【インタビュー】NIKO NIKO TAN TANの三部作完結「形があって、遊びがあるものを」
楽曲制作とパフォーマンスを担当する2人と、映像とアートワークと作詞を担当する2人のメンバーを合わせたハイブリッド音楽集団。NIKO NIKO TAN TANの3rdシングル「FICTION feat.Botani / 同級生」は、女性ボーカルをフィーチャーした歌ものR&Bと、ポップでエレクトロニックなダンスミュージックという、バンドの二面性をより鮮やかに打ち出した会心の一撃。音楽と映像が一体化した新しいエンタテインメントが求められる時代の中で、彼らの持つポテンシャルの大きさを広く知らしめる、これはまさに絶好のチャンスだ。制作エピソードや今後のビジョンについて、パフォーマンスを担当するOchan(Vo&Key&Gなど)とAnabebe(Dr)の二人に話を訊いた。
◆ ◆ ◆
■形があって、遊びがあるものを
──まず最初に、ライブ活動ができなかったり、いろいろ不自由なこともあったと思うこの数か月を、どんなふうに振り返りますか。
Ochan:クリエイティブにおいては、十分ないい時間が持てているので。曲もいっぱい作れたし、そういう意味では、良かったと言ったらおかしいですけど、何もできないで困ったという感じではなかったです。
Anabebe:僕はスタジオに行ったり、ライブしたり、それしかできなかったんですけど、家で作業できるようにと思って、今DTMを勉強しています。すごく楽しいです。
──それってもしかして、今回の新曲にも生かされていますか。
Anabebe:そうなんです!
──声に力が入ってますね(笑)。その話はあとでゆっくりしますけれども、もう一つ思ったのが、明らかにこの数か月で、YouTube的な映像媒体の注目度が上がったと思いますし、バンドの中に映像制作のメンバーがいる、このバンドにとってはすごい追い風ではないか?と思うんですね。
Ochan:彼らも同じようなことを言っていますね。映像の重要性が上がってきている中で、そういう作業ができるメンバーがいるのはすごくいいと思います。彼らはライブはしないので、仕事の面ではコロナの自粛とかの影響は受けにくいし、むしろ自分たちのやれることが武器になっていくんじゃないか?ということは感じています。
──そして9月30日リリースのニューシングル「FICTION feat.Botani / 同級生」は、この1年間で3作目のシングルになります。こうして3枚を並べてみると、デザインも統一されているし、計画性があったんだなとあらためて思います。
Ochan:ジャケットの赤、緑、青は、ポケモンを意識しました。
──えっ!(笑) それは気づかなかった。
Ochan:ポケモンと言えば色ですよね。赤、緑、青という流れがあって、それをデザインにしています。誰も気づかないと思いますけど(笑)。そういう仕掛けを考えるのが好きなんです。遊びの部分で、自分らがほしいという感じなので。
──シングルをCD盤で出すのも、最近は少なくなっていますけども。やっぱり形として持っていたいということですか。
Ochan:そうですね。自分もモノが好きということもありますし、出すのであればちゃんと形があって、遊びがあるものを出したいので。このジャケットのシリーズなら、出す意味があるなと思っています。
──そしてこれまでの3枚のシングルには共通点があって、女性ボーカリストのBotaniをフィーチャーした歌ものR&Bと、Ochanが歌うテクノポップ / ダンスミュージック的なものと。二つの路線の曲をカップリングしていますよね。
Ochan:二つのラインを考えていて、それを出してきていたんですけど、ここからは徐々に、それぞれの色をもっと濃くしていくと思います。
Anabebe:1枚目は完全に生ドラムだけで、2枚目で生ドラムに加えていろんな音が入ってきて。今回はDTMをやりだしたということで、「同級生」という曲は完全に打ち込みだけでやっています。
──ドラマーとしては、打ち込みは打ち込みで、生とは違う喜びがある?
Anabebe:そうですね。「嫌やな」ではなくて、「あ、こんなんできんねん」みたいな感じで、いいですね。
Ochan:作業もめっちゃ楽なんですよ。「このパターンでドラムを打ち込んで送ってほしい」とか、メールでやりとりできるので、それがいいですね。
Anabebe:楽しいです。
▲Anabebe
──今回で言うと「FICTION feat.Botani」が、キャッチーな歌ものR&B路線を突き詰めた曲ですね。もともと、このパターンの曲はどんなイメージで作っているんですか。
Ochan:ピアノをはじめ、生楽器で構築されていることと、あまり聴く人を選ばない曲作りを意識しています。聴きやすい感じ、と言ったらいいんですかね。
Anabebe:聴きやすさは意識するんですけど、AnebebeはAnabebeでいたいというか(笑)。やりすぎポイントを作るようにはしています。
▲NIKO NIKO TAN TAN / 「FICTION feat. Botani / 同級生」
──Botaniさんって、もうメンバーかと思うくらいフィーチャリング曲が多いし、ハマってますけど、どんな人なんですか。
Ochan:Botaniさんは…群馬県人です。
Anabebe:在住ですね。
Ochan:群馬の女です。
──何の説明にもなっていないですが(笑)。ウィスパーのような、色っぽさとクールさを兼ね備えた、すごくいい声の持ち主。どこで見つけたんですか。
Ochan:知り合いの知り合い、という感じですね。アダルトな歌声で、色っぽくて、でも行き過ぎないというか。程よいバランスの空気感がある歌声で、なかなかいそうでいなくて、僕はもともとそういう人とやりたいイメージがあったので、めちゃくちゃハマったと思います。ただBotaniはこのシングル三部作で一区切りというか、これからは違うアーティストともコラボレーションしていきたいと思っています。
──その「FICTION feat.Botani」はどんなイメージで作った曲ですか。
Ochan:作ったきっかけは、デモの段階で「FICTION」という言葉が音にハマったので、「FICTION、FICTION」って言いながら作っていたんですよ。そこからタイトルも「FICTION(仮)」になって、そこにSamson Lee(ビデオ、グラフィックス、作詞)が物語をはめていきました。曲に関しては、1枚目の「東京ミッドナイト feat.Botani」が、テンポもテンション感もミドルな感じで、2枚目の「フィルバ feat.Botani」はちょっとハードな感じでテンポはローで、今回の「FICTION feat.Botani」はハイな感じにしたかったんですね。どれもBotaniに歌ってもらっているので、いろんな表情を見せることができて良かったと思います。
──リリックはとても濃厚な、そしてきわどい大人の恋愛ソング。
Ochan:Samson Leeがリリックを書いてミュージックビデオも撮るので。説得力があるというか、つながったイメージがあるんですね。
──そのミュージックビデオも、かなりの問題作というか、見てもらわないと説明できないという感じになっています。
Ochan:そうですね。僕らとしても、あのお話の内容だけを意識して作ったわけではないので。映像で描かれている男同士の恋愛と、歌詞のメッセージは100%リンクしているわけではないので、あえて曲のとらえ方を広げる意味でああいう映像を作ったので、それはそれで作品として見てもらいたいと思います。
──Anabebeの熱演も見られますし。
Anabebe:そうですね(笑)。いろんな見方があると思うので、見られた方の解釈にお任せします。
◆インタビュー(2)へ
この記事の関連情報
NIKO NIKO TAN TAN、最新曲「怪人」がドラマ『デスゲームで待ってる』オープニングテーマに決定
NIKO NIKO TAN TAN、中毒性を生む奇怪なサウンドの新曲「怪人」リリース
NIKO NIKO TAN TAN、映画『この動画は再生できません THE MOVIE』主題歌「新喜劇」MV公開
NIKO NIKO TAN TAN、映画『この動画は再生できません THE MOVIE』主題歌に「新喜劇」が決定
NIKO NIKO TAN TAN、アルバム『新喜劇』より痛快なダンスナンバー「Only Lonely Dance」7/24リリース
NIKO NIKO TAN TAN、初の全国6ヵ所ワンマンツアー開催決定
NIKO NIKO TAN TAN、映画『みーんな、宇宙人。』主題歌「No Time To Lose」を配信
NIKO NIKO TAN TAN、メジャー1stアルバム『新喜劇』リリース決定
NIKO NIKO TAN TAN、新曲「MOOD」を5/1配信リリース&MVプレミア公開