【インタビュー】DJ RYOW、豪華客演集結の12thアルバムにヒップホップの未来「音楽にラインを作りたくない」
■生き残ってやっているぶん
■乱すのも守るのも自分次第
──この12thアルバムに『Still Dreamin'』というタイトルをつけたのは?
DJ RYOW:いちばん最後につけました。最初は『NEVER CHANGE』にしようと思ったんですけど、ジャケットとの兼ね合いもあって『NEVER CHANGE』にしたら自分が引退しちゃうんじゃねーかなと思ったんですよ(笑)。深すぎてちょっと重いかなって。考えた末、ストレートに『Still Dreamin'』にしたほうが今の僕には合ってるなって。コロナがあったり、40歳を越えてから作った初めてのアルバムで、大人になったタイミングとはいえ、中身はあまり変わっていないので、これがいいなって。
──夢の途中というニュアンスですね。
DJ RYOW:そうです。“13枚目に入ったらいいな”と思うビートもめちゃくちゃできているので途中経過という感じです。
▲DJ RYOW |
DJ RYOW:コロナ直前のニューヨークで撮った写真なんですよ。何かの機会に使えたらいいなと思って何枚か撮っていたもので、今作ができたときに、“ハマったな。こういうことだったのか”と思いました。たまたまかもしれないですけど(笑)。朝方のニューヨークって意外と寂しい感じがして僕は好きで、アルバムの中身ともリンクしたかなって。
──RYOWさんの音は内側に熱さを秘めていながら洗練されていて、センチメンタルなテイストもありますよね。内側からフツフツと燃えるような。
DJ RYOW:DJは17歳からやっていたんですが、トコナメさん達に18歳で出会ってBALLERSに入ってから意識が変わりましたね。また、トコナメさんはすぐに喧嘩したり無茶苦茶な一面はありましたが、ライブ見たり音源聴かせてもらうと超オンリーワン。コテコテの名古屋弁で、東京の人がひしめくクラブで盛り上げる姿を見ていたので、“ああなりたい”とか憧れじゃなくて、あの人と一緒に音楽を近くでやれること自体が嬉しかったんです。そして、俺ら後輩には超優しい。また、僕が人間としても考え方にしても格段に変わったのはトコナメさん達が亡くなってからですね。“もっといろんな音楽を作って前に出ていこう”って。だから、ちょっと休憩しようとか、休みたいと思ったことは全然ないんです。
──名古屋/東海シーンを盛り上げる使命感も感じていらっしゃる?
DJ RYOW:そうですね。生き残ってやっているぶん、乱すのも守るのも自分次第だなって。毎年、トコナメさんの命日にはイベントをやってるんですけど、噂だったりYouTubeで知って「TOKONA-Xやべーな」って言ってる10代が出てきたのも嬉しくて、僕が生きているうちにやれることをやったら、少しでも広がっていくのかなって。具体的な方法論はまだわからないですが、やり続けていけば届くと思ってます。
▲DJ RYOW |
DJ RYOW:そうですね。昔はトコナメさんの曲を入れるなら、フィーチャリングするのはお互いに知っている人同士じゃないと、って自分で勝手なルールを作っていたんですけど、そうじゃないかもって。若い世代の子達と一緒にやるとまた新しいものが生まれるし、それが東海のシーンをもっと面白くさせるんじゃないかと思っています。東海地方からもっともっといろんなラッパーやDJが出てきたら嬉しいし、輩出できたらいいなと。
──DJであり、ビートメーカーであり、プロデューサーであるRYOWさんが、今後、見据えているところは?
DJ RYOW:このまま作品を作り続けたいし、DJもやれるだけやりたいと思っています。イベントもプロデュースしたり。気持ちのある若い子のサポートもできるだけしていきたいですね。彼らは僕のサポートも勝手にしてくれていますから。まだ計画段階ですが、このアルバムのリリースパーティは大きな会場でやりたいし、今年来年にやりたいことを今、頭の中でいろいろ構想を立ててる最中です。
取材・文◎山本弘子
撮影◎Daiki Miura
■12th Album『Still Dreamin’』
VCCD-2028/¥3,000+税
01. INTRO
02. Hajimari feat. Hideyoshi
03. URUSAI feat. Kazuo
04. Break it down feat. ジャパニーズマゲニーズ & 19Fresh
05. One time 4 your MIND feat. MuKuRo
06. Asian Groove feat. OZworld
07. Money Dance feat. ¥ELLOW BUCKS
08. W.T.M.F.N? feat. ¥ELLOW BUCKS, SOCKS
(M.O.S.A.D. - What's Mother Fuckin' Name サンプリング)
09. TOKONA 2020 GT feat. TOKONA-X
(ILLMARIACHI - TOKONA 2000 GT サンプリング)
10. Not yet feat. SOCKS, PERSIA
11. Killin’ Me feat. KIRA, DABO & Tina
(Tina - I'll be there サンプリング)
12. FEVER feat. E.R.I, VILLSHANA
13. kill shit men feat. dodo
14. ARIGATO feat. LEX
15. NEVER CHANGE feat. AI, AK-69 & 般若
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