【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.94「新年早々Children Of Bodomで知られるAlexi Laiho死去という悲しいニュースが飛び込んできた」
新年明けましておめでとうございます。2021年最初は明るいニュースで始めたかったものの、1月4日突然の悲しいニュースが飛び込んできました。
最初に見かけたニュースのタイトルを見て、え?まさか?うそでしょ?え?え?信じられない!という思いでニュースを開けてみるとChildren Of Bodomや新バンドBodom After Midnightなどで知られるAlexi Laihoが昨年末ヘルシンキの自宅でなくなったという文章が目に入ってきました。え? え?そんな? 信じられない、、、と動揺しながらFBをチェックすると、このニュースでタイムラインがあふれてきました。信じられないし信じたくないけど、どうやらニュースはほんとのようで、フィンランドの各メディアが一斉に報じ始めました。呆然としながらAlexi LaihoのオフィシャルFBを見てみると亡くなったニュースが投稿されていました。やっぱりほんとなんだ、、、
Alexi Laiho オフィシャルFBのAlexiがなくなったことを伝える投稿:
世界中で最も有名なギタリストの一人であり、特にChildren Of Bodomのフロントマンとしてよく知られるAlexi Laihoが先週ヘルシンキの自宅で死去したこと、Laihoは晩年長期にわたり健康問題で苦しんでいたことが書かれています。死因は発表になっていません。41歳という若さでした。
Children Of Bodomのオフィシャルからも1月4日付で追悼の言葉が投稿されています。
「世界で最も知られているギタリストの一人、Alexi Laihoが死去した。Children of Bodomのフロントマンとしてよく知られるミュージッシャンである彼は、先週ヘルシンキの自宅でなくなった。Laihoは晩年長期にわたり健康問題で苦しんでいた。25年以上の友情。俺たちは兄弟をなくした。世界は素晴らしいソングライターであり、史上に残る素晴らしいギタリストの一人をなくした。思い出とAlexiの音楽は永遠だ。この困難な時にAlexiの家族にお悔やみを申し上げる。
-Henkka, Janne & Jaska
こちらはAlexi Laihoの訃報を伝えるフィンランドの国営放送局Yle1の夜8時30分からのTVニュースです。(19:57~)
フィンランドのエスポー市出身のAlexi LaihoはドラマーのJaska Raatikainenと1993年にChildren of Bodomを結成。バンド名は1960年にエスポーのボドム湖のほとりでテントを張ってキャンプしていた若者たちに起きた未解決の殺人事件から名づけられたといわれています。2019年にフェアウエルツアーを行ってバンド活動を事実上終了するまで、世界的に成功したフィンランドのメタルバンドの一つにのし上がり、フィンランドでメタルを聴かない人でも彼の名前は知ってるであろうぐらいの存在です。そのあとAlexi はCOBのDaniel Freybergに元Santa CruzやCAMUのメンバーでもあるMiddyことMitja ToivonenとWaltteri Vayrynenと共にBodom After Midnightを結成。これからこの新バンドの活動が期待されていたやさきのことでほんとに残念でしょうがないです。昨年3曲のレコーディングを終え、ミュージックビデオ1本を撮影していたそうで、これらは後でリリース予定だそうです。
Bodom After Midnightからのステートメントです。
「重い気持ちと深い悲しみとでアレキシ・ライホの訃報を発表しなければならない。親しい友達でもあり、バンドメンバーの突然の死に俺たちは打ちひしがれている。バンドとして俺たちのジャーニーは始まったばかりだった。このショックと底なしに深い悲しみはとても言葉では言い表せない。」
バンドは当面インタビューには応じないとのことだけど、それぞれのソーシャルメディアで追悼を表しています。
Daniel Freyberg:
「”俺たちは墓に入るまで一緒にプレイしようぜ” 少し前にきいた俺への君の言葉。この日がこんなにすぐにやってくるとは思ってもみなかった。Alexi、君と一緒にプレイできたことはとても名誉だったよ。君はすごい才能の持ち主の一人で、次へレベルアップするマジックを創り出したレジェンドだ。俺たちの道が重なり友達になり最終的には最後まで一緒にプレイできたことは光栄でもありとても感謝している。この一つのアドヴェンチャーは俺にいろいろなものを与えてくれ、永遠に思い出に残るだろう。これを書くのになにか文字をうとうとするたび涙がでてきて、悲しみに打ちひしがれている。君を恋しく思わない日は1日たりとないのはわかっている。君の家族と最愛の人達にお悔やみを申し上げます。安らかに、R.I.P. ブラザー。別の世界でまた会おう。」
Mitja Toivonen:
「他のたくさんの人と同じように君は俺のギターヒーローであり、インスピレーションであり、アイドルであったが、なによりも親愛なる友達だった。一緒に過ごすことができたすべての時間を心から感謝する。素晴らしい思い出に満ちた時間、音楽、笑い。その時間は俺にとってほんとにかけがえのないものだ。君が俺に言った最初のことを覚えてるよ。まだそんなに親しい友達とは言えなかったころ、俺を側にひっつかんで”もし俺に何かできるか手助けできることがあったら遠慮なしに電話してくれ。”といってくれた。君はバンドに加入しないかと俺にきき、俺はためらうことはなかった。君は俺に再びプレイする火花を切ってくれ、そうしてくれたのが君だと一生忘れないだろう。真の友人として、自分の兄弟のように世話をやいてくれた。君は俺を後ろから支えてくれ、時々俺も君を支えた。親友として。すぐに俺たちはグレートな友達になり、キラーなグループとなった。そして世界を一世風靡する準備ができていた。ところがサイレンスがやってきた。君の音楽とレガシーは生き続けるだろう。だけど自分が一番恋しく思うのは夜遅くのトークだ。昔のミュージックビデオを観ながら、ビール飲んでナチョス食べて将来の話をしながら笑った夜。それが今一番恋しい。セーフトラベル、ブラザー。」
Waltteri Väyrynen:
「バンドメイトであり、いつも俺の最大のギターヒーローだった友達を失って完全に粉々になってしまった。君が逝ってしまったことを理解することはとてもできない。君なしの世界は同じ物ではなくなるだろう。すべてをありがとう。安らかに、R.I.P. ブラザー。Alexi Laiho 1979-2020」
Alexiは80年代のカヴァーバンドThe Local Bandのギタリストでもあり、Children Of Bodomとしてだけではなく、このバンドでも来日をしています。The Local Bandのメンバーからも追悼の投稿があげられてます。
Jussi 69 (The 69 Eyes)
「Alexi Laiho 1979-2020.ショックにうちのめされていて、言葉にするのはとてもつらい。君がものすごく恋しくて愛してるよ。親愛なるブラザー。Alexiの家族と親愛なる人たちに深いお悔やみを申し上げる。安らかに、R.I.P. Alexi Laiho。」
Jussi69はフィンランドのMTV3のニュースの電話インタビューにも応じています。この中でThe Local Bandで一緒に来日した時のことを話していて、外を歩けばファンが集まってきて、スーツを着たビジネスマンまでがサインを求めてきたと語っています。
Olli Herman(Reckless Love)
「Alexi、君のことが恋しいよ。これはものすごくつらい、、、あまりにも突然逝ってしまって、君からのメッセージに返事できないまま、会話を終わらせる機会がないままに。君がなくなったニュースを聞いてから目が腫れるほど泣きじゃくっている。ショックにうちのめされていてその想いや感情を言葉に表すことができない。もう少し時間がたたないと無理だ。今言えることは兄弟のように大好きだったよ。君のことがものすごく恋しくてたまらない。君の奥さんと家族にお悔やみを申し上げる。別の世界でまた会おう、ブラザー。Alexi Laiho 1979-2020」
Olliは同じくMTV3のニュースで電話インタビューに答えていて、Alexiと知り合いになったのは2014年で、音楽業界の中では一番ともいえる奴だった。大きなハートの持ち主で、純正な奴だったと涙ながらに語っています。
Samy Elbanna(Lost Society、RED WOLF)
「これを書いてることが信じられない。涙が止まらず、心が打ちのめされながらこれを書いてる。俺が今やってることを始めた理由は君だった。すべての音楽と、すべての思い出をありがとう。ブラザー。君の家族と親愛なる人たちにお悔やみを申し上げる。恋しくてたまらない。すべてをありがとう。RIP」
もうみられたと思いますが、他にもものすごい数の国内外のミュージッシャンたちから追悼の言葉がSNSに上がってきてます。その中でフィンランドの日刊紙のインタビューでMichael Monroeが「彼は信じられないほど素晴らしいギタリストでCOBの世界的な成功を誇りに思う。彼がいなくなったことはフィンランドのロックメタル界の大きな損失だ。」と語っていて、まさにその通りだと思いました。
COBの大ファンというわけではなかったものの、彼がフィンランドのメタル界にもたらした影響はとても大きなものがあると思います。それはフィンランド国内にとどまらずフィンメタルを世界に広めた一人でもあります。個人的にはThe Local Bandが大好きで、何度かライブを見る機会がありました。もともとこのバンドはJussi 69とAlexiがカバー曲弾いて楽しくやろうぜって結成したバンドだけあって、仲よい友達同士がステージで楽しんでプレイしていて、観てる側もいつもとっても楽しい気分になれるライブでした。オフステージで印象に残ってることに、COBのヘルシンキ公演のあとJussi 69がオーナーでもある人気ロックバーThe Riffでアフパがあり、隣のテーブルに国外から来たCOBのファンのグループが座っていて、アフパの会場にやってきていたAlexiが通りかかったときにそのグループのファンの一人が声をかけたところ、Alexiはそこのテーブルの端の床に座り込み話をし始めました。話がとまらず、セキュリティーがもうすぐ閉店を告げに来たのも気にせずファンと話込んでいて、そのあとでアメリカから来たというファンがフィンランドまで観に来てほんとによかった。アメリカツアー中にはこんなことは起こらないとすごく喜んでいたのがとても印象に残っています。今から思うと、その時に観に来てAlexiとたくさん話ができてよかったねと思いました。
Alexiが亡くなったことが報じられた日、フィンランドのMTV3の番組「Mielensäpahoittaja - ennen kaikki oli paremmin」(直訳すると”気分を害する奴‐昔の方がすべてよかった”)にちょこっとAlexiが出演した映像が公開になっています。最近銀行の支店は次々なくなっていくわ、現金で買い物できなかったりで、現金はどこに消えていくのか?というテーマだったようです。
ストリートパフォーマーのAlexiのギターケースに現金を入れようとして、それともモバイル銀行に振り込みがいいかい?と聞かれ、Alexiはこれは現金の仕事だと答えてます。風景からして昨年の夏に撮影されたものと思われます。みてみてください。
安らかに、Rest In Peace
Alexi Laiho 1979-2020
文&ライブ写真:Hiromi Usenius
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