【インタビュー】北園涼の“生き方”を伝えるニューアルバム
■できる、できないを決めるのは自分
──北園さんのお人柄がわかったところで、アルバム『Frontier』の具体的なお話も聞いていきたいと思います。まず、制作はどのように進んでいったのでしょうか。
北園涼:実はこの作品は2020年7月に発売する予定だったんです。3月くらいからレコーディングを始めたんですが、途中で最初の緊急事態宣言が出て。だから結果的に、かなり長い時間をかけて制作した作品になりました。当初の予定より曲も増やして、やっと皆さんにお届けできるというか、僕自身も待望、って感じです。
──そもそも2作目のアルバムはこうしよう、という構想はあったんですか?
北園涼:前々から自分で詞を書きたいと言っていて、プロデューサーに「じゃあやってみようか」とGOをもらえたので、それを軸にしようと。作詞に挑戦するのは初だったので、作詞曲とアルバムを「Frontier」、未開拓の領域という意味のタイトルに決めました。未開拓のところに入っていってみんなの光になる、というイメージで作ったアルバムです。
──2020年、新型コロナウイルスによってこれまでの価値観が大きく変わった人も多いと思います。北園さんにもその影響はあったのでしょうか。
北園涼:コロナの影響で苦しんでいる方がいることは理解している上で僕個人だけのことを言えば、全く価値観は変化しませんでした。というのも、僕は<ミュージカル『刀剣乱舞』〜阿津賀志山異聞2018 巴里〜>公演の際に網膜剥離で舞台に立てなかったことがあって。あの時ほど辛いことって、いまだにないんですよ。あの時の苦しみに比べたら……。
──あぁ……。
北園涼:あの経験も踏まえて今の自分がいて、そんな自分から出てくる言葉を「Frontier」で歌詞にしました。ただ、歌詞は何度か書き直しましたね。もともと書き溜めていた歌詞は今の自分が思うことだったんですが、もっと前に遡ったんです。この世界に飛び込む前の自分が思っていたことを表現しました。
──つまり、俳優を目指していた頃の北園さんの気持ち?
北園涼:そうです。プラス、同じような境遇に立っている人も一緒に頑張ろう、みたいな応援歌という意味合いもあります。本当に僕が大事にしているものを書いたって感じです。
──仮歌を聴いた時の印象も教えてください。
北園涼:歌詞どうしようって思いました(笑)。めちゃくちゃ書き溜めてたんで「一曲に入らないぞ、どうしよう」って感じでした。そこから大事な言葉を抜粋して、何度も練り直して。そこからまたこのフレーズでいいんだろうかってずっと考え続けて、最終的にスタッフさんに「はよ出せ!」って感じで急かされた思い出(笑)。
──特に気持ちを込めたフレーズはどこでしょう。
北園涼:最後かな。“I will never stop no matter how many times I fall”、何回転んでも立ち上がる、という。“夢みるだけで終わらせない 追ってこそだろ? いつになっても”というところも気に入っています。
──英語も使っているのはどういった理由でしょう。単純に、日本語の方がメッセージが刺さりやすいのかなとも思ったんですけど。
北園涼:そうなんですよね〜。でも英語を入れることで、日本語で書いた自分が特に大事にしている言葉がより引き立つなと考えたんです。聴いてくれる方の多くが日本の方なので、日本語だけだとイメージの幅が狭くなってしまうかなと。英語にすることで情景が広がって、それぞれの気持ちに合わさるのではないかと考えました。
──曲調はこれまでなかったミドルバラードですね。
北園涼:『Ark』には激しい曲と静かなバラードを入れたんですが、その間の曲がなかった。で、ライブをやった時にもっと差が欲しいなと。「ライブするときにどういう曲があったらいいかな」っていうのは、今回曲を選んだ時に大事にしたポイントです。
──ご自身でそこまで考えて選曲されたんですね。
北園涼:最初は自分の歌いたい曲だけ選んでたんですけど、実際ライブやってみたらこれはやばいと思って。
──やばいというのは?
北園涼:「激しい曲ばっかでキッツ……!」ってことです(笑)。ちゃんと最後まで完璧に歌いきれないと、やっぱり自分としても満足いかないしお客さんにも失礼だし。自分の喉とも相談してバランスもちゃんと考えなきゃなって思いました、今更(笑)。
──「Frontier」の聴きどころを教えてください。
北園涼:ラスサビ前、みんなで歌うところです。まだ無観客ライブでしか披露できていないので、いつかこの曲でみんなの声が聞けたら嬉しいです。
──そのシンガロングする部分も、ライブを意識して入れたのでしょうか。
北園涼:そうです。今回は特にそういう曲を増やしたいってお願いしましたね。
──では、「Frontier」以外で、自分にとって一番“Frontier=未開”だったなという曲は?
北園涼:「True Loud」かな。これ、リズムが難しくてレコーディングすごい苦戦したんです。「ライブでできるかこれ!?」って(笑)。
──逆に一番スムーズだったのは?
北園涼:「Gold」ですね。この曲のサビは、かなり今までと違う歌い方、声の出し方をしたので注目ポイントかなと思います。
──「Just call me the Beast」の歌い方もかっこいいと思いました。
北園涼:この曲、かっこいいですよね。これも今までになかった曲ですしね。2月にやったワンマンライブでもお客さんの反応も良かったです。ノリのいい曲だし体揺らすような曲で、僕もテンション上がったし。歌詞飛んじゃったけど……っていう意味でもすごく覚えていて、思い出の曲です(笑)。
──“誰かが決めつけた「らしさ」なら 投げ捨ててしまえばいいさ”という箇所がいいなと。
北園涼:はい、とてもいい言葉ですね。ここの言葉、ライブの時もすごく大事にしています。間違い無いですよね、本当にこの通り。
──アルバムの中でちょっとテイストが違って驚いたのは「Over the little night」。
北園涼:壮大な曲で、これも歌っていて気持ちいいですね。他の楽曲よりも大きい世界観、広がる感じもあるんで、ライブでやっても気持ちいいですし、共演者たちからも評判が良かったです。
──アルバムの締めが「Over the little night」というのもぴったりで。曲順はどう考えたのですか?
北園涼:「Over the little night」を最後にしてよかったなって思いますね。最後に生まれる曲、みたいな感じ。曲順は、頭の「Gold」だけは決まっていて、次に「Frontier」と「Over the little night」をどこに置くかを決めて。あとはちぐはぐにしようと、あえてぐちゃぐちゃに並べてみました。
──それはなぜ?
北園涼:アルバムタイトルの『Frontier』に未開拓の領域という意味があるので、かき乱してしまおうと。未開拓地に行くには厳しいこともたくさんあるだろうし、そういう荒波みたいな感じに並べたらどうかなと思って。
──なるほど!
北園涼:これでもちゃんと考えてるんですよ(笑)。自分がやりたいっていって始めたアーティスト活動なので、任せっぱなしにはしたくないんです。
──「この曲のこの言葉が刺さった」というものがあれば教えてください。
北園涼:全曲にあります。例えば「Gold」だったら、“立ち止まったままじゃ 奇跡なんて起きない”とか、いいですよね。
──北園さんっぽいです。
北園涼:僕も、僕っぽいなって思います。曲を作ってくれる方には最初に「こういう曲を歌いたい」と思いを伝えたので、僕のメッセージを書いてくれてるんだと思います。「Great Escape Runner」だったら、“他人の評価値はいらない”という言葉が好きです。
──他人の評価値は、いりませんか?
北園涼:うーん、いるっちゃいるんですけど、それが自分の判断に繋がることはないですかね。自分のことを、他の人には決めさせたくないです。できる、できないを決めるのは自分なんで。
──「Singpost」も北園節が出ているような。
北園涼:これはラスサビがいいですね。キーが高いんで振り絞るように歌ったんですが、それがまた曲の雰囲気にあっていたと思います。歌詞もよくこんな言葉が出てくるよな〜って思うくらい(笑)。どっからこの言葉持ってくるんだろう。
──北園さんは「Frontier」を書いたときはどこから言葉を持ってきたんですか?
北園涼:自分の心の中からです。それ以外からは出てこなくて。
──そういう時、俳優さんはいろんな役を演じることが強みになりそうです。
北園涼:そうなんですよ。いろんなセリフも言ってるはずなんですよ。でも千秋楽を迎えると全部抜けちゃうんですよね。またすぐ次の役のセリフを覚えなくちゃいけないから、押し出されちゃうというか。でもこれからは、そういうところからも言葉を取り入れていかなきゃですね。
──「Road」はいかがですか?
北園涼:歌いやすいですね。ただ、強いです。僕にはない強さです。
──それはどこで感じました?
北園涼:全体的に。最初の“何も信じちゃいない 誰も頼りにしない”とか。僕、結構頼っちゃうし、みんなのおかげでってタイプなので、この歌詞はかなり強いなと思いました。でもこういう強さもね、必要かなと思います。どんなことがあっても諦めない、ということですからね。
──歌詞の中に“例え1人で100人敵にしても 生き抜く道を探す 可能性がある限り”とありますが。仮の話で「地球に隕石が落ちてくる」など生きるか死ぬかの状況になった場合、北園さんは何としても“生き抜く道を探す”タイプでしょうか。
北園涼:う〜ん……そうですね、「隕石落ちるのか〜」って家でゲームしてますかね。日常を過ごすっていう(笑)。たぶん生き抜く道は探さないです。
──それはちょっと意外でした。
北園涼:言い方難しいし誤解して欲しくはないんですが、僕、別に死んでもいいって思ってるんですよね。本当にやりたいことやってるし。僕自身はいつ死んでもいいように生きてるつもり。後悔なく生きてるんです。
──そう思えるということが、強いと思います。
北園涼:まあでも美味しいものだけは一通り食べてから死にたいなって思います(笑)。
──ちなみに何を食べたいですか?
北園涼:とりあえず、すき焼きと寿司(笑)! まあやりたいことはたくさんありますけど、今のところ、できる範囲ではやりたいことを全てできてるかなと思っています。
──人生観と好きな食べ物も知ることができたところでアルバム楽曲を振り返ると、改めて多彩だなと思います。2月からのツアーで聴くのが楽しみです。
北園涼:本当はライブで一緒に騒いで歌いたかったですが、こういう状況になっちゃったんで、ファンの方には心で一緒に歌ってくれたらなと思います。僕は皆さんが声出してくれてるっていう思いで全力でやるんで、皆さんはそれを別の方向でぶつけるなり、それを溜め込んでいつか声出して一緒にライブできるときにとっておいてくれたらなという気持ちです。
──ロックなステージになりそうですね。
北園涼:はい。溶けるくらい、粉々になるまでやります。初めてのツアーなんで、自分の体力的なところもどうなるかわからないですが、最後まで頑張りたいと思います。
──2021年、アーティストとして次に挑戦したいことはありますか?
北園涼:自分の作詞の曲はもっと増やしていきたいですね。バラードも書いてみたいですし、自分の人生をさらけ出すような詞も書きたいです。
──俳優としてチャレンジしたいことは?
北園涼:俳優業は毎回がチャレンジなんですよね。毎回違う役ですし、同じ役でも話が違えば演じるものは全く違うので。でも、やったことのない雰囲気の役とかやりたいかな。ドロドロのクズみたいな役もやってないし、キラキラな王子様役もやってないですし。あとはやったことない動きもやりたいですね。ミュージカル『刀剣乱舞』の小狐丸は舞や能を大切にする役なので、そういった日本独自の文化も習って取り入れていけたらなと思います。
──最後に、北園さんご本人としての目標も聞かせてください。
北園涼:2020年から英会話を始めたんですけど、今年は英語ぺらぺらになってみんなの前で話せるくらいになったらいいなと思います。
取材・文◎服部容子(BARKS)
撮影◎野村雄治
北園涼 サイン入りチェキ プレゼントキャンペーン概要
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北園涼 サイン入りチェキ
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2nd ALBUM『Frontier』
【Type-A】CD+DVD
COZX-1704~5/¥4,000+税
『Frontier』▲Type-A ジャケット
【Type-B】CD
COCX-41363/¥2,700+税
『Frontier』▲Type-B ジャケット
[CD収録曲]
M1. Relive
M2. Gold
M3. Great Escape Runnner
M4. Signpost
M5. Frontier
M6. True Loud
M7. Just call me the Beast
M8. Road
M9. Over the little night(映画『BLOOD-CLUB DOLLS 2』主題歌)
[DVD収録予定内容]※Type-Aのみ
北園涼無観客配信LIVE「Frontier」アコースティックLIVE(2020年7月26日)
・Long way to GO
・Over the little night
・Hero
・キミのそばで
・Just call me the Beast
・ALIVE
・ヒカリアレ
・Be Bright
・Drive
・Frontieer
特典映像
北園涼2ndワンマンライブin神田明神ホール(2020年2月24日)
・Ark
・Lowlight
<北園涼 LIVE TOUR 2021「Frontier」>
2月6日(土)、7日(日):福岡・bar evoL
https://grand-mirage.com/evol-access
2月20日(土):愛知・名古屋 HOLIDAY NEXT
http://live-ban.com/next/
2月21日(日):兵庫・神戸 VARIT.
http://varit.jp/access/
2月23日(火・祝):大阪・OSAKA MUSE
http://osaka.muse-live.com/access/
2月27日(土)、28日(日):東京・HY TOWN HALL
https://hytown.jp/access/
[全日程共通]
1部:開場 14:00/開演 14:30
2部:開場 18:00/開演 18:30
▼内容
1 部:アコースティック LIVE
2 部:LIVE
▼チケット料金[2月6日、7日、20日、21日、23日公演]
スタンディング
1部 アコースティックLIVE
2部 LIVE
VIP:6,300円 / 一般:4,800円
※別途ドリンク代必要
[2月27日、28日]
スタンディング
1部 アコースティックLIVE
2部 LIVE
VIP:7,300円 / 一般:5,800円
※別途ドリンク代必要
VIPチケット特典
お名前入りボイスコメントメール
▼ツアー詳細
https://ryo-kitazono.com/contents/371596
▼オンラインチケット
販売期間:2021年1月25日(月)19:00〜各公演のライブ配信開始30分後まで
視聴ページ一覧:https://ryo-kitazono.com/contents/395099
料金:
[2月6日、7日、20日、21日、23日公演]
VIP視聴券:5,300円
一般視聴券:3,800円
[2月27日、28日]
VIP視聴券:6,300円
一般視聴券:4,800円
詳細:https://ryo-kitazono.com/contents/395089
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