【レポート】＜モンスターロックLIVE＞in大阪、ヤバイTシャツ屋さん「脳ミソにこびりつくぐらいカッコ良くて、おもしろいライブ」

開局30周年イヤーを迎えたスペースシャワーTVが誇るロック専門番組『モンスターロック』と、日本のロックシーンを応援する『Monster Energy』がタッグを組み、最強の東名阪ツアー＜モンスターロックLIVE 2020＞を開催。その2日目となる2月15日＝大阪・なんばHatchには、ヤバイTシャツ屋さん、花団、ROTTENGRAFFTYという関西色濃い3バンドが集結した。トップはヤバイTシャツ屋さんだ。

◆ヤバイTシャツ屋さん 画像

開演5分前、前へ前へと押し寄せ始めるオーディエンス。押すのは危険、前の人の迷惑とは分かっちゃいるが、本能は抑えることができない。なにしろ、大阪の大学出身の3人だから、浜松親善大使のもりもりもと(Dr)がドラムを叩いていようが、バンドの頭脳であるこやまたくや(Vo / G)が京都生まれだろうが、ここ大阪の地元バンドといってもいい。ヤバイTシャツ屋さんが、＜モンスターロックLIVE＞大阪編のトップを飾るのだ。




おなじみのテーマ曲で登場したヤバTの3人に湧き上がる歓声と大拍手。こやまの「ヤバイTシャツ屋さん、始まるよ〜！」の声を合図に3人はバンドサウンドを轟かせ、「あつまれ！パーティーピーポー」でライブ本編へ突入した。左右に揺れる腕、人が舞うクラウドサーフ、笑顔でいっぱいのフロア。早くもクライマックスのような光景が広がっていく。「D.A.N.C.E.」に続けて、「大阪の曲やるよ！」と言って「喜志駅周辺なんもない」へ。

その途中のこと。スタンドのマイクをムンズッと掴み取ったこやま。コール＆レスポンスをしようって魂胆だろう。しかし「『モンスターロック』のスタッフの感じがいい！」など、イベントへの極端なぐらいのすり寄り方。というより、自ら率先する癒着ぶり。もりもとからは「コビ売ってるやん」とツッコミも入る。しかし、そうしたやり取りさえも笑いとして楽しませるヤバTだ。



さらにライブ中盤のこと。こやまがMCを始めるかと思ったら、手拍子しながら歌い出すのはテレビ番組『探偵ナイトスクープ』のテーマ。さらに、しばたありぼぼ(B)まで関西で流れている住宅メーカーのCMソングを歌い出す。ものすごい郷土愛と再びの癒着ぶりだが、大合唱も起こるあたりは、さすが大阪。そして癒着ぶりを締めくくるのは、もちろんキラーチューンの「癒着☆NIGHT」だ。

「どうしてもトップバッターの記憶は、どんどん薄れていってしまうけど、脳ミソにこびりつくぐらいカッコ良くて、おもしろいライブやりたいと思います」──こやまたくや




その言葉から曲を次々に叩きつける。ヤバTの曲は楽しくコミカルな面も強いが、サウンドは獰猛でありスリリング。さらにメタルもパンクもポップも貪欲に吸収しながら、キャッチーに仕上げるアレンジセンス。そしてキュートなくせにアホ顔や変顔まで見せちゃうしばたのエグいパフォーマンス。そのやりたい放題のライブに、もろ手を挙げて狂喜乱舞するオーディエンスだった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎浜野カズシ




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