【インタビュー】アルルカン、暁と祥平が語るアルバムの違和感と真実「予定調和でないリアルな物語」

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■必死とか一生懸命とか本気とか
■矜持として持っておかないとダメだと思う

──時間をかけられたアルバムならではですね。歌詞もサウンドも随所に“遊び”が発見できそうです。

暁:そう。遊ぶのって大変ですし、難しいですよね(笑)。僕はあまり音楽を聴いてこなかったし、勉強も好きじゃないから、結局好みのものしか取り込めてないんですよ。もっといろんな音楽を聴かなきゃとか、もっといろんなものを見たり感じたりしなきゃと思いました。今、いろんなものにも興味が出てきて、それが幅になるし、人間性になるし、生き方になる。本気でやって、うまく遊ぶよっていう感じです。

──フルアルバムとしては4年ぶりという時間があって、その間にはたくさんのシングルリリースもありました。ファンはそれを聴いてきたと思うんですが、これまでのシングルだったり、アルバムの作り方とも趣の異なる作品になったわけで。リリースまでの期待なり不安なりは、いつもと違うものがありますか?

暁:不思議なものであまりないんです。変なところが気にしいで、変なところで気にならないんですよ(笑)。祥平はどう?

祥平:俺もあまりないよ。

暁:これまでの文脈や、これまでとの整合性を考えずに、今自分たちが心底エネルギーを向けられるものを出そう、と舵を切れたのが良かったと思いますね。でも、シングルで飛ばし続けてきたメッセージはあるので、それはどこかでまとめたいなとも思ってるんですけど。

▲祥平 (B)

──なるほど。先ほど祥平さんが言っていたように、これまでは作品リリースの後、ライブで曲を育てて完成させるという流れがありました。今回は、9月から予定していたツアーが中止になってしまったものの、ツアーファイナルであった10月26日のLINE CUBE SHIBUYA (旧・渋谷公会堂)公演を無観客配信ライブとして実施されることが発表となっています。これまでのライブと異なるものになると思いますが、バンドのモチベーションをどう持っていこうと考えてますか?

暁:こうしてアルバムを聴いてもらうことはできるんですけど、それがいちばん生きるのはアルルカンにとってライブであることに間違いはないんです。だから、そういう時間を作りたいですね。本来、ツアーファイナルとして立つはずの渋谷公会堂のステージは、ツアーがないので思い描いていた『The Laughing man』のツアーファイナルではない。今回のコロナ禍でライブができない状況になって、最初の動きが7月21日の生配信ライブ<シネマティックサーカス#001>で、そこが大きな出発点となった。達成感もあったし、喜びもあったし、めちゃくちゃこだわって作った。どうやったら届くのかとか考えていくうえで、厳しさとか悔しさとかもあったので。

──得るものが多かったんですね。

暁:その大きな一歩から、次のいちばん近い目的地たる渋谷公会堂は、みんなと過ごすツアーではなくなってしまったけど、そこに向かう気持ちの流れを、ライブができないからこそ、いつも以上にみんなに届けたいですね。“俺らが今どう思っているのか、どう音楽を発信してるのか”を、いつも以上に待ってくれていると思うから。なので、8月にもなにか発信したいし、ファンと一緒に向かっていく感じにはしたい。もともとこのアルバムツアーは、実際回れるかどうかじゃなくて、バンドが前に進んでいること発信したいという気持ちが大きいツアー開催発表だったんです。

▲暁 (Vo)

──これまでとは見せ方も変わりそうですか?

暁:これだけ着飾ってるジャンルなのであれなんですけど、必死とか一生懸命とか本気とかは、矜持として持っておかないとダメだと思っているんです。それがこういう状況になって、よりはっきりと見えた。もちろん自分たちのやり方に今までどおり誇りを持ちつつ、それを両立してこそ生業になるということは強く思っていますね。

──祥平さんはLINE CUBE SHIBUYA公演をどのような心持ちで迎えますか?

祥平:ライブ配信となったことで、ファンは実際に会場へ来れないわけじゃないですか。今回のアルバムのライブという意味では、もちろんしっかり演ろうと思っているんですけど、いかんせん画面越しなので、いつもと違う熱感になることも想像できる。いつもと違う距離を画面越しでどう縮めるか、伝えていくかが大きな課題だと思ってます。この先、お客さんを入れてのライブがいつできるようになるかわからないし、そうなれば配信がスタンダードになっていくわけで。今日、まさにZOOMを使って画面越しの取材を行なってますが、数ヶ月前は誰もZOOMなんて知らなかったのに、今や誰もが使ってますよね。本当に時代の流れや動きが早い。それに置いていかれないように、自分の感性を豊かに柔軟に、今後の活動を取り組んでいきたいなと思ってますね。

──特にエンターテインメントに関わる人は、本当ならば数年かけて大きく変わっていくものを、わずか数ヶ月で変化に対応しなければいけないというストレスやジレンマがありそうです。

暁:細かいことですけど、目の前にお客さんがいない状況を僕は“ライブ”と呼びたくなくて。これまでのライブで味わってきた“よかった”というものを体感したいですけど、それができない以上、ライブを懐かしがったり有難がったりしながら活動するなんて、一切ごめんなんです。お客さんには関係ない話かもしれないですけどね。なので、いわゆるカメラに向かって“おーい”っていう形にはしたくないし、“ライブ”をするならメンバーに向かって演ると思う。5人で音を出しているからこそ生まれるライブ感があるのであれば、そこを映したい。それが、今できることかな。普通の配信ライブではやらないことを実現したいですね。挑戦したことのない表現方法を今、考えているところです。自分たちのこだわりを反映したいし、アルルカンを“よし”としてくれている人にそういうものを見せたいですから。でも、大変だろうなあ(笑)。

取材・文◎吉羽さおり



■3rdフルアルバム『The laughing man』

2020年8月19日(水)発売
【完全盤】ANMA-005A ¥15,000 (tax out)
▼特典
・絵本「The laughing man」
・完全盤限定メタルキーホルダー
・謎のチケット
・三方背ケース仕様
※通常盤には付属いたしません
▼DISC1.(CD)
1.イン・ザ・ミラー
2.ビロード
3.如何様
4.空に落ちる
5.瘡蓋
6.とどめを刺して
7.FIREWORKS
8.向日葵
9.君とのあいだに
10.The laughing man
▼DISC2.(DVD)
「イン・ザ・ミラー」MUSIC CLIP + 「The laughing man」reading movie
※完全盤はアルルカンofficial web shopにて受注生産販売
※受注期間:6月27日(土)~7月15日(水)20:59まで
https://anima-official-webshop.shopinfo.jp
※7月16日(木)までにお支払いが完了された方が対象となります。

【通常盤】ANMA-005B ¥3,500 (tax out)
▼DISC1.(CD)
1.イン・ザ・ミラー
2.ビロード
3.如何様
4.空に落ちる
5.瘡蓋
6.とどめを刺して
7.FIREWORKS
8.向日葵
9.君とのあいだに
10.The laughing man


▼楽曲「ビロード」配信
・iTunes Store https://itunes.apple.com/jp/album/veludo-single/1511877300?app=itunes
・Apple Music https://music.apple.com/jp/album/veludo-single/1511877300
・LINE MUSIC / Spotify / amazon / AWA https://linkco.re/SUe8a108


■配信ライブ<シネマティックサーカス#002 -暁闇->

2020年8月30日(日) 21:00~
▼視聴チケット
¥4,800
販売期間:8月17日(月)21:00~9月2日(水)20:00
※アーカイブは9月2日(水)23:59まで視聴可能
https://arlequin.zaiko.io/e/cinematiccircus002
※視聴チケット購入者全員に『シネマティックサーカス#002 -暁闇- hearing tracks』プレゼント(当日の配信映像の音源となります)。
※ZAIKO「Stickts、応援投げ銭」¥5,000以上(合算不可)の方全員に「撮りおろし写真&生サイン」プレゼント。


■結成7周年 生配信ライブ

2020年10月26日(月) LINE CUBE SHIBUYA
※旧:渋谷公会堂
※配信ライブ


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