【メールインタビュー】みきなつみ、「過去一番ポップ」な恋の駆け引きソング

■こんな時こそ聴いて欲しい

──カップリングの「青春のフィルター」も、この季節にぴったりな1曲になっています。これは、いつ頃書いた曲ですか？

みきなつみ：去年の秋くらいだったと思います。

──曲はGAKUさんとの共作になっていますが、今回どんなやりとりをしながら作ったのか、また、今作2曲のアレンジも手掛けているGAKUさんとの制作エピソードなどがあればぜひ聞かせてください。

みきなつみ：今回もGAKUさんと2人で、GAKUさん家に引きこもって一気に何曲も作りました。GAKUさんのギターに私が自由にメロディを乗せていくスタイルで作っています。中でもキラッと光っていたのがこの曲で、今回のカップリングに選ばれました。これは裏話なのですが、GAKUさんと作曲の作業をする時はいつもテレビをつけっぱなしにしていて、私の集中力が明らかに切れ始めたとわかると、GAKUさんがテレビを消すんです（笑）。その度に、「あ！やべ！集中力が切れてるのバレてる！」と焦って、集中しているフリをしてじゃがりこを食べています。これは秘密です（笑）。

──（笑）。この歌詞を書くきっかけになったこと、どんな思いを込めたかなども聞かせてください。

みきなつみ：友達への「ありがとう」の気持ちを詰め込んで書きました。高校に入ってみたら、想像していた少女漫画やドラマのような青春はなくて、「こんなもんか〜」なんて思っていたのですが、結局、そんな日々が特別だったことに卒業してから気づくんですよね。「本当に大人になってしまうのかな」「青春は終わってしまうのかな」、そんな曲になっています。



──まさに卒業というタイミングを迎えた人、10年後にお酒を飲みながら振り返っている人。聴き手がどんな今を生きているかによって、響き方の深みが違ってくるような気がしています。ご自身では今、この歌をどんな気持ちで歌われていますか？

みきなつみ：「卒業」って人生に限られた回数しかなくて、すごく大事な瞬間だったなと思うんです。その時間を少しでも彩れるように、気持ちを込めて歌っています。ちょっと前までは送られる側だったのにいつの間にか送る側になっていたりして、こうやっていつの間にか大人になっていくんだなぁと、そんなことを噛みしめています。

──個人的には「何度もシャッターを切るんだ」というフレーズがとても好きでした。忘れたくない瞬間、心で、まぶたで、シャッターを切っているような感覚は今でもあります。みきなつみさんも、音楽活動を始めてからはさらにそういう瞬間が増えているのではないかなと思うのですが、いかがですか？

みきなつみ：そうですね。大切だと思う瞬間や感謝（の気持ち）に前より気づけるようになっている気がしていて、そのたびに、忘れたくないなあと思っています。ちゃんとシャッターを切って残しておきたいです。

──後半に向けてエモーショナルになっていくアレンジ、コーラスワークなどもすごく聴きごたえがありました。アレンジの面に関してはいかがですか？

みきなつみ：アレンジは、GAKUさんにイメージを伝えてお任せしました。私の想像を超えた、エモーショナルな展開でびっくり！GAKUさんは、いつも私の知らない引き出しをサラッと開けてくれます。本当に凄い。尊敬しています。

▲みきなつみ／「君にだけバレて欲しいな」

──今回の2曲は、配信だけでなく紙ジャケットシングルとしてもリリースされるそうですね。

みきなつみ：今回、ライブ会場限定でCDを販売することが決まりました！本来ならもう始まっている対バンツアーで販売をスタートしているはずでしたが、残念ながらこのご時世なので…。しかし今後、中止になってしまった会場の方にも手に取ってもらえるように考えているところです！ジャケットもすごくおしゃれなので、必ずゲットして欲しいです！

──ピンクに戻った髪の色やタイトルの書体など、このジャケットは個人的にも大好きです。

みきなつみ：嬉しい！そうなんです、髪色をピンクに戻しました！春だし、やっぱりこっちの方がしっくりくるなと思って。紙ジャケは何パターンか候補がありましたが、これに即決でした。圧倒的に見栄えが最高！色味がツボで、セレクトしました。

──音楽に向き合う現在の心境、また今後についてなど、最後にこの記事をお読みの皆さんへのメッセージをお願いします。

みきなつみ：世の中的にも、とても大変な時期だと思います。だけどこんな時こそ聴いて欲しい、前向きになれる曲ができました。ピンチな今こそ、むしろチャンスだなと思っています！この期間にできなかったこと、やりたいことを全部やっていくつもりで動いていきます！みなさんの心にも、どうか穏やかな春がきますように。

取材・文◎山田邦子