『幻想水滸伝』配信コンサート、シリーズの音楽的魅力を掘り下げる第3週の見どころ
ゲーム音楽交響楽団「JAGMO(JApan Game Music Orchestra)」によるオンラインコンサート<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert Online>が、4月4日(日)、11日(日)、18日(日)、25日(日)に開催される。
2020年10月より開催された<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert>は、『幻想水滸伝』の発売25周年を記念して同シリーズの音楽にスポットを当てたコンサートツアーだ。今回のオンラインコンサートでは、それぞれ異なるプログラムで行われた全4公演が再演される。
本稿では、4月18日(日)に配信される<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->の見どころをJAGMOプロデューサー山本和哉氏による解説でお届けする。
◆ ◆ ◆
■JAGMOプロデューサー山本和哉氏 解説コメント
本公演は、他の3つの公演と編成をガラッと変えた、室内弦楽合奏の形式でお届けする室内楽公演となります。オーケストラ公演とは一味も二味も違ったサウンドと内容で展開していきます。今回の公演では指揮者が存在せず、その代わりに室内合奏の中心にピアノを配置し、ピアニストがリーダーシップを発揮しながら楽曲が展開されていくスタイルを取り入れてみました。奏者たちの息遣いが普段の公演よりもより一層ダイレクトに聞こえてくることと思います。
今回のツアーのコンセプトとして、特にオーケストラ公演ではキャラクターにフォーカスしたシンフォニックポエムの形を用いていますが、今回のこの室内楽公演では、特定のキャラクターにフォーカスはせず、純粋に幻想水滸伝の中に登場する名曲の数々を音楽的側面から掘り下げるために、あえて弦楽合奏というクラシカルな手法を使用することにしました。幻想水滸伝で登場する音楽は、それぞれの楽曲が様々な音楽ジャンルの土台の上に成立しているということが分析をしていて明確に感じられます。時にはバロック時代を思わせるポリフォニックな音楽であったり、民族音楽を思わせるリズムや楽器の使用など、その音楽のジャンルの幅広さが幻想水滸伝の音楽の魅力の一つだと思います。クラシカルな手法を用いて作られた電子音楽をベースとしたゲーム音楽を再度、クラシック音楽の形式(ここでは室内合奏の形式)の土台へと回帰させ生演奏としてお客様にお届けすることは、一種、ゲーム音楽の生演奏をクラシカルなアプローチで行うJAGMOの理念に合致すると思い、今回このような場を設けさせていただきました。また、今回演奏していただく皆さまは、日本音楽界を牽引されていらっしゃる、本当に素晴らしい方々ばかりです。このような演奏会を開催できたことをとても嬉しく思います。
1 回想
悲しみのレクイエム
本公演第1曲目にお届けするのは、『幻想水滸伝II』を代表する楽曲である、「回想」と「悲しみのレクイエム」の2曲で構成された楽曲です。「回想」はその名の通り、ジョウイと主人公の思い出を回想するような悲しげな音楽で、「過ぎた日々」などの楽曲でも同様のテーマが用いられています。悲しみのレクイエムは前作『幻想水滸伝』の「レクイエム」という楽曲のテーマをアレンジした楽曲です。この2曲のように、本作シリーズではナンバリングタイトルを跨いで共通のテーマが使用される楽曲が数多く存在します。悲しい運命を象徴するような2曲のメドレーをお楽しみください。
2 交響組曲「幻想水滸伝II」~幕 間~
幕明料理対決
料理選択
対決一分間
鉄人登場
Orizzonte
Due Fiumi ~2つの川~
La mia tristezza
若き勇者たち
誇り高きサラバンド
2曲目にお届けするメドレーは2020年に開催したJAGMOファンクラブミーティング<選曲ドラフト会議>において、ファンクラブの方からアイディアを頂戴したメドレーを元に制作した楽曲です。2019年に開催した幻想水滸伝シリーズコンサートで演奏した交響組曲「幻想水滸伝II」に間奏曲を追加したら、というコンセプトでご提案いただきました。普段公演で取り上げることの少ないサブイベントなどで流れる楽曲を中心にお届けします。
3 森の小径
次にお届けするのは『幻想水滸外伝Vol.1 ハルモニアの剣士』に登場する「森の小径」です。サントラにメロディ譜が掲載されているのも頷けるような美しい旋律をクラリネットが奏でる印象的な楽曲です。本公演ではチェロのソロでお届けします。ちなみに、この楽曲は『幻想水滸伝II』に登場するコボルト達のテーマ曲「ウィ・アー・ザ・ナンバー・ワン!」のモチーフの変奏によるテーマだと思われます。
4 かつての英雄を求めて
煌めく刃
次の楽曲は『幻想水滸伝III』から2曲を抜粋しお届けします。ストーリー終盤、炎の英雄のシーンにおいて流れる幻想的な楽曲と、ボス戦などで流れる本作を代表する激しい戦闘曲を2曲続けてお送りします。『幻想水滸伝III』ではストーリーの舞台の兼ね合いもあり、特に東南アジアの牧歌的な曲調などが高頻度で現れます。「かつての英雄を求めて」もまさにそんな楽曲のひとつです。
5 罰の紋章
輝ける海よ!空よ!
『幻想水滸伝IV』より2曲を抜粋してお届けします。JAGMOでも取り上げる頻度も多く、幻水シリーズ屈指の名曲と呼んでも過言ではない、「罰の紋章」と、大海原を旅する際に必ず耳にする、おなじみ「輝ける海よ!空よ!」。どちらもストリングスアンサンブルにぴったりな曲調で、特に「罰の紋章」ではヴァイオリンとピアノによる重奏もふんだんにお届けします。
6 月夜のテーマ
次はシリーズ通して登場頻度の高い「月夜のテーマ」を単独で演奏します。オデッサとのシーン、ジョウイとのシーンなど、作品内でも重要な会話シーンで流れることの多い楽曲ですが、冒頭のテーマは「幻想の世界へ」のテーマとの類似が感じられます。また、なめらかな旋律による幻想的な夜の音楽は、戦争や争いの多い本シリーズにおいて、数少ない優しい音楽の代表とも言える優しい曲調で終始展開されていきます。
7 深蒼の回想終曲
次に演奏するのは、『幻想水滸伝IV』においてエンディングロールにて流れる大曲「深蒼の回想終曲」です。この楽曲の面白いところは、全曲通して、シリーズの様々な楽曲のモチーフが顔を覗かせることです。今回の演奏でも別楽曲のモチーフがたびたび登場します。そういった部分にも耳を傾けながらお聴き頂けましたら幸いです。
8 闇に哭する光
星の塔
次にお届けするのは『幻想水滸伝V』より「闇に哭する光」と「星の塔」です。「闇に哭する光」は「回想」と「罰の紋章」を一つにまとめたような艶やかで悲しい音楽です。今回のコンサートツアーではコンセプトの兼ね合いから、どうしても『幻想水滸伝III』までの音楽の比率が上がってしまいますが、この楽曲はその中でも珍しく『幻想水滸伝V』を取り上げた楽曲に仕上がっています。
9 彼方の星
シリーズ屈指の名曲で、レックナードが登場するシーンなどでも流れる「彼方の星」ですが、初登場は幻想水滸伝初代の「感動のテーマ」です。こちらもレックナートが現れるシーンで流れ、拍間が掴めないような、独特でゆったりとした幻想的な音楽が印象的です。
10 枯れた大地
Gothic Neclord
公演の最後を飾るのは、ネクロードとの戦いでもおなじみのこの2曲です。オーケストラ公演の際は圧倒的な音圧とともに演奏されることの多いこちらの楽曲ですが今回はあえてメロディアスに聴かせる、といったアプローチで楽曲制作を行いました。いつもと一味違う「Gothic Neclord」をぜひご堪能ください!
4月18日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->については、冒頭に述べたように他配信コンサートとはコンセプトが異なるためゲーム映像を使った演出はないですが、その分、幻想水滸伝の音楽の核の部分に迫った公演に仕上がっていると思います。
本作の音楽の素晴らしさにダイレクトに触れ、お楽しみいただければと思います。
◆ ◆ ◆
■<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->公演プログラム
1 回想
悲しみのレクイエム
2 交響組曲「幻想水滸伝II」~幕間~
幕明料理対決
料理選択
対決一分間
鉄人登場
Orizzonte
Due Fiumi ~2つの川~
La mia tristezza
若き勇者たち
誇り高きサラバンド
3 森の小径
4 かつての英雄を求めて
煌めく刃
5 罰の紋章
輝ける海よ!空よ!
6 月夜のテーマ
7 深蒼の回想終曲
8 闇に哭する光
星の塔
9 彼方の星
10 枯れた大地
Gothic Neclord
出演者:
Solo Piano
和仁 将平
1st Violin
三上 亮
福田 俊一郎
今岡 秀輝
矢部 咲紀子
2nd Violin
高宮城 凌
野尻 弥史矢
和泉 晶子
Viola
松本 有理
西村 梨沙
Cello
村井 智
坂井 武尊
Doublebass
渡邉 紘
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert Online>
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -for the 108 Stars of Destiny>
メインコンサート配信 開演/18:00 終演/20:00
ボーナスコンサート配信 開演/21:30 終演/23:30
2021年4月11日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Jowy->
メインコンサート配信 開演/18:00 終演/20:00
ボーナスコンサート配信 開演/21:30 終演/23:30
2021年4月18日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->
コンサート配信 開演/18:00 終演/19:30
※-Chamber Orchestra of Suikoden-にはボーナスコンサート配信はございません。
2021年4月25日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Luc->
メインコンサート配信 開演/18:00 終演/20:00
ボーナスコンサート配信 開演/21:30 終演/23:30
※各配信終了後、2週間のアーカイブ配信期間がございます。ライブ配信終了後も2週間以内であれば、各公演の配信チケットが購入できます。
チケット(税込):
全公演通し券:¥14,300
(メインチケット4公演分、及びボーナスチケット3公演分のセット)
2021年4月4日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -for the 108 Stars of Destiny>
メインチケット:¥3,850
ボーナス配信付きチケット:¥4,950
2021年4月11日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Jowy->
メインチケット:¥3,850
ボーナス配信付きチケット:¥4,950
2021年4月18日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->
メインチケット:¥3,850
2021年4月25日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Luc->
メインチケット:¥3,850
ボーナス配信付きチケット:¥4,950
チケット購入: https://thumva.com/events/d1wFsd5qMQv8vYN
主催:株式会社レゾナージュ
演奏・企画・運営:JAGMO
プロデュース:山本和哉
協力:株式会社コナミデジタルエンタテインメント
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