なかにし礼と弘田三枝子の追悼企画AL、未発表曲「裁かれる女」が収録決定

なかにし礼と弘田三枝子の追悼企画アルバム『弘田三枝子 なかにし礼をうたう』が2月24日にリリースされる。同作に、未発表曲「裁かれる女」が収められることが決定した。

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弘田三枝子は1961年11月に「子供ぢゃないの」で東芝レコード（現・ユニバーサル ミュージック）からデビュー。1964年12月に日本コロムビアに移籍し、「砂に消えた涙」が大ヒットとなった。


その後、カバーからオリジナル曲へと路線変更する過程の1967年7月、ポップス路線の第1弾として、橋本淳、筒美京平コンビが手掛けた「渚のうわさ」がスマッシュ・ヒット。それまでの“パンチのミコちゃん”からエレガントな女性シンガーへのイメージ・チェンジを狙い、なかにし礼、川口真コンビによる「人形の家」が制作された。

「人形の家」は1969年7月にリリースされ、10月にはレコード売上チャート1位を獲得。100万枚を超える大ヒット曲となり、その年の『日本レコード大賞』では歌唱賞を受賞し、『NHK紅白歌合戦』でも歌唱した。

以後、なかにしは3枚続けて弘田のシングルの作詩を手掛けた。12月に発売された「私が死んだら」はチャートの最高位5位を記録。1970年4月発売の「燃える手」では作曲を筒美京平が手掛け、8月発売の「ロダンの肖像」は川口真が作曲し、その年の『NHK紅白歌合戦』で歌われた。


その後も数々のヒットを重ねた弘田は、2020年7月21日に逝去。2020年はデビュー60周年となる予定で、本日2021年2月5日には74回目の誕生日を迎えるはずだった。

2020年8月、弘田の訃報を受けたなかにしはコロムビアレコードの担当者に連絡。追悼番組などでの「人形の家」の反響の大きさを受けて、弘田に提供した楽曲の整理を依頼し、「曲数によっては『弘田三枝子 なかにし礼をうたう』などの企画が可能ではないか」と提案した。

そこでマスターテープを詳細に整理したところ、なかにし作詩の提供楽曲が全15トラックあることが判明。さらには未発表曲「裁かれる女」が録音されたマスターテープも見つかり、『弘田三枝子 なかにし礼をうたう』企画がスタート。弘田の誕生月である2021年2月の発売を目指し、アルバムの制作が始まった。

「裁かれる女」はシングル候補として「ロダンの肖像」「恋愛専科」と同日の1970年7月15日にレコーディングが行われていたが、どのような経緯でリリースされなくなったのかは現在ではわからなくなっており、今日まで保管されていた。


コロムビアレコードの担当者は企画アルバムの制作が大詰めを迎えた2020年12月、マスターテープから歌詩を書き起こし、なかにしに表記などの確認のために連絡を取ろうとしていたが、なかにしは体調を崩しており、連絡が取れなかったという。担当者はなかにしの復調を待って最終確認をするため待機していたが、12月23日に、なかにしも帰らぬ人になった。

結果、この企画アルバム『弘田三枝子 なかにし礼をうたう』は、なかにしと弘田ふたりの追悼盤となった。そしてこのアルバムは、なかにしが発案した最後の音楽関連の企画であり、最後のプロデュース作品でもある。なお、日本コロムビアの弘田のオフィシャルサイトでは、アルバム収録曲の試聴がスタートしている。


◆日本コロムビア 弘田三枝子 オフィシャルサイト