【インタビュー】LEGO BIG MORL、新体制初のAL『気配』は「四角形から三角形になったことで、深く刺さるものになった」
2019年9月に、13年活動を共にしたドラムのアサカワヒロが脱退し、3人になってから最初の音源であること。その穴をサポート等で埋めることでなく、全曲打ち込みで楽曲を制作したこと。安原兵衛、辻村有記、Tomi Yo、渡部高士という、四者四様のツワモノに、曲ごとにプロデュースを依頼したこと。それから、新型コロナウイルス禍でライブができない、レコーディング・スタジオにも入れないし、一時はメンバーは集まることすら制限される、という(彼らに限ったことではないが)今まで経験したことのない事態の中で、完成させたアルバムであること。
というのがLEGO BIG MORLのニュー・アルバム『気配』であるわけだが、いちばん大事なのは、そのようなさまざまな過程や事情を経たアルバムが、研ぎ澄まされたメロディと言葉が、このプロデューサー陣ならではの、そして新体制のLEGO BIG MORLならではの音に乗る、めったやたらと新鮮でめったやたらと強い曲が並んだ作品になっていることだ。ここに辿り着くまでについて3人に訊く、リモート・インタビューを行った。
◆ ◆ ◆
3人だけで作ることが、僕らの意志表示になるんじゃないか(タナカヒロキ)
──3人になってから初のアルバムですが。ちょっと今さらですけど、どんなふうな事情で3人になったのか、3人になってバンドがどう変わったのか、ということから、教えていただけますか。
タナカヒロキ(GUITAR):まあ彼も、正直、「辞めたい」ってことを言うのが、初めてではなかったので。僕らも頭の隅っこには、その覚悟もあったのかもしれないです。で、10周年の活動を終えて、いろんな区切りができて、そこでその話が出た時は、「さすがにもう、そういう時なのかな」という受け入れ方はしましたけど。まあ、びっくりはしましたけど、青天の霹靂ではなかったというか。
カナタタケヒロ(VOCAL & GUITAR):やっぱり、彼のドラムを想定して曲作りを考えてきた10何年間があったので、一度その考えを捨てなければいけないというか。曲のアレンジとか、彼がいたからこそ、っていう部分はすごく大きかったので。そのへんを乗り越えて、今回の『気配』は、全曲打ち込みで、3人だけの力で、ファンのみんなに届けよう、っていう、僕たちの覚悟の表れのアルバムでもあると思うので。
──ライブの時みたいに、サポートで誰かに叩いてもらうのは、アルバムでは違うなと?
カナタ:最初はそれも考えてたんですよ。「この曲は生ドラムも入れた方がいいよね」とか考えてたんですけど、どんどん曲が完成していく中で──。
タナカ:シンタロウがよく言ってるんですけど、3人になって初めての音源、打ち込みで、3人だけで作ることが、僕らの意志表示になるんじゃないか、みたいな。
ヤマモトシンタロウ(BASS):僕が曲のたたき台を作る、何かしらのアレンジを施すことが多かったので。ドラムのトラックを作る時に、「これは彼が叩かないしなあ」っていう、しみついたものがやっぱりあって。でも、そういう考えを持ってる限りは、前に進めないな、一回ほんまに4人でのLEGO BIG MORLを終わらせるというか、一回なくして、新しく作らないと。彼の席が空いたまま、そこに詰め物をするっていうのは、違うというか。で、今のこのタイミングだったら、3人を活かす方法は、生ドラムにしないっていうことだろう、と思ったので。
取材:兵庫慎司
■『LEGO TV FINAL〜気配り〜』アルバム「気配」リリース記念、アルバムの収録曲を完全再現した無料配信ライブ
※アーカイブ視聴可能
【配信URL】
【LEGO BIG MORL】オフィシャルサイト
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