【鼎談】THE BOHEMIANS×首振りDolls「本当にロックン・ロールを元気にしたいよね」
“こんなロックバンドやりたかった!”と、首振りDollsギターのジョニーが絶賛したというTHE BOHEMIANS。2月9日に念願の対バン開催をし(with 爆弾ジョニー)、互いの仲を深めつつも、若手ロックンロールバンドとしては、シーンを盛り上げるべき良きライバルとして、今の時代に存在し合う彼ら。マンスリーインタビュー第12弾では、首振りDollsのナオがTHE BOHEMIANSの平田ぱんだ(Vo)とビートりょう(G)をゲストに迎え、ロックン・ロールシーンのルーツとバンドへの想いと今後の展開について、“酒呑みトーク”で、まったりと語り合ってもらった。
◆鼎談画像
──今回はTHE BOHEMIANSの平田ぱんだ(Vo)とビートりょう(G)をゲストにお迎えしてお届けしていきたいと思います!
平田ぱんだ:インタビューというより、ご飯を食べに来ました!
ビートりょう:今から、一緒に焼肉を食べます!
ナオ:食べますっ!
──インタビューですから!
一同:はい。
──では。早速始めましょうか。THE BOHEMIANSと首振りDollsの関係性は? 面識はあるんだよね?
平田ぱんだ:うん。昔、小倉でDroogと対バンしたときに遊びに来てくれたときに会ってるのと、その後、小倉で対バンしたことあったよね。だから、今日で会うの3回目。
ナオ:おー覚えてくれたとは! 感激です!
ビートりょう:小倉は地元なんだよね?
ナオ:そうです! 地元です。あ、焦げちゃう。誰か食べて(お皿に配る)。
平田ぱんだ:あ、そんなにお世話焼いてくれる人なんだね、ナオくん。
ビートりょう:良い子に育ってるね〜。そのときどんな話したっけ?
平田ぱんだ:なんかね、すごくマニアックな60年代のガレージバンドの話してた。そういうバンドを見つけて、YouTubeで見漁ってるって。そういう話が出来る人が居ないから探してるんですよ! って言ってた。
ナオ:言ってたかも(笑)! でも、すごく正直なことを言うと、THE BOHEMIANSに会えたことの方が衝撃だったから、何話したか覚えてないです(笑)!
ビートりょう:あははは。正直(笑)。
平田ぱんだ:いや、確実にマニアックな話してたよ。俺、全然分からなかったもん。
──音楽オタクのぱんだが分からないって相当だね。
平田ぱんだ:なんてバンドの話してたかなぁ? 俺もそこまでは覚えてないけど。聞いたこともない国の、聞いたこともないガレージバンドの話してたよ。“このバンド知ってますか?”って、一生懸命にYouTube見せてくれたもん。
ナオ:あははは。その頃、ロックなのかブルースなのか分からないようなバンドにもすごく興味があったんですよね。でも、多分、ぱんださんに見せてたのは、きっと、スイスのMONSTERSだったんじゃないかな? すごくハマってたんです!
平田ぱんだ:あー、なんかそんな感じだった! とにかくこの気持ちを共有したいって言ってた。
ビートりょう:あははは。でも、共有出来なかったんだね(笑)。メンバーとはそういう会話しないの?
ナオ:そこまで深い音楽の話はしないかな。移動の車の中でそれぞれが運転するとき自分の好きな曲を流すから、そのときに、“カッコいいね! これ誰?”って話したりはするけど。それぞれマニアックに好きなものはちょっとずつ違っていたりするので。THE BOHEMIANSは熱く語り合うんですか?
平田ぱんだ:なんとなく好きなものが重なってるって感じだから、そこまで熱くは語り合わないかな〜。
ビートりょう:そうだね。俺が音楽を好きになったきっかけはスピッツだったし。そっからThe BeatleやThe Rolling Stonesにハマりまくったって感じだったけどね。
ナオ:そうなんですね! THE BOHEMIANSの音楽って、ロックン・ロールのカッコイイところを全部凝縮したサウンドだなって思うんです。絶妙なロックン・ロールサウンドだなって。そこがすごく羨ましいなって思っていて。俺がルーツとしている音楽を聴いて来た人たちがTHE BOHEMIANSの音楽を聴いたら、絶対に胸が高鳴るだろうなって。ギターリフ聴いただけで、“あーもぉカッコイイ! 好き!”ってなる音楽。THE BOHEMIANS、羨ましいんです。
──ジョニーも言ってたね。“THE BOHEMIANSが出て来たとき、こういうバンドやりたかった!”って思ったって。
ナオ:言ってた言ってた! “やられた〜!”って思ったって!
ビートりょう:上手いこと言ってくれるねぇ〜。嬉しいねぇ〜。ジョニーくん居ないけど、飲んで食べてくれ! 今日は俺の奢りだ!
平田ぱんだ:あ〜、気分良くなっちゃったよ(笑)。でも、ジョニーって、イカツイ子でしょ? ジョニーくんがTHE BOHEMIANS好きって、なんか意外(笑)! 好きならもうちょっと分かりやすい雰囲気でいてくれないと!
ビートりょう:分かりやすい雰囲気ってどんなだよ!
ナオ:あははは。ジョニーめちゃくちゃTHE BOHEMIANS好きですよ! 移動の車の中でもTHE BOHEMIANS聴いてますもん!
平田ぱんだ・ビートりょう:そうなの!?
ナオ:はい! “羨ましい”って言ってます!
ビートりょう:いやいやいや、羨ましいって言うけどね、俺は首振りDollsみたいにぶっといリフで、デカイ音で、曲を作ってる人が羨ましいんだよ。それって誰にでも出来ることじゃないから。俺らがやっても首振りDollsみたいにはなんないからね。すごく羨ましく思うよ。だって、ぶっといリフで、デカイ音で作った曲をそのままライヴでやるのが、一番カッコイイんだから。
ナオ:おぉぉぉぉ。感動です、そんなこと言ってもらったら。
ビートりょう:そういう曲ばっかりじゃないと思うけど、基本それが出来るロックバンドは、本当にカッコイイと思う。
ナオ:いやいやいや、りょうさんのギターは本物のロックン・ロールのギターだと思いますよ。THE BOHEMIANSの音は、りょうさんのギターだからこそのロックン・ロールだと思いますからね。
平田ぱんだ:まぁたしかにその通りだよね、そこは。ビートりょうのギターがあってこそTHE BOHEMIANSだと思うからね。俺はこの人が居なかったら、今はないから。
ビートりょう:でも、それを言ったら、首振りDollsもジョニーくんのギターあってこそのロックン・ロールだと思うよ。
ナオ:ありがとうございます!
平田ぱんだ:でも、ナオくんもすごいよね。ドラム叩きながら歌ってんだもん。でもね、ドラムとボーカルは使う脳が一緒らしいよ。昔、志磨さん(ドレスコーズの志磨遼平)が言ってた。
ビートりょう:ほぉ。そう言われてみたらドラマーからボーカルになった人っていっぱいいるもんね! イギー・ポップもそうだし、BUCK-TICKの櫻井さん(櫻井敦司)とGLAYのTERUさんもそうだし。なんか納得いくなぁ〜。
平田ぱんだ:うんうん。でも、俺には絶対に出来ないけどね。この前、お遊びバンドでちょっとドラムやったけど、すげぇ大変だったもん。無理だわぁ。絶対。ホント、よく出来るなぁって思う。
ナオ:いやいやいや。まぁたしかにすごく疲れますけどね(笑)。
平田ぱんだ:いやでもすごいわ、ホント。
ナオ:いやいやいや。すごいといえば、ぱんださんのブログ読むのも好きなんです! すごく音楽のこと掘り下げて詳しく書いてくれてて面白いし、文脈もすごいし、途中で“風呂入ってくる”って居なくなっちゃったと思うと、戻って来て続き書いてたりするし(笑)。サン・レコードのコンピレーションアルバムを聴きながらブログ書いてますっていう回のとき、途中でお風呂に入りに行ってたんです、ぱんださん(笑)! たまにどっか行っちゃう(笑)。
平田ぱんだ:おっ! 本当に読んでくれているね! いい奴だな、君は。
ナオ:読んでますよ! 本当に好きですもん、ぱんださんの文章! さっき頂いた『ロックンロールの話』も、すぐに読み終わっちゃうと思います!(平田ぱんだ『ロックンロールの話』単行本発売中 発行:株式会社CHINTAI 編集:Rock is/DONUT)
平田ぱんだ:ありがとう! 続きもまだまだ書いてるから読んで!
ナオ:読みます読みます! あ、食べて下さいね。焦げちゃうから、ちょっと焼いて焦げる前にここのお皿に上げておくので、食べるとき、ちょっと炙って食べて下さい(お皿に焼いたお肉を取るナオ)。
平田ぱんだ:なんなの、ナオくん。君はすごい優しいね。さっきからすごく取ってくれるし、いっぱいお酒注いでくれるし。めちゃめちゃ優しいじゃないの。なんなの? ねぇねぇ、ナオくんはどうしてそんな子に育っちゃったの? どうしたらそんな子に育つの?
ナオ:え? そんな子?
平田ぱんだ:うん。すごく良い子じゃない。だって、タバコも俺が吸わないから、ここで吸わないんでしょ? 吸っていいよ。
ナオ:いえ、大丈夫です!
平田ぱんだ:吸いなよ〜。
ナオ:大丈夫です大丈夫です!
平田ぱんだ:吸いたまえ! 今すぐ、ここで! さぁ!
ビートりょう:吸いたまえとか言わないし(笑)! 人にそんなこと言ってるの聞いたことないし(笑)!
ナオ:あははは。ありがとうございます、気にして頂いて! そのうち吸わせてもらいますね。お気遣いありがとうございます!
平田ぱんだ:でも、本当は怖い奴だったりしないの?
ナオ:しないですよ〜(笑)!
平田ぱんだ:本当? どっちなんだろう? って、さっきから探ってんの。
──探ってたの(笑)?
平田ぱんだ:そうそう。探ってたの(笑)。どっちかなぁ〜って。本当はすごく怖い人なのかもしれない……と思って。
ナオ:いやいやいや、ただのお酒好きです(笑)。なんでも言える後輩と思って頂けたら!
平田ぱんだ:本当? “俺、先輩で〜す”って感じでいいの?
ビートりょう:なんだよ、“俺、先輩で〜す”って(笑)。
ナオ:あははは。そっちの方が断然いいです!
平田ぱんだ:じゃあそうしようかな。
ナオ:お肉、焼けましたよ。これくらい焼けが美味しそう。
ビートりょう:あ、なんかちょっといい肉だから、レアでいってみよかな。いってみて!
平田ぱんだ:うん(食べる)。
ナオ:あ、まだちょっと早かったんじゃないか、、、な。
ビートりょう:どう?
平田ぱんだ:…………………。冷たい…………。
一同:(爆笑)
ビートりょう:(食べる)。あ………。冷たい(笑)。
ナオ:やっぱり………(笑)。よく焼きましょうね(焼く)。
平田ぱんだ:優しいねぇ、本当に。でも、本当は怖かったらどうしよう……。
ビートりょう:まだ言ってる(笑)。
平田ぱんだ:だって、小倉でしょ? 怖いイメージしかないもん。小倉(笑)。昔ライヴで行ったとき、風俗街が近い道を歩いてたらキャッチのお兄さんに“安いよ〜”って言われて。何も言わずに通り過ぎようとしたら、すごく至近距離まで来られて“お前に言ってんだよ!”って小声でどすられたの。めっちゃ心臓バクバクだったんだけど、何事もなかったように通り過ぎて。やっぱ小倉こわ〜〜! ってなったから、その印象が強くて。だから、なんでこんなに良い子に育っちゃったのか不思議で。
ナオ:あははは。そのキャッチの人はちょっと酷いですね。そういうときは、“〇〇ちゃんおる?”って、適当な名前言うんですよ。そしたら、“あ〜、居ないですね。けど、〇〇ちゃんなら居ますよ!”って言ってくるから、“あ〜、じゃあいいや。ありがと〜”って返すと良いですよ。
ビートりょう:なるほど! ひと絡みしたら良いのね!
平田ぱんだ:怖くてそんな余裕はなかったぞ。
ナオ:ですよね(笑)。ぱんださんが絡まれちゃったキャッチの人はちょっと悪質だと思いますけど、私はそういうのが当たり前な街にずっと身を置いていたからか、それが普通になっちゃって。そういう人たちと上手くやれる術が無意識のうちに身についちゃったんだと思います(笑)。
ビートりょう:なるほどねぇ〜(納得)。
平田ぱんだ:なるほどねぇ〜(納得)。ナオくんたちはもう今は東京に居るの?
ナオ:はい。事務所に住み着いてる感じです(笑)。
平田ぱんだ:え、そうなの? じゃあ悪いこと出来ないじゃん!
ビートりょう:悪いことってなんだよ!
ナオ:あははは。悪いことしてないですね。悪いこと出来ないから、ひたすら事務所でオナニーしてます(笑)。
平田ぱんだ:事務所でオナニー!? いいね、ナオくん! 最高だ! 君は本当にいい奴だな! 最高に楽しい話になってきたぞ(笑)!
ナオ:いやいやいや(笑)。それ以上の話は無いですけどね(笑)。
ビートりょう:いや、充分衝撃的だったからいいよ(笑)。
ナオ:ぱんださんとりょうさんは、上京して何年ですか?
平田ぱんだ:12、3年?
ビートりょう:それくらいになるね。出てきたの2007年くらいだったもんね。
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