山城祥二(大橋力)、第23回文化庁メディア芸術祭 功労賞を受賞
山城祥二が「第23回文化庁メディア芸術祭功労賞」とバリ島「Suksuma Bali Award 2019」という国内外で2つの賞を受賞した。1988年公開のアニメ映画『AKIRA』の劇伴音楽で世界に衝撃を与えた芸能山城組を率いる音楽家・山城祥二としての顔が有名だが、一方で脳科学/音響工学者の大橋力として「ハイパーソニック・エフェクト」の実証を通し、ハイレゾ音楽規格成立の礎を築いた人物でもある。
◆参考記事「【BARKS編集部コラム】大事なものが抜けていた…CDサウンドのどでかい落とし穴」
1933年に栃木県で生まれた大橋力は、東北大学農学部農芸化学科を卒業後、文部省放送教育開発センター教授、ATR人間情報通信研究所感性脳機能特別研究室長などを経て公益財団法人国際科学振興財団情報環境研究所所長、文明科学研究所所長を務めた農学博士である。
可聴域をこえる超高周波が間脳・中脳・前頭前野等の活性を高め心身にポジティブな効果をもたらす「ハイパーソニック・エフェクト」を発見し、著書に『情報環境学』(朝倉書店、1989)、『音と文明 音の環境学ことはじめ』(岩波書店、2003)、『ハイパーソニック・エフェクト』(岩波書店、2017)などがある。一方で山城祥二の名で1974年から芸能山城組を主宰し、作曲・指揮・演出を行い、第21回日本レコード大賞企画賞/第6回日本アニメ大賞最優秀音楽賞/第22回日本プロ音楽録音賞2015ハイレゾリューション部門審査員特別賞/ダルマ・クスマ勲章(バリ州の文化勲章)といった数々の受賞経験を持ち、アニメ映画『AKIRA』(1988)の音楽、国際花と緑の博覧会(EXPO’90)ランドスケープ・オペラ『ガイア』など作品も多数生み出している人物だ。
「第23回文化庁メディア芸術祭功労賞」の受賞理由は、「ハイパーソニック・エフェクト」を実証しハイレゾ音楽規格成立の礎を築いた業績とともに、「芸術と科学の垣根を越え世界のメディア芸術史における先駆的な役割の大きさは計りしれない」と、その活動が高く評価されている。
バリ島「Suksuma Bali Award 2019」の受賞においても、ガムラン音楽に含まれる超高周波が基幹脳を活性化するというハイパーソニック・エフェクトの発見により、バリ島の伝統智を科学的に解明したことを高く評価したものだ。
◆芸能山城組 文明科学研究所