【インタビュー】DracoVirgo、全24曲収録アルバムにハイカラメンバーも集結「高カロリー、高タンパク、高品質です」

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■ライブをやり倒した状態で録ったDISC2
■音数で埋め尽くしてます

──約10年ぶりに音楽的なコミュニケーションをする中で、意外な面をお互いに感じたりもしましたか?

mACKAz:離れている間に各々やってきたこともありますけど、やっぱりMAAKIIIの引き出しがすごく多くなったって感じますね。いろんな曲を知っているし、アレンジのアイデアもバンバン出してくれる。そこはDracoVirgoのおもしろエッセンスにもなっていると思います。

SASSY:そう、MAAKIIIの引き出しが多い。俺は鼻歌とだいたいの構成を持っていきつつ、メンバーにブラッシュアップしてもらったりして曲を形にしていたんです。でも、MAAKIIIと音楽的コミュニケーションを取っていくにつれて、もうちょっと具体的な形を作って、自立したデモを作れるようにもなりましたね。まだまだ全然なんですけど、MAAKIIIの思い描いているエグイところまで、自分の作曲スキルも上げていけると思っています。DracoVirgoを始めて自分が変われたようなところがあるんですよ。mACKAzに関しては、もともとmACKAz節を持っているし、長く一緒にやっているから分かる部分もあるんです。だから自分は、それとは違うところで本当に頑張ろうって思いましたね。

MAAKIII:2人とも、すごく興味をそそるお皿(デモ音源)を持ってくるんです。そのお皿に、これを乗せたいとか、あのスパイスを効かせたいとか、料理心をくすぐられるというか。でもそのプレートは私からは絶対に生まれないもので。そのお皿に乗せられるおいしい料理を考えるのが、すごく楽しいんです。私としては、2人に引き出してもらえる環境だし、自分が乗せた料理を自分もおいしく食べられるっていう。料理って作ってる最中にお腹いっぱいになっちゃったりするじゃないですか。そうじゃなくて、作った本人たちもおいしく味わえるんです。すっごく贅沢な場所にいるなって。


──よく言う“音楽的な化学反応”が頻発しているわけですか?

MAAKIII:そう思います。“曲作りって煮詰まる”ってこともよく言われるじゃないですか。でもDracoVirgoではワクワクのほうが多くて。絶対的においしい料理ができる確信がどこかにあるので、それを楽しみに頑張るみたいな。

──ちなみにMAAKIIIの得意料理は?

mACKAz:あっ、実際のね(笑)。

MAAKIII:私はけっこうラクしちゃいます。

──時短料理ですね。

mACKAz:いいように言いましたね(笑)。

MAAKIII:あの、けっこう料理名がない料理で(笑)。

──オリジナルレシピの。

mACKAz:また、いいように言いましたね(笑)。

MAAKIII:よく言えばオリジナルなんですけど、“摩訶不思議な料理”って言われます(笑)。

mACKAz:一か八かの(笑)? 怖い(笑)。

MAAKIII:でも最近思ったのは、ハンバーグはシンプルにすればするほどおいしいなって。だから今後はシンプルな曲も作りたいなって。今回はかなり盛り盛りな曲を作ってますから。



──今回の『Opportunity』では、自分を完全に出し切ったようなところも?

mACKAz:出し切っちゃいましたね。

SASSY:結果、そうなりました。

MAAKIII:DracoVirgoが始まってからのこの2年半の歴史は、すべて出し切りましたね。

──だって『兎に角、ジェネシス!!!!! -DracoVirgo version-』では、リズムセクションの2人はやらかしまくりでしょ。ソロバトルとか掛け合いプレイもテンコ盛り。

mACKAz:そうそう(笑)。

SASSY:パッケージになったときにライブ感があるのが、そのDISC2のほうですね。ライブをやり倒してグルーヴを高めた状態で録ったので、DracoVirgoのリズム隊としてプレイ的な遊びも知った状態。なので、音数でめちゃめちゃ埋め尽くしてますね(笑)。

MAAKIII:歌のテイクはソロ音源のままなんですけど、全然違うグルーヴになって楽しめる曲も多いし。

──DISC1が最新のDracoVirgoの曲たちですよね。MAAKIII、歌がうまくなったね。

MAAKIII:ありがとうございます。その言葉を聴くと私も安心します(笑)。本当にコンプレックスだったというか、HIGH and MIGHTY COLORのときは自分の声が嫌いでたまらなかったです(笑)。歌は好きだけど、自分のせいで音楽が嫌いになりそうみたいな(笑)。自分の理想の歌はあったんですけど、音源リリースのスピード感と合わなかったから。

──2ヵ月に1枚シングルリリースとかね。

SASSY:そういう時代でしたよね(笑)。

MAAKIII:1年に2枚アルバム出したもんね。

mACKAz:出したね〜。

──脱退以降、自分の歌を磨くために続けていることなどもあるんですか?

MAAKIII:歌だけにフォーカスしたことはなくて。でも十分に休めたことが良かったんだと思います。HIGH and MIGHTY COLORの頃は、正しい歌い方も分からずにやっていたので、ノドをよく壊しまくっていたんです。そこからストンと休んで、自分のペースを取り戻すことができた。歌って、自分の心境や気持ちが全部出るものだと思うので。そういう意味ではちゃんと人間らしい日々を送れていたんだと思いますね。それに、歌が嫌いになっていない自分も嬉しかったです。また表現したいって気持ちが出てきましたから。それでこうやってDracoVirgoをできることも、すごく嬉しくて。

──それは楽しいでしょう?

MAAKIII:だからレコーディングも楽しくて。“あっ、レコーディングってこんなに楽しいものなんだ”って初めて知りました(笑)。あの頃は当時の必死感というか、ひたすら突き進むって感じが歌や曲にも出ていたと思うので、それはそれで良かったと思うんです。でも今はそれを経て、自分が感じてみたかった喜びとかそういう感情を、自分の大好きな音楽を通して改めて経験できているというか。

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