【ライヴレポート】MUCC、<収監ツアー>追加公演「北海道で始まったから北海道で終わらないとダメ」
MUCCが2月23日および24日の2日間、北海道・小樽GOLD STONEにて、1年6ヶ月に渡り繰り広げてきた<収監ツアー>の追加公演でありファイナル公演を開催した。<壊れたピアノとリビングデッド収監 Japan Tour GRAND FINAL 〜収監始まりの地で大団円〜>と題されたライヴのオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆MUCC 画像
2018年6月に北海道で行われた<MUCC 2018 Lock on snipe Tour #1「北海道型収監6days」>を皮切りに、各地方を転戦した通称<収監ツアー>は、全国63公演を行う大規模なものとなった。また、<収監ツアー>シリーズを展開中の2019年2月13日には、アルバム『壊れたピアノとリビングデッド』をリリース。同年7月の東北<収監ツアー>シリーズからは、同作リリースツアーとの共存するものとなり、吉田トオル(key)を期間限定メンバーとして迎え入れ、繊細さと凶暴さを兼ね備えるMUCCサウンドに、ピアノとオルガンによる新アレンジを織り交ぜ、楽曲バリエーションを豊かに展開した。
<収監ツアー>ファイナルとなる小樽GOLD STONE公演は、「壊れたピアノ」の生演奏でスタート。正式にはインフォメーションされてないが、期間限定メンバー=吉田トオルのファイナル公演と予想されるだけあって、歓声も冒頭から激しい。そしてライヴの1曲目は「サイコ」だ。切り裂くようなミヤ(G)の鋭いフレーズと共にスタートするこの楽曲は、2019年のMUCCを象徴するもの。続く「アメリア」はミヤのバースデーシングルとして2019年7月にリリースされたナンバーで、曲中ではフロアに大きなサークルモッシュが発生するなど、すでに過去曲に溶け込んだお馴染みのナンバーに成長している。2019年はメンバーそれぞれが“不惑の年”を迎え、全員の<誕生日ライヴ>でシングルが発売された。それぞれの音楽性嗜好が鮮やかに描き出された楽曲たちも<収監ツアー>で鍛えられ、大きな飛躍を遂げている。
そして、ここからは“北海道<収監ツアー>追加公演スペシャル”とでも言わんばかりに、「娼婦」「盲目であるが故の疎外感」と初期のナンバーを投下していく。これら初期楽曲も吉田トオルの存在を際立てながら現代風にブラッシュアップ。オルガンの音色も大胆にフィーチャーされ、破壊力を増した演奏に大きな歓声が上がった。『壊れたピアノとリビングデッド』からヘヴィチューン「アイリス」、ピアノが大胆に織り込まれた「ヴァンパイア」と、前半戦は新旧取り混ぜた展開だ。そして逹瑯のMCへ。
「<収監ツアー>日本最後にようこそ。北海道で始まったから北海道で終わらないとダメだな。細かいことはいいから、楽しんでいこう!」──逹瑯
この夜のハイライトのひとつは、「新曲です」と逹瑯の一言で始まった「海月」だ。「吉田トオルの期間限定メンバー在籍時、最後の置き土産」とは前夜触れられたMCでのワンシーンだが、今までのMUCCの手触りとは微妙に違う繊細なアレンジが秀逸。同新曲は、現在制作中のアルバムに収録される予定とのことだ。その後も「鎮痛剤」「夜」という20年前にリリースされた楽曲と、最新曲「積想」「COBALT」をセットリストの中で混在させていく。新旧楽曲を自然な形で織り交ぜることは20年以上のキャリアを誇る彼らにとって自然なことではあるものの、吉田トオルの鍵盤アレンジによって、より色鮮やかに楽曲たちが表現されたことは、<収監ツアー>の大きな収穫だったはずだ。
「北海道から始まったツアー、帰ってきました。北海道は田舎で良いね。我々も田舎育ち、シンパシーを感じるこんな曲を聴いてください」──逹瑯
というMCに導かれ、静かなギターフレーズから逹瑯のアカペラで始まった「家路」。哀愁あふれるメロディーにアップテンポな演奏が乗る同曲に大歓声が上がる。SATOち(Dr)のビートが演奏を牽引する「My WORLD」「スイミン」と矢継ぎ早に激しいナンバーが続き、フロアの熱気が絶頂に達する中、本編最後は<収監ツアー>シリーズのラストを常に飾ってきた「Living Dead」を披露。集中力の高い演奏やシルエットが浮かぶような照明の世界観と相まって、張り詰めた空気感の中で本編が幕を閉じた。
アンコールは本編ラストの雰囲気から一変、まったりとした“ご当地MC”を展開するシーンは彼らならでは。そんなムードから演奏されたのは、前回の小樽公演(2018年6月9日 ※MUCCの日)、“SATOちドッキリ”の際に作られた「テラス」だった。YUKKE(B)の「嫌なこと全部植えて行こう! 次の小樽で刈り取ろう」の前振り(?)に逹瑯が「嫌なことが育っちゃう」と応えるなど、和やかなまま曲へ。そのサビでは、初披露時にミヤが即興で行なっていたコーラスも復活と貴重な演奏となった。
「蘭鋳」ではフロア全員がしゃがみ、ジャンプの前に普段は逹瑯が叫ぶ恒例の「全員死刑」を吉田トオルが絶叫。<収監ツアー>の最後を締めくくるナンバーは「TONIGHT」だ。万感の想いを込めたような演奏に、<収監ツアー>全公演の幕が閉じた。壮大なアウトロの後、オーディエンスからは盛大な拍手が上がるなど、最高の大団円となった。
MUCCは4月のヨーロッパ公演<MUCC 2020 Lock on snipe Tour #11 〜Style of EUROPE Broken Piano And Imprisonment of livingdead 8days〜>を経て、6月21日には新設会場であるぴあアリーナMMにて<蘇生>と題した1万人規模のアリーナ公演を開催する。
撮影◎山下恭子
■<壊れたピアノとリビングデッド収監 Japan Tour GRAND FINAL 〜収監始まりの地で大団円〜>2020年2月24日@小樽GOLD STONE セットリスト
02. アメリア
03. 娼婦
04. 盲目であるが故の疎外感
05. アイリス
06. ヴァンパイア
07. 五月雨
08. 海月
09. 鎮痛剤
10. 夜
11. 積想
12. COBALT
13. 家路
14. My WORLD
15. スイミン
16. カウントダウン
17. Living Dead
Encore
En1. テラス
En2. 蘭鋳
En3. TONIGHT
■リリース情報
MSHN-067 ¥200+tax
配信開始:2月10日(月)
▼NewAlbumリリース
2020年春、発売決定
※詳細後日発表
■MUCC × Nothing's Carved In Stoneツーマンライヴ<LOVE CALL>
open18:00 / start19:00
出演:MUCC / Nothing's Carved In Stone
▼チケット
前売¥4,500 (税込) / 当日¥5,000 (税込)
※オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
一般発売日:2月16日(日)
・チケットぴあ https://bit.ly/39kqoMZ
・e+ https://bit.ly/38fvQAT
・ローソンチケット https://bit.ly/2SD75YS
(問)DISK GARAGE 03-5447-8277
■ヨーロッパツアー<MUCC 2020 Lock on snipe Tour #11 〜Style of EUROPE Broken Piano And Imprisonment of livingdead 8days〜>
4月06日(月) ワルシャワ Club Proxima
4月08日(水) ベルリン Lido
4月09日(木) ベルリン Columbia Theater
4月11日(土) ボーフム ZECHE
4月12日(日) ケルン LUXOR
4月15日(水) パリ Maroquinerie
4月16日(木) ロンドン Acad. Islington
▼<Salon del manga y cultura japonesa de Alicante>
・ライヴ:4月18日(土)
・プレスカンファレンス:4月19日(日)
会場:スペイン・アリカンテ IFA (Institucion Ferial Alicantina)
オフィシャルサイト https://www.smalicante.com/
■アリーナワンマン<蘇生>
open17:00 / start18:00
▼チケット
・VIP席 ¥15,000(税込)
・指定席 ¥7,700(税込)
※VIP席は朱ゥノ吐VIP会員のみの受付となります
※未就学児入場不可
※営利目的の転売禁止
一般発売:2020年5月24日(日)
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