墓参り文化のあるアジアの方々から見ると「なんでお墓の前でピクニックやってるの?」ってビックリするみたいです。そこで、誰かが「シーミー(清明祭)をテーマに、お墓をモチーフにした<レキオスフェス>をやろう!」と言い出したところ(笑)、本島の方々が「それいいね!」とのってきて(笑)。
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/YAASUU
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/喜納昌吉
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/As Alliance
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/what at lazz
──そういう始まりだったんですね。
YAASUU:沖縄を代表する60代のグラフィックデザイナーの仲嶺正己さんには、毎回ポスターデザインをしていただいているんですが、「シーミーのデザインなんて燃えてくるよ!」とご快諾いただいたり。喜納昌吉さんには「僕のおうちに大きなお墓を新しく建てたから、そこも使ってやろう!」とおっしゃっていただいて、お墓の前で演奏することになったんです。さらに、沖縄を代表するお笑い芸人団体のFECオフィスさんから「シーミーをテーマにしている芸人がいるよ」とお声がけいただいて、大兼のぞみ with DJレイコさんの出演も決まり、シーミ―という沖縄文化を全面に出すという意味で、MCに沖縄方言のうちなーぐちが堪能なやぎのシルーさんを迎えるなど、とんとん拍子にフェスの概要が完成しました。ちなみに僕の地元宮古島では、お墓参りがお祭りみたいになるのは一緒ですが“シーミー”ではなく“旧十六日祭(ジュウルク二ツサイ)”と言います。同じ沖縄でも、沖縄本島と離島とでは微妙に文化が違うんです。
──当日はどんな雰囲気でしたか?
YAASUU:那覇空港近くのライブハウスG-shelterをメイン会場に、フロアにはブルーシートを敷いてシーミーっぽくした上で(笑)、喜納昌吉さん、As Alliance、Little Masta、春翠、アメトコトノハ、スクガラス、Ajna、what at lazz、YamatoKono、A Summer of Lovely、SHIKAto TSUNO、RYUKYU IDOL、そしてOBP沖縄メンバーのみなさんなど、たくさんのアーティストにご出演いただきました。オンラインでは、沖縄本島中部の沖縄市美里公民館からニックスハマヤー空手太鼓のみなさん、那覇の福州園から蘭茜(Lan Xi)さん、東京のDshiodome+からOBP東京メンバーのみなさん、中野の小劇場ビットからは沖縄電子少女彩さんなど、いろいろな場所からオンラインで出演していただきました。自分は東京の自由が丘のSTUDIO BAYDからフルバンド編成でオンライン参加しました。
──オンラインは海外ともつないだんですよね。
YAASUU:韓国のソウルにあるライブハウスRollinghall(롤링홀)からStorySellerとJungHeumBand、Nest Nada(네스트 나다)からはCrying Nut(크라잉넛)のみなさんに出演していただきました。Crying Nutさんはオンラインで、「沖縄には何回も行った事がある」「沖縄大好き」「コロナが終わったら最初に行きたい海外は沖縄」「僕たちはモンパチの友達!」とたくさんお話してくださいました。ライブでも「オキナワ!」と日本語で何度も叫んでくださったのが、本当に嬉しかったです。リアルタイム生配信は全世界から3000人以上が見てくださいました。沖縄のシーミーの雰囲気を体験してもらえたと思います。
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/ニックスハマヤー空手太鼓
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/Crying Nut
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/大兼のぞみ with DJレイコ
▲<レキオスシーミーフェスティバル>2021年4月4日/やぎのシル―
──4月29日(木/祝)には川崎・ゆんたくで<宮古島ナイト in 川崎>、5月9日(日)には那覇・Okinawa Cyber-Boxで<宮古島ナイト in 那覇>が開催されますね。
YAASUU:はい、<宮古島ナイト>を開催します。4月29日は僕がずっとお世話になっている場所であり、ライブが見られる川崎の沖縄居酒屋ゆんたくさんにて、ゆったりとアコースティック編成で行います。その一部を僕のInstagramでも生配信しますのでぜひ観てください。5月9日は超久しぶりに沖縄本島でライブをやります。<LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL>も実施した那覇のライブハウスCyber-Boxさんに生出演する予定です。宮古島の先輩である下地イサムさんをはじめ、宮古島出身の光さん率いる沖縄パンクシーンの代表バンドCHAIN’SOLE、宮古島方言ラップアーティストNcaan、後輩ラッパーの我琉くん、そしてMCには宮古島の名物・警察官型人形“宮古島まもる君”に扮して活動するリアルまもる君、お笑い芸人のぴろんぴろん下里さんは映像で出演予定です。この日の最後には重大発表も予定しています。ZAIKOで全世界へ向けて有料オンライン配信も行うので、日本全国、世界のみなさんにぜひ観ていただいきたいですね。
──重大発表も楽しみです。
YAASUU:来月中には新たな楽曲をみなさんに聴いてもらえるように準備しています。これまでとは全く違う、新しいYAASUUをご期待ください。たんでぃがーたんでぃー(宮古島方言のミャークフツで”ありがとう"の意味)!
撮影◎Ocean Queen(LEQUIOS LUNAR NEW YEAR FESTIVAL)/Misaki Namizato (レキオスシーミーフェスティバル)
■<宮古島ナイト>
2021年4月29日(木/祝) 川崎・ゆんたく
open17:00 / start18:00
出演:YAASUU
【チケット】
OFF-LINE 2,000円(SOLD OUT)
※OFF-LINEチケット完売の為、当日はYAASUU Instagramにて一部無料生配信
▼<宮古島ナイト in 那覇>
2021年5月9日(日) 那覇・Okinawa Cyber-Box
open15:30 / start16:00
出演:下地イサム / CHAIN’SOLE / Ncaan / 我琉 / YAASUU / ぴろんぴろん下里(映像出演) / MC リアルまもる君
【チケット】
OFF-LINE 2,000円
ON-LINE 1,000円
ZAIKO:https://yaasuu.zaiko.io/e/miyakojima2
※アーカイブは05/16(日)23:59まで視聴可能