【インタビュー】コリィ・テイラーが語る初ソロアルバム「どれだけこの作品を必要としていたか」
■可能な限り最高のソロアルバムを作る
■世間に対する挑戦状だな
──「スリップノットとストーン・サワーのどちらのバンドにもハマらなかった曲もある」と言っていましたが、今作には実際にどちらかに提示して却下された楽曲があるんですか?
コリィ:うん、ストーン・サワーに持ち込んだけど、気に入ってもらえなかった楽曲が2曲ほどある。“スリップノットにいいんじゃないか”と思ったけど、採用されなかった曲もいくつかあるし。あと、例えば「サマンサズ・ゴーン」は他の2つぐらいのバンドに提供しようとして却下されて、“あんなに素晴らしい曲なのにどうかしてる”と思ったよ。すごくよくできた楽しい曲なのに。まあ、そういうのは「オッケー、おまえら損したな」って引き上げて保存しておく。ヘンな話、これを言っても未だに信じてもらえないんだが、俺の手元には、あとアルバム2枚分の素材がある。それくらいの分量の曲を、これまでに書いてきたんだ。
──曲はバンドを想定して書いているのでしょうか?
コリィ:曲を書く時は、それがスリップノットの曲、あるいはストーン・サワーの曲になるかならないか、大体の見当はついている。というかすぐに分かるんだ。“これはスリップノットじゃないな”って。その逆もまた然り。むしろ今回のような曲のほうが難しくて、“すごくいい曲なのに一緒にやる相手がいないのはもったいないな”って。でもこうしてソロの側面を持つようになると、陽の目を見せてやれそうな曲が山ほどある。だって、もはや制限は無いわけだからね。他の人たちに伺いを立てる必要も無いし。バンドという枠組みで働いていると、そこがすごく対応に苦しむところなんでね。それがソロとなると制約は無いし、可能性も果てしない。自分で書いたものを自分で出すことができるんだから。
──収録曲「ホーム」は奥様のために書いたそうですが、奥様から感想はありましたか?
コリィ:この曲は……ピアノ曲なんだけど、初めて妻に聴かせた時はギターで弾いたんだ。2年ぐらい前、古い家を借りて過ごしていた時でね。すごく感動的だった。彼女はとても気に入って、涙してしまって、2人で泣いて。演奏を終えた時、“この曲はピアノで弾いたらものすごく特別なものになる”と確信したんだ。その時点で俺はまだ、ピアノが上手くはなくて、キーも分からない、コードも押さえられない……ということで、独学でピアノが弾けるようになることを自分に課した。そして約2年がかりでコンプリートしたわけ。E♭で弾けるようになって、キーの移行も、ギターで書く曲のチューニングに合わせて半音下げることもできるようになった。けっこう上達したよ。今ではだいたい曲を聴けばキーを拾って合わせて弾けるからね。この曲をピアノで弾いてレコーディングできたのは、俺にとってものすごく特別なことだ。人の手を借りず、自力で、自分の思いを込めて弾けたから。結婚式で妻のために演奏した曲でもあるんで、きちんとキメることにはこだわりがあったんだ。
──アルバムのジャケット写真にもなっているチャンピオンベルトは、どういう意図があるのでしょうか?
コリィ:あれは図々しくも“自らロックのチャンピオンを名乗る”というやつだ。俺は昔から歯に衣着せぬ、口数の多い男で、“面白い”とか“面白くない”とか、すぐに指摘してしまう(苦笑)。……正直、あのベルトを作ってアートワークとかで使いまくっているのは、見ての通りそういう人格……肩で風切るタイプの“CMFT”な人格を強調するというのもあるし、同時に俺の別の側面を見せている。俺を知っている人なら、コミックブック、アクションフィギュア、音楽、映画に関しては完全なるオタクであることをみんなが認識してるだろうし、一方では大のレスリングファンなんだ。そんな俺としては自分用のチャンピオンベルトを持って、CMFTとしてチャンピオンを名乗るってことは快感で。しかもそれをアルバムジャケットにするという……要は方向性を打ち出したわけ。俺がソロアルバムを作るなら可能な限り最高のソロアルバムを作るぞという、世間に対する挑戦状だな。このタイトルの真意が分かった気になってるやつがいたら、残念、おまえは何も分かっちゃいない。
──最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
コリィ:コンニチワ、我が友よ。コリィ・テイラーです。みんなの応援に感謝。そして『CMFT』を気に入ってくれることを、心から願っている。俺の初めてのソロアルバムだ。大の自信作で、バンド全員が本当に誇りに思っている。そしてこれは全員からのメッセージだ。できるようになったらすぐ日本に行って、この音楽をライブでみんなとシェアしたい。それまで気をつけて、正気を保っていてくれ。
■初ソロアルバム『CMFT』
WPCR-18358 ¥2,200+税
▼CD購入 / ダウンロード / ストリーミング
https://RRjapan.lnk.to/CoreyTaylor_CMFTPu
01. HWY 666 / HWY 666
02. Black Eyes Blue / ブラック・アイズ・ブルー
03. Samantha’s Gone / サマンサズ・ゴーン
04. Meine Lux / マイネ・ルクス
05. Halfway Down / ハーフウェイ・ダウン
06. Silverfish / シルバーフィッシュ
07. Kansas / カンザス
08. Culture Head / カルチャー・ヘッド
09. Everybody Dies On My Birthday / エブリバディ・ダイズ・オン・マイ・バースデイ
10. The Maria Fire / ザ・マリア・ファイア
11. Home / ホーム
12. CMFT Must Be Stopped [Feat. Tech N9ne & Kid Bookie] / CMFT マスト・ビー・ストップト(feat. テック・ナイン アンド キッド・ブッキー)
13. European Tour Bus Bathroom Song / ユーロピアン・ツアー・バス・バスルーム・ ソング
14. Black Eyes Blue (Live Acoustic) / ブラック・アイズ・ブルー(ライブ・アコースティック)*日本盤ボーナストラック
■LINE LIVE『コリィ・テイラー・ソロアルバム発売記念ミュージックビデオ特集』
https://live.line.me/channels/107423/upcoming/14963674
※ワーナーミュージック・ジャパン洋楽 LINEアカウント https://lin.ee/r1MkIJe
■配信ライブ<FORUM OR AGAINST'EM>
https://www.beyondtickets.co.jp/
■<KNOTFEST JAPAN 2020>振替公演
2021年1月11日(月・祝)【ROADSHOW】幕張メッセ国際展示場
https://knotfestjapan.com/
◆インタビュー【1】へ戻る