セロニアス・モンク、ある高校で行われた感動の未発表ライヴ音源『パロ・アルト 〜ザ・ラスト・コンサート』が10月7日にリリース決定

リリースが延期されていたセロニアス・モンクの未発表ライヴ音源『パル・アルト 〜ザ・ロスト・コンサート』が10月7日に発売されることが決定した。

◆セロニアス・モンク 関連動画＆画像

今回のアルバムには、1968年に行われたライヴの音源が収録される。これまでどこにもリリースされてこなかった完全未公開音源で、ライヴを企画した当時高校生だったダニー・シャーの自宅屋根裏に長年保管されていた。セロニアス・モンクといえば、ジャズ史を語る上で、欠かすことのできない鬼才だが、1960年代当時、モダン・ジャズは黄金期を迎えており、その旋風内で、即興ソロにおけるそのユニークなスタイルで注目を集め、ジャズ・ピアニストとしてキャリアの頂点に立っていた。彼のライヴ音源は数多くあるが、今回のライヴ音源が他と決定的に異なるのは、このライヴが、まだ人種差別が色濃かった時代に、音楽の力で人種の垣根を超えることを願った一人の高校生、ダニー・シャーが企画し、カルフォルニア州の普通の高校で行われたという点である。また、録音もその学校の用務員によって行われた。当時、アーティストとして成熟期を迎えていたモンクが、ライヴ・ハウス以外で演奏をすることは珍しく、このライヴはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが暗殺された直後で、人種間緊張が高まっていた時代に起こった奇跡のライヴと言える。

音源を聴いたセロニアス・モンクの息子でありドラマーのT.S.モンクは「この演奏は、今まで聴いたセロニアスのライヴ音源の中でも、最高のものだ」、「自分の父親が高校で行われたギグに参加していたなんて、全く知らなかったけれど、確かに彼らはそこにいたんだ。初めてテープを聴いた時、一音目で父の気分がいい時の演奏だということがわかったよ」と語っている。

アルバムには音楽的にも評価の高い、チャーリー・ラウズ(ts), ラリー・ゲイルズ(b), ベン・ライリー(ds)とのカルテットで演奏したモンクの代表曲である「ルビー・マイ・ディア」、「ウェル・ユー・ニードント」「ドント・ブレイム・ミー」「ブルー・モンク」「エピストロフィー」「アイ・ラヴ・ユー・スウィートハート・オブ・オール・マイ・ドリームス」の6曲が収録される。



◆セロニアス・モンク オフィシャルサイト（ユニバーサル ミュージック）