【インタビュー】WOMCADOLE、新体制初アルバム完成「共に鳴らしたい。聴いてくれたあなたを大事にしたかった」
■いずれ樋口が歌ってくれる曲を
■作れたらいいなと思っていた
──先ほど、マツムラさんが「再生」を作曲したという話もありましたが?
マツムラ:僕は元々、曲を作りたい人なんで、“いずれ樋口が歌ってくれる曲を作れたらいいな”とは思っていたんです。それが、たまたま今回のアルバムに1曲入ることになったという。
安田:スタジオでパッと弾いてくれたんやっけ? 俺の車の中でデモを流したんやっけ?
マツムラ:完全に作り込んだ状態で、歌詞だけ樋口に任せた感じ。
樋口:そういう作り方をするのは、俺的に初めてで。「再生」っていう言葉が意味する通り、ユウちゃんが加入して、バンドがもう一回呼吸し始めた感じがあったし。俺たちの帰りを待ってくれてる人たちのもとに、“このアルバムを持っていくぜ!”っていう気持ちを込めた曲ですね。
▲マツムラユウスケ (G) |
黒野:ユウスケの作る曲が自分のルーツ音楽と似ていることもあって、ベースフレーズは30分ぐらいでイメージできましたね。結構ポンポン出てきました。
──かなり長尺のベースソロもありますよね。
マツムラ:元々のデモにはなかったんですけど、スタジオであの感じになっていったという。
樋口:最初はセッションみたいな感じで、みんながやりたい放題弾いてたんですけど、「とりあえず一回落ち着こうや」ってことになり(笑)。そこから、ああいう落ちる感じのベースソロって“今までやってなかったから、やりてえな”ってことになり。
黒野:そのアイデアがまとまってからは、流れでできちゃいましたね。
安田:ユウスケと俺はWOMCADOLEの前に一緒にバンドをやってたし、ユウスケ自身もドラムを叩けるから、“ここはこういうことをしてほしいんやろうな”っていう感じがだいたいわかるんですよ。それに、ユウスケが作るドラムフレーズって、俺っぽいところもある。だからこの曲は、デモのフレーズをなぞりつつ、少し変えながら「これどう?」っていう感じで作りましたね。
──なるほど。先ほど「初めてのことが多かった」というお話もありましたが、具体的にドラマーとして挑戦した曲というと?
安田:「レイテンシー」ですね。歌とギター始まりのイントロから間奏に入るんですけど、そのギターリフが跳ねてるにもかかわらず、「ドラムはイーブンでフラットにいってくれ」という注文が入って(笑)。
マツムラ:そのくせ、Aメロはドラムも跳ねるっていう。
安田:そう! でも、サビは跳ねない(笑)。それがめっちゃくちゃ難しかったですね。パッと聴き、手数がバカ多いとか難しいことはしてないんですよ。でも、グルーヴの探求ですよね。そういうのは初めてやったんで、地味ですけどポイントでしたね。
──そういうプレイこそ一番難しいし、楽曲の印象を左右するものですからね。
マツムラ:そのグルーヴとかノリもスタジオで決めたんですよ。最初は全編通して跳ねてたんですけど、「サビはどっしりしたほうがカッコいい」ってことになって。この曲は何回も変わったよな? “誰が跳ねるか、跳ねへんか”みたいな。
黒野:ベースも難しかったですね。考え出すと頭がぐちゃぐちゃになるから、弾きながら感覚を掴んでいく感じでした。
▲黒野滉大 (B) |
樋口:冒頭で“閃きばっかでしょうがない”と歌ってるんで、とにかく閃いたことを書いていこうと。“誰か僕を見て”っていう歌詞は、ライヴができないという俺ら側だけの状況だけじゃなくて、聴いてくれている人達も、“私のことを見て” “僕のことを見て”と思っているはずで。“俺だけのことじゃない”と思ったからこそ、そういう想いも込めて書きましたね。この曲は最後にシンガロングしてるんですけど、「みんなで海賊っぽく歌おう」ってことになって。レコーディングしてる時も、こうやって(胸前で左右に)腕を振って、オペラボイスを交えながら(笑)。
安田:ヨーソローみたいな。
──世の中には暗い雰囲気が漂ってますけど、明るいムードで音楽制作ができたようですね。先ほど、リフの話で「DANGER」が挙がりましたが、この曲はイントロに「聖者の行進」アコースティックver.を挿入しながら、ダークな世界観へ移り変わっていくアレンジが印象的でした。
樋口:イントロはマイク1本で録ったんですけど、俺がカズー吹いて、ユウちゃんはフルアコだったっけ?
マツムラ:うん。あんまりチューニングが合わへんフルアコ(笑)。
樋口:恐怖心を与えたかったんですよ。「聖者の行進」って、葬式とかで流してワッショイワッショイみたいにやる曲なんで、それを使うことによってホラー感を出すっていうか。
マツムラ:あのイントロを入れるっていうアイデアも、その場で決まったんですよ。安田って何叩いたんやったっけ?
安田:段ボール。
──ははは。カホンじゃないんですね。
安田:いつもプリプロさせてもらっている地元の楽器屋さんのスタジオで録ったんですけど、たまたま何かの段ボールがその辺に転がってて、「これでいいか」って膝の上に置いて叩いたのが、あれです(笑)。
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