【ライブレポート】大黒摩季、全国ツアー開幕「皆さんが元気でいてくれれば、それでいい」

大黒摩季が10月7日(水)、埼玉・越谷サンシティホールにて全国14都市ツアー＜MAKI OHGURO 2020 PHOENIX TOUR 〜待たせた分だけ100倍返しーっっ!!!＞の初日公演を開催した。多くのアーティストがライブやツアーの延期や中止を発表しているコロナ禍だが、“自粛や規制で閉ざされがちな世の中の心を解き放つのは音楽”だと”withコロナ”を決断し、万全の感染防止対策を施した中での有観客ライブツアー開幕となった。

◆大黒摩季 画像

入場時の密を避けるために、開場を開演1時間半前に設定したことをはじめ、電子チケットは住所や連絡先を登録する形で発売されたほか、係員と接触なく入場可能、ロビーではグッズ販売やCD即売が行われていないなど、人でごった返すいつもの開場後のロビー風景とはまったく違う景色が見受けられ、入場者も淡々と自分の席に向かっていた。

また、客席は前後左右をひとつずつ空けた市松模様に配席、来場者にはフェイスシールドが無料配布されたうえ、ステージのスクリーンには、“大声での発声、歓声の禁止”、“マスクの常時着用”、“退場時の規制退場”など、ライブを観覧するための諸注意が何度も繰り返し上映されている。こうした対策も、感染症対策専門家を交えて何度もミーティングを重ね、様々な事態に対応した最大限の対策を検討した結果だという。


そしてライブは、「今こそ、このコロナ禍を生き抜くエネルギーを、自分や未来を信じる光を届ける時なのではないか！」という大黒摩季の意気込みを象徴すべく、ツアーのタイトル曲でもある新曲「PHOENIX」のイントロが流れた。スクリーンに映し出された不死鳥の飛翔とともに幕を開けたライブは、“フェニックス=不死鳥”をモチーフにデザインされた和服衣装を羽織った大黒摩季が、そこに立つというオープニング。ここからの前半は、誰もが知るヒット曲のオンパレードだ。

「私たちは、皆さんに安心して楽しんでもらおうと思って、全員PCR検査を受け、陰性です。舞台の中は万全です」──大黒摩季



MCでは同ツアーが感染防止対策に細心の注意を払って実施されていることを伝えた。その後は、連続配信リリースという形で発表された新曲「OK」「Pray for you」などのバラードを挟み、後半は再びヒット曲を中心としたアップテンポな作品を連発。さらには、ラテンアーティストの當間ローズがゲストとして登場した「Dee Dee Dee Dee Deeper Love〜恋のソーシャルディスタンス〜」へ。そして、観客と一緒になって掛け合うことが恒例の「ら・ら・ら」も、観客のハミングによってステージと一体となった。

なお、ライブのところどころに換気タイムが設けられた今回のステージは、その都度、衣装チェンジを挟むというアレンジで楽しませてくれた。結果、ライブを通して“15変化の大黒摩季”を見せることができた。



「50歳になって無になった今、皆さんが元気でいてくれれば、それでいい。そんな思いを曲にしました。皆さんからもらったものを、これからは返していきたいと思います。」──大黒摩季

ラスト前のMCでこう語った大黒は、ツアータイトル曲「PHOENIX」を熱唱して2時間を越すライブに幕を閉じた。ツアー＜MAKI OHGURO 2020 PHOENIX TOUR 〜待たせた分だけ100倍返しーっっ!!!＞は、10月11日の名古屋センチュリーホール公演から全国主要都市を周り、11月27日の東京LINE CUBE SHIBUYA公演、12月9日の大阪フェスティバルホール公演を経て、ツアー・ファイナルとなる12月18日のパシフィコ横浜公演まで全14本が開催される。