ギルビー・クラーク、グランジ興隆期「あのスラッシュが笑われた」
90年代前半、ガンズ・アンド・ローゼズに在籍していたギルビー・クラーク(G)は、当時、少なくとも2つの出来事からグランジが出てきたことでミュージック・シーンが変わったと実感したそうだ。
クラークは『80's Metal Recycle Bin』のインタビューで、グランジについてこう語った。「情勢が変わりつつあるって話はいっぱいあった。アクセル(・ローズ)は常にその手のことを把握していた。彼はニルヴァーナが大好きだった。サウンドガーデンもパール・ジャムも大好きだった。彼はそういうバンドに、俺やスラッシュ、ダフ(・マッケイガン)より詳しかった。俺らはあの変化にちょっと遅れを取ってた」
そんな彼が、シーンが変わったと実感したのは、ガンズ・アンド・ローゼズのツアーが終わりソロ活動を始めたときだったという。「俺、それにスラッシュはソロ・アルバムを作った。1年前はスタジアムでプレイしていたのに、次の年はクラブでプレイすることになった。その2、3年前だったら、スラッシュのソロ・バンドはアリーナでプレイしていただろうよ。この時点で、俺らは情勢が変わったってわかった」
さらに、ウエスト・ハリウッドにあるかの有名なバー/クラブRainbow Bar & Grillの前でこんな出来事があったという。「俺らが外に出たとき……、多分、92年か93年のことだ。誰かがスラッシュを見かけ、“オー・マイ・ゴッド、見ろよ、スラッシュだ!”って言い出したんだ。でも、彼らは笑ってた。まるで“ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ”ではなく、漫画のキャラクターを見たかのごとく。3、4年前、彼は世界で1番クールな存在だったのに」
グランジの台頭については、サミー・ヘイガーは「脅威だった」と話している。彼は2019年、SiriusXMのインタビューで、「俺がヴァン・ヘイレンにいたとき、90年代、グランジが出てきたときは脅威だった。俺らはグラム・ロックみたいな感じだった。ドレスアップし、女みたいな格好してた。モトリー・クルーとかポイズンとかさ。それが楽しかったんだ。でも、グランジが現れ、彼らに派手なとこはなく、小汚く、型にはまっていなかった。俺は緊張したよ。あいつらは、俺らをバカにするつもりだろう、“お前ら、終わり”って目で見るんだろうって思ったんだ。そうはならなかったけど」と語っていた。
また、同じく『80's Metal Recycle Bin』で、スローターのマーク・スローター(Vo)は最近、「グランジが俺らの音楽スタイル(ハード・ロック)を潰したって言われるが、違う、業界の連中がこの音楽を潰したんだ」と話している。
Ako Suzuki
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