【インタビュー】lyrical schoolから届いた、『Wonderland』への入場券
■希望に繋げてもらえたら
──受け取り方は人それぞれだと思いますが、改めて、お2人にとってはどんなアルバムになったと感じていますか?
risano:今回のアルバムって、私たちのことを知らない人が思わず振り向くようなものになっていると思うし、lyrical schoolをずっと聴いてくれている人であっても「え?…え!?」って思うようなアルバムになっていると思います。私たちってアイドルでもあるし、でも一般的なアイドルとはちょっと違うし、とにかく聴き方は自由だからどう受け取ってもらってもいいんだけど、「なんだこのグループ」とか、「素敵だな」とか、「女の子5人のラッパーって新しいんじゃない?」という感じで、何か引っかかってもらえたら嬉しい。曲だけじゃなく、いろんな方向からで全然いいんですよ。
hinako:ジャケットでも、MVでも、何でもね。
risano:そう。手に取って聴いてもらえたら、必ず楽しんでもらえるっていう自信はあるので。まだこういう状況だけど、そんな中でも明るく楽しく、私も頑張るぞみたいな気持ちに繋がってくれたら嬉しいです。希望に繋げてもらえたらって思う。
hinako:そうだね。あとこのアルバムで5人の個性がすごく出たなって思うんですよ。今回初めて聴く人にも、なんとなくそれぞれのキャラクターとか、意外な部分とか、伝わると思うんですよね。歌詞カードが色分けされているから見ながら聴いてみてほしいな。lyrical schoolってひとりひとりもすごいけど、5人集まった時はもっとすごいんだぞってことも。
──同感です!
hinako:今回のコロナ禍で、みんな自分の家からリモートライブやったり、それに向けてのいろんな練習だったりも含めて、ちょっとずつスキルも上がったとは思うんですね。でも結局は5人集まるのがいちばんだよねって、それはメンバーにとっても、聴いてくれる人にとってもわかる形──たぶんさらにパワーアップしたものとして、このアルバムに詰め込まれたんじゃないかなって思いますね。
risano:本当にそうだね。もうすぐ“ヤバい夏(「YABAINATSU」)”も来るし、たくさん聴き込んでほしい(笑)!
hinako:lyrical schoolって、ずっと夏な気がする(笑)。楽しもう!みたいなテンションだし。
risano:でもこのアルバムって、夏だけじゃないなってところも出せた気がするんだけど。騒いでイエーイ!だけじゃないっていうか。
hinako:春夏秋冬、巡ってるかも。なんかこう、気持ちとしてもね。
▲lyrical school/『Wonderland』
──そのさじ加減の感じにも当てはまると思うんですが、今回「Fantasy」の中に「ネガティブなことだけ 本音だって思われちゃって ポジティブなことだって 別に嘘じゃ 無いのにね」というRachelさんの歌詞がすごく印象に残ったんです。さらっと、でも的確に表現者としての本音がここにあるなと。
hinako:わかります!めっちゃ共感できますよね。私もその歌詞、すごく好きなんです。自分にも、そして自分たちにもすごく当てはまるし、腑に落ちるんですよね。作家の皆さんのいろんな思いが込められているから、どの歌詞もそうだけどリリックが深い。さっきもお話ししたんですが、レコーディングの時は「こういう風に歌ってみてほしい」っていろんなアドバイスをいただきながら、自分の中の正解を見つけていくんですね。感情を乗せて歌うって、皆さんの思いがわかるだけに葛藤もあったし、自分も共感するからこそもっと頑張ろうって思うし、ひとつの曲を作り上げることがどれだけ大変かもわかるから、本当に難しかった。
──よりいいものにしたいっていう気持ちがあるから、もっとやれるって思うんでしょうしね。himeさんのラップもどんどん前のめりな姿勢になってきているし、yuuさんの不思議な存在感もますます際立ってきて、当たり前かもしれないけどみんな全然遠慮していない。得意なところも、もがくところも、真正面からトライしたんだろうなという印象でした。
hinako:minanちゃんも「TIME MACHINE」で苦戦してたよね。色々とアドバイスをもらったりする中で、「私、この思いも背負って歌わなきゃ」って言ってたし、それくらいの気持ちで届けたいって。あぁ、すごいなって思ったし、それを見て自分ももっと頑張らなきゃって思えたんですよね。
risano:「憧れたストーリー いつか叶う夢 追いかけ追い越されて 眩しくて目を逸らせた」ってあるんですけど、Lil' Leiseさんご自身の経験から書かれた歌詞らしいんです。ライバルに追い抜かされて、みたいな。
hinako:直接お聞きしたんだよね、minanちゃん。プレッシャーもすごかったと思う。
risano:自分も共感できるし、そんな風に話してくださったからこそもっとこう歌いたい、みたいな想いがより強くなったんだと思う。またちょっと繰り返しになるんですけど、作家陣のみなさんの思いがすごい!本当にすごいんです!
──楽曲を提供された皆さんのSNSを拝見しましたが、このアルバムに対する愛がすごいですよね。
hinako:愛されてるなあって思う(笑)。
risano:だからこそ、売れたい。たくさんの人に聴いてほしい。世界中にこの曲たちを届けたい。作家陣のみなさんがこんなに愛を込めて作っててくださっているんだし、私たちもその思いを大切にしながら歌った曲ばかりだから、ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい。
hinako:みんなで作り上げた作品だからね。だから、何回も聴いて楽しんでほしいんです。
──じゃあ最後にちょっとベタな質問になりますが、あなたにとっての「Wonderland」って何ですかって聞かれたら、どう答えます?
hinako:そもそもワンダーランドって何?
risano:え!?…あぁ、ワンダーランドはワンダーランドだよなって思うけど、確かにそうだね。日本語にすると、不思議な…世界?んー??
hinako:ごめんね、ぶっ飛んだこと言っちゃった(笑)。
risano:私の中では、アドベンチャー!っていうイメージ。ワクワクするような、未知の世界。
hinako:だったら私は、何でもできちゃう世界がいいな。超能力みたいな。「あれが食べたい!」と思ったらパッと出てくるみたいなね(笑)。
risano:まさに「Fantasy」のMVだ。
hinako:「有名になりたい!」と思ったらなれるとか、「テレビに出たい!」と思ったら出られるとか、そんな感じかな?「ライブがしたい!」と思ったら、みんながワッ!と来てくれるとか。
risano:それ最高じゃない!とにかくウキウキで、ワクワクな世界だよね。
──今回のジャケットにもありますが、このアルバムこそが、その世界へ行くためのチケットなんですね。聴けば一瞬で、日常から切り離されたワンダーランドへの扉を開けるスイッチがONになる感じです。
risano:なるほど!
hinako:そう言ってもらえるとすごく嬉しいです。これまでも、例えばお家時間を過ごしながら私たちのライブとか見て涙を流したとか、元気が出たとか、やっぱりファンのみなさんが言ってくれるメッセージは本当に私たちのモチベーションになったんですよ。ファンの方たちの存在とか、自分にとっての音楽とはとか、メンバーの大切さとか、いろんなこと考えながらの制作でしたからね。
risano:そう。離れていたからこそ気づいたこともたくさんあったから。一緒にいられることの幸せも実感したし、じゃあこれからもっとこうしていこうとか、今みんなの気持ちがどんどんいい方向に向かってるよね。
hinako:うん。アルバムができて、ツアーも始まったしね。今回は初めてお披露目する曲もたくさんあるから、楽しみで仕方ないんですよ。私たちは決まった振り付けとかがなく自由だからこそ、それぞれがどういう風に動いたらいいかとか、お客さんの乗せ方とか、やってみないとわからない部分が多いんですね。今回も全国を回っていく中で、改めてどうやって盛り上げていくかとか、会場の空気をどう変えていくか、自分らしいパフォーマンスができるか、5人がまとまれるかを考えながら、1ヶ所1ヶ所大切にやっていこうと思っています。ファイナルではこれがlyrical schoolだよ!っていうものをドーンと見せられるようなパフォーマンスができるよう、さらに頑張ります。
risano:私なんて、初日からもうファイナルなんじゃないかって思うくらいのテンションでやってますから(笑)。
hinako:初日が終わった瞬間に「もうこれ、ファイナルでいいよ!」って言ってた(笑)。
risano:ずーっと溜め込んできたものがパーンと弾けて、もうスッキリして(笑)。やっぱりこれだなって思ったし、その気持ちでこのあとのライブも臨みますから。もうね、全部がファイナル!あとはみんなが来てくれて、一緒に楽しんでくれるのを待つばかりです。
──hinakoさん、ひょっとしたらさっきの答えってそういうことじゃないですか(笑)?
hinako:……あ、そうか。これがワンダーランドだ(笑)。うわ、素敵(笑)!
risano:あははは!めちゃくちゃいい!
hinako:ライブっていう場所もそうだし、アルバム聴いて「楽しい!」って思ってくれるその気持ちもそうなんだね。みんなが楽しんでくれる場所が「Wonderland」ってことだ。今、いいこと言ったよね(笑)!
risano:言った、言った(笑)。アルバムたくさん聴いていただいて、5月30日の豊洲PITもぜひ楽しんでもらえたら嬉しいです!私たちもめちゃくちゃ楽しみたいと思ってます!
取材・文◎山田邦子
New Album『Wonderland』
VICL-65466
[収録曲]
1.-wonderland-(skit)
作詞:木村好郎(Byebee) 作曲 / 編曲:坪光成樹、高橋コースケ
2.MONEY CASH CASH CASH
作詞 / 作曲 / 編曲:ALI-KICK
3.OK!
作詞:大久保潤也(アナ)、ALI-KICK 作曲:大久保潤也、上田修平 編曲:上田修平
4.Danger Treasure
作詞:Kick a Show, Sam is Ohm 作曲 / 編曲:Sam is Ohm, Kick a Show
5.YABAINATSU
作詞:大久保潤也(アナ) 作曲:上田修平、大久保潤也(アナ) 編曲:上田修平、大久保潤也(アナ)
6.SHARK FIN SOUP
作詞:valknee 作曲 / 編曲:okaerio
7.-earthbound-(skit)
作詞/作曲:木村好郎(Byebee)
8.Fantasy
作詞:Rachel(chelmico) 作曲 / 編曲:ryo takahashi, Rachel(chelmico)
9.TIME MACHINE
作詞:Lil' Leise But Gold 作曲 / 編曲:KM, Lil' Leise But Gold
10.Bright Ride
作詞 / 作曲 / 編曲:PES
11.FIVE SHOOTERS
作詞:valknee 作曲 / 編曲:高橋コースケ
12.Bring the noise
作詞:MCモニカ(Byebee) 作曲:泉水マサチェリー(Byebee) 編曲:泉水マサチェリー(Byebee)
13.Curtain Fall
作詞:泉水マサチェリー(Byebee)、木村好郎(Byebee) 作曲:坪光成樹 編曲:坪光成樹、高橋コースケ
14 SEE THE LIGHT
作詞:大久保潤也(アナ)、泉水マサチェリー(Byebee) 作曲:泉水マサチェリー(Byebee) 編曲:上田修平
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