Hiroのもいもいフィンランドvol.75「フィンランドの若手新星Shiraz Lane“ジャンルを交錯しながら最善のものを”」
フィンランド本国で2015年バンド初のEP盤『Be the Slave or Be the Change』発売直後に東京で開催されたフィンランドフェストLoud & Metal Attackで初来日!その来日のニュースでこのバンドの存在を知ったのですが、その後2枚のアルバム『For Crying Out Loud』と『Carnival Days』を発売し、ことし1月新EP『Vibration I』を発売!着々と成長を遂げてきた若手ハードロックバンドShiraz Laneのヴォーカル、ハンネスが昨年末Lost SocietyとArion、Wheelとのツアー中、ヘルシンキの会場Nosturiでインタビューに答えてくれました。前日がフィンランド北部のオウル公演で、この日は朝5時に起き、6時にオウルを出て車で首都のヘルシンキまでドライブしてきたそうです。
──1月17日に新しいEP『Vibration I』が発売になりましたが、前半と後半2枚のEPが発売になり、最後にまとまったアルバムが発売になる予定なのですか?
ハンネス:その通り。アイデアとして2枚のEPを発売。最初のEPが1月に発売になって、今次のEP用の曲を作ってるとこなんだ。その後で1枚のアルバムになる予定なんだけど、さらに何かつくかもしれないけど、今のところまだはっきり決まってはいないんだ。どうなるかは俺たち次第かな。
──ではなぜ1枚のアルバムではなくて2枚のEPにしたのですか?
ハンネス:俺たちこれまでに1枚のEP『Be the Slave or Be the Change』と2枚のアルバムを発売していて、通常を破ってみたかったんだ。1枚のアルバムの代わりに2枚のEPの方がやりやすくて、自分たちにとって興味深くもある。そうすればできる限り自分達で曲のプロデュースをする時間も持てるし、2つのEPに違うサウンドをいれることもできる。最初に発売になるEPと次に発売になるEPは違うサウンドの世界になる予定だよ。なぜなら同じことをやるんでなくて違うことをやってみたかったんだ。
──実はアダム・ランバートのファンなんですが、、、
ハンネス:俺もだよ。
──あ、やっぱりそうでしたか。あなたのSpotifyのプレイリストにアダムの曲がはいってましたよね。
ハンネス:アダム・ランバートは俺のお気に入りのシンガーだよ。彼は信じられないシンガーだ。信じられないほどの歌唱力の持ち主で、クィーンとのライブもものすごく素晴らしい。
──そのアダムからも秋にEP前半が発売になり、後でEPの後半が発売になる予定で、EP発売は最近の流行りになりつつあるのでしょうか?
ハンネス:原則的に流行ともいえるかもしれないな。なぜなら最近は一部の人はアルバム1枚を通してきかなくなってきたからね。だから5曲に集中して、シングルを多く発売する。そのほうが長く待つ必要もないしね。
──新しいEP『Vibration I』について教えてもらえますか?どのようなEPですか?
ハンネス:サウンド面でも、曲としても聴きやすい。5曲の違う曲が収録されてるけど、一つのEPとしてまとまっている。どんなEPなのか説明するのはとても難しいので、自分で聴いてみてほしいな。
──では後で発売になるEPは違った感じになるのですか?
ハンネス:今作曲してるところで今現在まだはっきりとはいえないけど、もうちょっとアーティスティックで、最初に発売になるEPを超えてもっと通常を破ってやりたいな。最初のEPはどちらかというとポップロックっぽいけど、後半のEPではもっといろいろ試してみようと思ってる。ジャンルを交錯しながら、自分達でできる限り最善のものにしたいと思ってるよ。
──南米ツアーがありましたね。南米行くのは初めてでしたか?
ハンネス:あぁ、初めてだった。ブラジルツアーで3公演あったんだ。信じられないショーだったよ。文化自体が北欧と全く違ったし、太陽が照ってるって理由もあって行ったんだけど(笑)、それは人間にとってとってもいいことだ。
──南米で何が一番印象に残りましたか?
ハンネス:南米の観客はとっても熱狂的だって聴いてはいたけど、まさにその通りだった。
──では2019年はバンドにとってどんな年でしたか?
ハンネス:成長の年だったな。まずこのEPのレコーディングをしてシングルが3曲出た。それぞれ個人的にもいろんなことがあったし、ライブ自体はそれほどたくさんしてないけど2つ重要なライブをやった。一つはさっき話に出た南米ツアーだ。最高だったよ。そして年末Lost Society、Arion、Wheelと一緒のこのツアーは一年を締めくくるのによいツアーだ。
──このあと2月にMonsters of Rock の出演が予定されていますが、楽しそうですね。これは6日間のクルーズなのですか?
ハンネス:うーん、6日間だったか、5日間だったか4日間か、今はっきりは覚えてないけど長くいるよ。
──たくさんのバンドが出演しますね。
ハンネス: あぁ、とてもたくさんのバンドが出演するよ。
──途中立ち寄る島で船から降りれたりはするんですか?
ハンネス:途中立ち寄る島には降りれるよ。どのくらいの時間降りていれるのかはまだわからないけどね。
──そのクルーズでは出演以外にはどうやって過ごす予定ですか?
ハンネス:まず観れるだけたくさんのライブを観たいな。そしてファンも来てるだろうからファンとも触れ合いたいな。それからたくさんのミュージッシャンが来てるから、彼らと知り合いになれたらいいな。楽観的に楽しめたらいいな。
──どうやって出演が決まったのですか?
ハンネス:じつのところどうやって出演が決まったのかはしらない。俺たちの国外のツアーエージェントはとってもいい奴らなんだ。相手からオファーがきたのか、こっちから申し出たのかはわからないけど、たぶんそのツアーエージェントを通して決まったんだと思うな。
──出演者をみるとフィンランドからはあなた達だけですよね。
ハンネス:あぁ、そうなんだ。他にフィンランドのバンドはいないよ。スウェーデンからH.E.A.TとHardcore Superstarは出るけどね。
──そのクルーズの後、同じくフィンランドのバンドTemple BallsとBlock Busterとのヨーロッパツアーが発表になってますが、皆同年代のメンバーですよね。
ハンネス:あぁ。そうなんだ。俺たち友達でもあるから一緒にツアーできるなんてすばらしいよ。
──どういういきさつでこの3バンドでツアーしようってことになったのですか?
ハンネス:それも同じくどうやって決まったのか知らないな(笑)。サポートバンドの候補をあげられたら俺たちがイエスかノーか選ぶことができて、この3バンドがそろたってことは素晴らしいことだよ。
──このメンツでフィンランドツアーとか、日本にもいけたらいいですね。
ハンネス:あぁ、最高だよ。
──2020年の予定は何かありますか?
ハンネス:次のEPのレコーディング、国外ツアーと国内ツアー、でも国外が多くなるかな。なぜなら国外にいっぱいファンがいるからね。市場があるからツアーもするよ。
最後に日本の読者にあてたメッセージはこちら!
Shiraz Laneは今年2月終わりから3月にかけて同じくフィンランドの若手ロックバンドBlock BusterとTemple Ballsと一緒にヨーロッパツアーが予定されているほか、同じく若手バンドDirtをサポートに迎えフィンランド国内ツアーも予定されています。そのまま日本にも行ってほしいですね。
ライブ写真は昨年末のヘルシンキ公演の時のものです。長旅の後バックステージでは少々お疲れのようにも見えたのですが、ステージに立つとがらっと元気に!ヴォーカルハンネスはハイトーンのクリアヴォイスで、それを他のメンバーががっしり固めて、とにかく若いエネルギーに満ち溢れていて、みている方もパワーをもらえて楽しくなるライブでした。メンバーのルックスも粒ぞろいにかっこいいので、ロックファンに彼らの存在を知ってもらえれば日本でもうけそうな予感!
ちなみにこの日みたヘルシンキの会場Nosturi (900人収容)は昨年末をもって取り壊されマンションになる予定で、すでに取り壊されつつあるようです。同じくヘルシンキにあったライブ会場Virgin Oil(700人収容)も昨年12月でライブは終了、ホテルに改装される予定です。さらに中心部にあるライブ会場The Circus (1500人収容)も今年6月にライブ終了となります。理由は同じ建物内に新しく入る会社のために完全防音が必要になり、巨大な費用がかかるものの完全に防音できるかどうかがわからないので、撤退するとのこと。ということで1度に3つの大きめのライブ会場がなくなってしまうヘルシンキ。行き慣れたライブ会場がなくなるってとても寂しいです。どうかかわりに新しい会場が生まれてきますように!
写真:Tero Kotsalainen
文&ライブ写真:Hiromi Usenius
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