【インタビュー】Non Stop Rabbit、憧れたバンドマンは“金・酒・女”

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■売れることだけを考えている

──そうやって自分達の姿勢を貫いてきたNon Stop Rabbitですが、今年は豊洲PITでのワンマンが中止が決まった際、金銭的な損失や自身の気持ちを包み隠さず呟かれた達也さんのTwitterも大きな反響を呼びましたね。

達也:ああやってたくさんの人に広めてもらえると分かった上で、僕は呟いたんです。絶対にこれはバズると。だけどそれも、自分達で事務所をやっているから出来たんですよね。もしどこかレーベルとかに所属していたら、あんなにすぐ、あの発言は出せなかったと思います。でも本当は音楽でやるべきなんだろうなとも思いましたけどね。

──だからすぐに「全部いい」という楽曲を作って配信されたんですね。

晴人:あれは反響ありましたね。数ヶ月後には「明るい歌」も配信して。

──フットワーク軽くいろんなことが出来るというのはメリットですね。

達也:本当にそのとおりで。熱が冷めたら、あんな曲は生まれてないですしね。あれほどマイナスなことが起きたのであれば、その時に書いておかないと。

晴人:歌詞書くの、すごい大変でしたけど。

達也:書いてないだろ(笑)。

晴人:僕ら何もしてません(笑)。

太我:動画作ってました。


──(笑)。でもそういう3人の日々のテンションみたいな部分も、曲作りには絶対影響していると思います。

達也:もちろんしますよね。その「全部いい」はライブの中止が決まって、速攻作って3日後に出したんですが、僕らのムードがすごくマイナスだったんですよ。全国ツアーのセミファイナルまでやって来て、関係者もみんな「めっちゃ良かった!最高の豊洲PITになるんじゃないの!?」って言ってくれてたし、俺らも史上最強のライブが出来る気満々でしたから、実はみんなめちゃくちゃへこんでいたんです。だからみんなでバッティングセンターに行ったんですよ。悲しくて。なんかもう、スッキリしなきゃいけないと思って。

──そうだったんですか。

達也:ワーワー言いながら、いっぱい打ちました。でも、やっぱり悲しさは抜けなくて。その時に僕は、全部もういいやと思ったんです。だから逆に、全部を肯定する「全部いい」が生まれたんですよね。まずは、自分達を助けたくて。このメンタルをどうにかしなきゃいけないと思って。

──なるほど。

達也:一旦、自分達を自分達で肯定しないと……と思っている時に、これってたぶん今の世の中にも必要なことなんじゃないかなと思って、どんどん外に向けて行ったんです。

──その点「明るい歌」は、逆説的なことではないし、自分達よりも周りを、という意識のように感じられます。

達也:まさにそのとおりでした。「明るい歌」というタイトルにしたのもそうなんですよ。明るくなりたいと思っている人が、パッと見てわかるように。余計な言葉じゃなく、明るくなれるから「明るい歌」。明るくなれますよ!って伝えられたらという、その意志だけでした。


──その2曲が記念すべきメジャーデビューアルバムに収録出来たことも、大きな意味を持ちますね。ちなみにこの2曲は今年だったから、こういう状況だったから出来たわけで、もしこの2曲がなかったらアルバム自体もまた違った方向性になっていたんでしょうか。

達也:違っていたと思います。ある意味メジャーということで、全方向というか、全ての層、全ての性別、全ての年齢、全てのジャンルを意識したんですが、「全部いい」と「明るい歌」を作ったので、じゃあその先どう行くかと考えて曲を作っていったので。

──全体のバランスを見ながら、ということですね。「BIRD WITHOUT」や「音の祭」も、今言うべきメッセージが明確に詰まっている楽曲だと思います。

達也:そこはものすごく意識しました。「全部いい」は、芸術が崩れていく音がしてヤバいけど全て肯定して守る、というか光の方へ行くという曲だったけど、その分、闇もちゃんと発散したい。ナメんじゃねーぞ!っていう気持ちも普通にありましたからね。じゃあそこを出していこうと考えていた時に、そもそも自分の中の音楽の歴史って何だろうと遡っていく中で、北島三郎さんの「まつり」をYouTubeで聴いたんです。もう、サウンドがめちゃくちゃ現代的で。演歌というジャンルであってもこんなに凄いと思うっていうことは、音楽って結局年齢も国籍も関係なく繋がっているものだから、消えそうになっても消えないなって思ったんです。「消えろ」って言っているお前らが変わり者なのか、続けている俺らが変わり者なのか、この音楽で勝負しましょうかみたいな気持ちで作ったのが「音の祭」。だから、曲中に「まつり」のようなメロディーが入っていたりするんです。


──晴人さんは達也さんからそういう思いも聞いた上で歌入れするんですか?

晴人:いや、そこは感じ取ります。解釈はそれぞれあると思うし、僕自身、1リスナーでもあるんで。

──そんな晴人さんが、カバーしてもらいたいなと思うのはどの曲ですか?

晴人:「偏見じゃん」がいいかもしれないです。僕も高校の時は軽音楽部だったんですが、文化祭とかでやったらきっと盛り上がると思うし、話題になるんじゃないかなと思いますけど。

──カラオケとかでもみんなにバンバン歌って欲しいですね。

太我:いやぁ、歌って欲しいです。

達也:それこそ「偏見じゃん」は、普通に飲み歌とかにして欲しいんですよ。音楽としてとか、そんな堅いもんじゃなくていいんです。こっちはもちろん本気で作っていますけど、適当に歌って、楽しんで盛り上がってくれたらそれでいいんで。



──「最後のキス」なんて泣かせるラブソングもいいですね。

達也:まぁ、急にカラオケでラブソング歌われても何ですけど(笑)、そういう意味では、カラオケに必要な曲は揃っていると思いますね。

──では太我さんのお気に入りはどの曲ですか?

太我:「ALSO」です。いつもは曲に寄り添うとか、メロディーの邪魔をしないようにとか、自分達のルールの中でドラムを叩くことが多いんですが、この曲はドンピシャで自分の得意分野だったから、結構好き勝手することが出来たんです。得意技も結構盛り込まれていたりして、レコーディングも楽しかったですね。


──楽曲のほとんどを手掛けている達也さんにとって、今回バンドとして新たな一面が出せたなと思うのはどの曲でしょうか。

達也:例えば「BIRD WITHOUT」は、今まで僕らがやって来た“Non Stop Rabbitのロック”というジャンルのど真ん中だと思うんですけど、そこにベースソロを入れるとか、難しいドラムのフレーズが入るとか、メジャーへ行く奴の技を見せているところはそうかなと思いますね。今までだったらシンプルに作って終わっていたと思うけど、今回はちょっと違うよと。3ピースとして、それぞれ自分の楽器をグンと前に出しているというのは、(新しい一面として)しっかり見せられたかなと思います。

──今3ピースという言葉が出ましたが、このベース&ボーカルというスタイルになったのは自然な流れだったんですか?

達也:いや、そこもしっかり意図がありまして。アー写もそうだけど、僕らボーカルが真ん中に立ってないんですね。動画もそう。これは、絶対にボーカルだけが有名なバンドになっちゃダメだと思っているからなんです。バンド名聞いた時に「ボーカルあの人だよね。他のメンバーはわかんないけど」ってなるのが嫌で。でも嵐とかSMAPとかって、全員名前がわかるじゃないですか。僕らはそれを目指しているんです。そこで、4人だったら覚えられなくても3人だったらギリいけるかなと。本当はベースを入れようかとも話していたけど、覚えてもらうこと重視で3人にして、無理やりベースを持たせました(笑)。

晴人:このバンドで初めてベース触りましたから(笑)。

──さすがです。プロデュース、大成功ですね。

達也:当たりました(笑)。本当は、4人とか5人に憧れてたんですけどね。UVERworldとかONE OK ROCKとか。で、みんなピンボーカルじゃないですか。当時は周りのバンドもみんなピンボーカルだったからこそ逆行しようと。しかも3人でね。

──あらゆる面で、状況を俯瞰されているんですね。

達也:もう、売れることだけを考えているんで。

──しかも視野が広いですよね。現在達也さんはバンドの個人事務所の代表取締役を務め、音楽だけでなくオリジナルブランドも立ち上げるなど、手掛ける仕事も多岐に渡っています。

達也:シンプルに音楽でメジャーデビューして成功するのも嬉しいですけど、ライブとかが終わって自分達で買った車でスタッフを連れてメシ食ってっていう、その時間が楽しいんです。そのために頑張ってるんですよ。年末の旅行がどんどんいいランクになったり、移動車のレベルが上がったりって、面白いじゃないですか。会社として業績を上げて、みんなどんどん稼いで。


──日本では、しかも音楽をやっている人はなかなかそこまで口にしないですよね。

達也:でも、金持ちになりたくてアーティストやりますよね? あと、モテたくて。モテるってことは、金がないと困るじゃないですか。だから、全部を手に入れたいんですよ。せっかく売れたのにそんなに報酬をもらえていないというか、楽しそうな顔して華やかな世界にいるけど本当は貧乏な生活しているとか、俺はそういうの偽物だと思うんです。だから僕らは誰かのスネを齧らず自分達で会社をやって、好きなことを好きなだけやって、ミスったら自分達で背負う。その代わり、稼げる時は思いっきり稼いでみんなでいいメシを食うっていうことです。

──わかりやすいです。ちなみにこういうアーティストみたいになりたいとか、こういうバンドに憧れるとかはあるんですか?

晴人:それがないんですよ。誰かに憧れて音楽をやろうと思ったわけじゃなくて、有名になりたいというのが先行なので。音楽が好きだし、音楽で有名になれたら幸せじゃんっていう感じだから。

達也:憧れたら、たぶん僕ら終わりますよ。これだけ少数派を選んでやってきたわけだし、前を走っている誰か、つまりその道を作った人を目指していたらいつまでも先には行けないじゃないですか。僕らは新しい道を作って、その道はもう通れないようにしていかないとってことだと思うんで。


──そうですね、愚問でした。ではYouTubeの面での今後については、どんなビジョンがあるんですか?

達也:すでにラジオには繋がったので、次はテレビに繋げたいですね。YouTuberは、これだけ喋れますよ、やれますよというアピールでもあるので。あとはシンプルに、チャンネル登録100万人は目指したいです。今になっていろんな人がYouTube始めていますけど、必死にやらないと無理ですよ。僕らは早い時期に音楽やりながらYouTuberという人達に触れたので、YouTuberがどれだけアホなフリして本気を出しているかを裏で見てきましたからね。ナメて入ってきた芸能人なんかが勝てるわけないと思ってます。

──最後になりますが、バンドとしての今後という意味ではどうでしょうか。

達也:僕らはライブが大好きな3人組なのでとにかくライブをやりたいんですが、こだわりとして、配信ライブはしたくないんです。あと、キャパを減らしてのライブもしたくない。いちばん楽しいライブを知っているのに、人と人との間隔が決められているライブをやって、お客さんも俺らも「楽しかった!」って帰れるわけがないんですよ。もちろんそこを頑張って楽しいと思わせるのもアーティストだと思うけど、僕らはそうじゃないから。僕らは、今までどおりのグッチャグチャな空間で「楽しい!」と思ってもらいたいんです。だから今後はまず、このアルバムを持って全国を回って、そういうライブがしたいです。

太我:僕らってこだわりはすごく強いんですけど、ある意味こだわらないのもウリなんですよ。例えば、バンド活動にはすごくこだわっているんだけど、YouTuberとしてYouTubeもやっている。でも、どっちも手を抜いてない。俺らは常に常識っていう概念に囚われないでやっているから、何でも好きなことやった方がいいってことをこれからも伝えていきたいなって思いますね。



──それこそ世代もジャンルも超えて、一度ライブに来てみてもらいたいですね。ちなみにお子さん連れの方もいらっしゃっているようですが、悪影響はないですか(笑)?

晴人:めっちゃあると思います(笑)。

太我:笑えない下ネタとかもガンガン言いますし(笑)。でもそこなんですよ。子供だから下ネタを聞いちゃいけないっていう考えが古い!

晴人:だって下ネタで産まれてるわけだからね?

達也:ネタじゃないけどね(笑)。でも昨日行った風俗の話とかも全然してますよ。なんか、僕らが憧れたバンドマンってそういう感じだったと思うんです。金、酒、女みたいな。でも、変わって来ましたよね。

──確かに、みんな勝手に自主規制してるというか。

達也:全然遊んでません!みたいなこと言うから、バレた時に炎上するんですよ。僕らはバンバン言ってるから、炎上なんてしないんです(笑)。

晴人:……って書いておいてもらえると、今後もさらに遊べるっていう(笑)。

──(一同笑)。

晴人:で、これを読んだ人が理解するわけですよ。こういうバンドなんだなって(笑)。

達也:やっぱり夢があるよね、バンドは!

取材・文◎山田邦子
写真◎いわなびとん


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メジャー1stアルバム『爆誕 -BAKUTAN-』

2020年12月9日(水)発売
・初回限定盤(CD+DVD)PCCA-04974/¥3,600円+税
・通常盤(CD only)PCCA-04975/¥2,500円+税 
<収録曲(2形態共通)>
01. ALSO
02. 明るい歌
03. TABOO
04. BIRD WITHOUT
05. 愛のPULSE
06. 音の祭
07. 全部いい
08. ハニートラップ
09. 最後のキス
10. 偏見じゃん

・初回限定盤DVD収録内容:スペシャル特典映像、「明るい歌」他Music Clipを収録。
予約受付中 https://lnk.to/NSR_1stalbum

■ショップ別先着予約購入特典
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上記以外のCDショップ: オリジナル・ クリアファイル(応援店 Ver.)

※特典は数に限りがございますので、発売前でも特典プレゼントを終了する可能性がございます。
※一部取り扱いの無い店舗やウェブサイトがございます。ご予約・ご購入の際には、各店舗の店頭または各サイトの告知にて、特典の有無をご確認ください。


▲『爆誕 -BAKUTAN-』初回限定盤


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■初ラジオレギュラー番組情報
InterFM897『Non Stop Radio 〜真夜中の無料案内所〜』毎週火曜26:00〜27:00)
ハッシュタグ:#ノンラジ897

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【Non Stop Rabbit】音楽チャンネル
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【ノンラビキッチン】白熱料理対決チャンネル
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