『幻想水滸伝』配信コンサート開幕。グレミオ、フリック、ジョウイの物語を描く第2週の見どころは

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ゲーム音楽交響楽団「JAGMO(JApan Game Music Orchestra)」によるオンラインコンサート<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert Online>が、4月4日(日)、11日(日)、18日(日)、25日(日)に開催される。

2020年10月より開催された<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert>は、『幻想水滸伝』の発売25周年を記念して同シリーズの音楽にスポットを当てたコンサートツアーだ。今回のオンラインコンサートでは、それぞれ異なるプログラムで行われた全4公演が再演される。

本稿では、4月11日(日)に配信される<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Jowy->の見どころをJAGMOプロデューサー山本和哉氏による解説でお届けする。

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■<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Jowy->公演プログラム
・Episode of Gremio
 第一楽章『帝都グレッグミンスター』
 第二楽章『天英星グレミオ』

・Episode of Flik
 第一楽章『オデッサ・シルバーバーグ 』
 第二楽章『青雷のフリック』

・Episode of Jowy
 第一楽章『過ぎた日々』
 第二楽章『ジョウイ・ブライト』
 第三楽章『始まりの紋章』


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■JAGMOプロデューサー山本和哉氏 解説コメント

●Episode of Gremio

今回の公演で一曲目にお届けするのは、『幻想水滸伝』および『幻想水滸伝II』等に登場するシリーズ屈指の人気キャラクター、“グレミオ”にフォーカスした二楽章形式の組曲です。主人公“ぼっちゃん”の付き人としてマクドール家に仕えているグレミオですが、ぼっちゃんにとっての母親代わりのような存在として、日々を過ごしている彼が、ぼっちゃんの成長を一番近くで見守り、徐々に独り立ちしていくぼっちゃんに対して、嬉しい反面、寂しさとの狭間で揺れ動く心情などを、幻想水滸伝初代のストーリーに沿って描く組曲に仕上げました。

・第一楽章『帝都グレッグミンスター』

この楽章では、グレッグミンスターでのぼっちゃんとの暮らし、いつも世話を焼いているグレミオのぼっちゃんへの愛情や、ひょんなことから解放軍として活動を始めることになるぼっちゃんに対して心配する保護者としての心境を表現した音楽をお届けします。大冒険に繰り出すぼっちゃんの勇敢さを「大草原の小さなキャラ」「飛べ!ブラック」などで、また母性溢れるグレミオの心境を「メインテーマアレンジ〜ギター編」の安らかな音楽で表現し、その対比を音楽で表現しています。徐々に戦火に巻き込まれていくぼっちゃんの姿を心配しながらもどこか嬉しくもある、そんなグレミオの心の動きを感じ取っていただけたらと思います。

・第二楽章『天英星グレミオ』

この楽章では、解放軍リーダーとして様々なことを経験し、めまぐるしいスピードで成長してゆくぼっちゃんを間近で感じながら、子離れできない親のような気持ちを感じつつも、その成長の邪魔をしないようにと、葛藤しながらも見守るグレミオの姿と、突然の悲しい別れを中心に描いています。
楽章序盤に現れる「ゴージャス・スカーレティシア」は“ミルイヒ・オッペンハイマー”のテーマでもありますが、グレミオとの因縁という意味でメドレーに組み込みました。この楽曲は原曲を再現しつつも、ベルリオーズの「幻想交響曲」という楽曲の2楽章を引用しています。これは、幻想交響曲という楽曲の物語が、主人公が徐々に死へと向かっていくような音楽を描いているのと、双方の楽曲が持つニュアンスや音楽性に類似があるため、このような演出・編曲をおこないました。さらに、「ゴージャス・スカーレティシア」と次の「悲しみのテーマ」のブリッジとして、同じく「幻想交響曲」より第五楽章の一部を引用しています。この楽曲では「死者の亡霊」や「怨念」「化物的な存在」などの主題と「愛のテーマ」が交わり合い、歪んでしまったグロテスクなモチーフが楽曲全体にわたって登場しています。人食い胞子にその身をさらされるグレミオの最期を予感させるブリッジとして起用しました。
また、108星を集め、レックナートが現れるシーンでは、「出陣のテーマ」に寄り添うように、彼女の登場に合わせて「彼方の星」のテーマが顔を覗かせます。そして、感動のラストへと物語は進行していきます。

●Episode of Flik

今公演2曲目にお届けするのは、『幻想水滸伝』『幻想水滸伝II』に登場するキャラクター“フリック”にフォーカスしたメドレーです。ビクトールと並び主人公たちとともに解放軍として奔走する様を中心に、彼なりの正義や大切な人への想いなど、音楽を通して表現しました。

・第一楽章『オデッサ・シルバーバーグ』

第一楽章では『幻想水滸伝』のストーリーを中心に、若くまっすぐで時に頑固なフリックの性格や、自身の剣の名前にもなっている“オデッサ”への想いと悲しい別れを乗り越えて成長して行く様子を描きました。出身である戦士の村の音楽「集いし戦士たち」や「AN OLD IRISH SONG」など勇敢な楽曲と「月夜のテーマ」や「悠久の流れ」などのゆったりとした音楽が交互に配置することで、多感で一直線なフリックの、ある種不安定な心情を描ければと思っています。

・第二楽章『青雷のフリック』

この楽章では『幻想水滸伝II』におけるフリックを、ストーリーを総集しながら取り上げていきます。前作より時間が経ち、成長した姿を見せてくれるフリックの勇ましさや、彼の性格に反して子供たちに懐かれてしまうような意外な一面などを挟みつつ、最終対決に挑む勇敢な姿を音楽とともに描いています。グリンヒルでのイベントを中心に前作より大人びた彼の成長を思わせるような、落ち着いたテンポの部分を多く配置しつつも、剣士としての強さや優しさが内包されているような、そんな音楽表現を目指しました。

●Episode of Jowy

『幻想水滸伝II』に登場する最重要キャラクター“ジョウイ”が27の真の紋章に翻弄され、ひいてはデュナン統一戦争に巻き込まれて行く激動の物語を、普段描かれることの少ないジョウイサイドのストーリーを繋ぎ、再構築した三楽章形式の組曲です。第一楽章では幼少期から主人公やナナミとの幼き日々、ユニコーン少年兵部隊に配属され戦火に巻き込まれて行く様子、大切なものを守るために“黒き刃の紋章”をその身に宿したために、運命の渦に巻き込まれ始める序章を描きます。第二楽章ではタイトルの通り“ハイランド軍”の一員として、主人公と敵同士になるジョウイの心境と葛藤を描きます。そして第三楽章では長い戦いが終結したのち、始まりの紋章の邂逅を描いています。
この組曲では、ジョウイを中核に置きつつも、主人公とナナミの3人のストーリーを深く描いています。その表現方法として、3人の主題を様々な場所に登場させ物語を構築する“ライトモチーフ”の作曲手法を使用しています。

3人それぞれに下記のモチーフを割り当て、それらが様々な楽曲の上に時たま顔を覗かせます。ぜひそのあたりのモチーフ探しもお楽しみいただければと思います。

▼ジョウイモチーフ

▼主人公モチーフ

▼ナナミモチーフ


・第一楽章『過ぎた日々』

この楽章では主人公とジョウイの幼少からの友情と、戦いの渦に巻き込まれながらもお互いを信頼し合い進んで行く2人の様子を回想録のように名曲「回想」を中心に展開していきます。レックナートに導かれるように真なる紋章を宿したことによって、少しずつ運命の歯車に翻弄され始めるまでを描いています。楽曲は、この先に待ち受ける悲しい運命を象徴するかのような悲痛なストリングスアンサンブルによる「回想」から幕を開けます。そしてタイトルにもある通りジョウイ達の「過ぎた日々」を回想するように、クラリネットによる長く優しいソロが現れます。「あの丘に登ろう」における純心な金管アンサンブルは「テレプシコーレ舞曲集」を彷彿とさせ、「月夜のテーマ」では3人の友情以上の心の繋がりを感じさせるかのような甘美な旋律をお楽しみください。

・第二楽章『ジョウイ・ブライト』

この楽章では、そのタイトルの通り、主人公の親友である“ジョウイ・アトレイド”から、ハイランド王国王族ブライト家の一員として主人公と対峙して行く彼の姿を描いています。大切なものを守るためにジョウイが選んだ選択が2人の仲を無慈悲に引き裂いていきます。ジルとの再会や、主人公との度重なる対峙を経て、ジョウイの心の苦しさや葛藤を悲痛な音楽で紡ぎあげていきます。組曲全体を通して静かで悲痛な曲調の多い楽曲において、内に秘めていたジョウイの葛藤と怒りが前面に湧き出てきたような渾身の「怒りの鉄拳」では、その思いを具現化したかのように、オリジナルの楽曲の上でジョウイのテーマである「回想」が現れます。そして不幸が3人を襲い楽曲は収束します。

・第三楽章『始まりの紋章』

この楽章では、デュナン統一戦争の終結後のジョウイと主人公の2人のやりとりからエンディングまでを描いています。第一楽章の冒頭を再現するように「回想」から楽曲が始まります。2人の一騎打ちのシーンではグレゴリオ聖歌を彷彿とさせる男声合唱が繰り広げられます。「なごみBGM」の中に「回想」が一瞬現れ、ジョウイと主人公の心の繋がりを表現するなど、静かな音楽の中にも様々な仕掛けを取り入れています。想いを繋ぐように、旋律が様々な楽器によって演奏され、ラストシーンでは譜例のように3人のモチーフが絡み合い楽曲が終結します。


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本公演ではオーケストラの映像を中心に構成されたメイン配信と同時に、全編ゲーム画面で構成されたボーナス配信も行われる。それぞれのキャラクターのストーリーをゲーム画面で再構築した、ここでしか観られない映像になるということなのでこちらもお楽しみに。

<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert Online>

2021年4月4日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -for the 108 Stars of Destiny>
メインコンサート配信 開演/18:00 終演/20:00
ボーナスコンサート配信 開演/21:30 終演/23:30

2021年4月11日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Jowy->
メインコンサート配信 開演/18:00 終演/20:00
ボーナスコンサート配信 開演/21:30 終演/23:30

2021年4月18日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->
コンサート配信 開演/18:00 終演/19:30
※-Chamber Orchestra of Suikoden-にはボーナスコンサート配信はございません。

2021年4月25日(日)
<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Luc->
メインコンサート配信 開演/18:00 終演/20:00
ボーナスコンサート配信 開演/21:30 終演/23:30

※各配信終了後、2週間のアーカイブ配信期間がございます。ライブ配信終了後も2週間以内であれば、各公演の配信チケットが購入できます。

チケット(税込):
全公演通し券:¥14,300
(メインチケット4公演分、及びボーナスチケット3公演分のセット)

2021年4月4日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -for the 108 Stars of Destiny>
メインチケット:¥3,850
ボーナス配信付きチケット:¥4,950

2021年4月11日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Jowy->
メインチケット:¥3,850
ボーナス配信付きチケット:¥4,950

2021年4月18日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Chamber Orchestra of Suikoden->
メインチケット:¥2,750

2021年4月25日(日)<幻想水滸伝 25th Anniversary Symphonic Concert -Episode of Luc->
メインチケット:¥3,850
ボーナス配信付きチケット:¥4,950

チケット購入: https://thumva.com/events/d1wFsd5qMQv8vYN

主催:株式会社レゾナージュ
演奏・企画・運営:JAGMO
プロデュース:山本和哉
協力:株式会社コナミデジタルエンタテインメント

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