【ライブレポート】R指定、凍結「青春を1度お返しします」
暗がりの場内、ステージに再度登場した5人。先日発売されたニューシングル「遺書」より、リードトラックの「遺書」を演奏する。R指定にとって凍結前最後の新曲となるわけだが、これまで“メンヘラ”や“病み”といった、若者が抱える悩みへ全面的に共感した楽曲ではなく、究極のラブバラードに仕上がっていた。ステージ後方のスクリーンにはミュージックビデオが映し出される。そんな中での演奏だった。どこか切なく、それでいていつまでも聴いていたい。でも、次に生で聴けるのはいつになるのだろうか。色々と考えると聴いていて苦しくなってくる楽曲だ。それでも、下を向かずにステージを見据えて聴いている観客がほとんどだった。楽曲にちゃんと向き合う、それこそが生きる目的を与えてくれたR指定への恩義だと言うような感じで。
次の「青春」では、感極まって聴いている人の姿が目立った。タイトルのとおり、歌詞には青春という言葉が多く出てくる。ファンにとっての青春は、もちろんR指定だ。メンバーから指定女子という呼び名を付けられウキウキしたことも昨日のことのように覚えているはず。現状で居場所が無いと嘆いていてもライブハウスには居場所があっただろうし、カラーのセーラー服を着て周りから白い目で見られたとしても気にしなかったことだろう。いつでもどこでも無敵状態だったのではないか。そうやって、自分に自信を付けてくれたR指定は本当に青春の1ページだったに違いない。でも、そんな思い出がだんだん終わろうとしている。こうしたミディアムな楽曲を聴いているとつい感傷的になりがちだが、この後に「シンクロ」を持ってきたことで、場内には笑顔が生まれた。
「両国、アンコールありがとう! 呼べー! 呼べ、呼べ、呼べー!(メンバーの名前を次々に呼ぶ客席)楽しんでますか? アリーナ楽しんでますか? 1階スタンド楽しんでますか? 2階スタンド楽しんでますか? 悔しいか?(メンバーの名前を呼ぶ客席)えっとね、他のメンバーは後で喋らせるから大丈夫。お兄ちゃんに任せて下さい。とりあえずアンコールありがとう、拍手。いやーすごいですね、人がゴミのようで。人がゴミのようで「バルス」って感じなんですけど、47都道府県ツアーファイナル、両国国技館を迎えられて本当に嬉しく思います、ありがとう。R指定ね、10周年なんです。てか、お前ら気付いてた? 47のロゴがあるでしょ。それも十字架だし、これも(ステージ後方にある十字架のオブジェを差しながら)十字架なんですよ。これね、10周年を意味してるんですよ。もしかして、暗黒の世界へようこそな感じだと勘違いしてた? そういう系のバンドがしたいとかじゃなくて、10周年の十なんです。早いものでR指定も10周年を迎えられたということで、応援してくれた皆さんのおかげです、ありがとう。今日は色んな想いがあるでしょうが、とりあえず47ツアーをここ両国国技館で廻り切ったということで、メンバーさんどうでしょうか? フリートークしましょうか(マモ)」
「47ツアーはね、やっぱり始まるときはつらいというか、残りの本数を考えちゃうから。でも、終わると早いんですよね。岐阜のときとか何か寂しかったなぁって。セミファイナルのときとか、もう終わっちゃうんだなって。その生活が当たり前になっちゃってるから、それが突然終わるとなると寂しい気持ちもありますよね。でも、さっきも言ったんですけど、無事に帰ってこれたんで良かったです。僕、88ツアー(<R指定単独公演ツアー『日本八十八箇所巡礼』>)のときに色々あったんで、無事にここに立てていることがすごく嬉しいです、ありがとう(宏崇)」
「全然、フリートークじゃないね。今、完結したね(マモ)」
「ね。誰も(会話に)入ってきやせん(宏崇)」
「てか、俺アンコールの衣装、完全に間違えてさ。90年代ヴィジュアル系をイメージして、裸スーツ(素肌にジャケットを着用すること)にしてみたんだけど(マモ)」
「それこそ、暗黒の世界(宏崇)」
「(低音ボイスで)暗黒の世界へようこそ。いや、90年代ってこういう服装がヴィジュアル系で流行っていて、やりたいなって思ったんだけど、スタイリストさんから「一周回ってそれはK-POPの着方」 って言われて。逆に新しくなっちゃうっていう(笑)ただ、暑いね。47の衣装もフェルト生地で相当暑かったけど、アンコールにスーツ着てくるって、なかなかドMじゃない。まぁ、何かないですか?(マモ)」
「何か!? でも、色々あったよね。0本目から始まって、九州ではバーベキューしたり、酒飲みすぎてえらいことになったり。でも、高知の事件を上回る出来事はないかな(楓)」
「あれ、事件なの?(Z)」
「事件でしょ。だって、酔っぱらいすぎて(楓)」
「まぁ、それは今はいいじゃないですか(マモ)」
「お、おう……。でも、セミファイナル終わって今日までめちゃめちゃ長く感じたよね。でも、今日はこんなにたくさんの人が集まってくれてありがとうございます(楓)」
「七様どう?(マモ)」
「とりあえず、ただいま。今もそうなんやけど、47が俺、何かめちゃ楽しすぎて。人生のツアーの中で1番楽しかったです、ありがとうございます。え、そうじゃない? そうだと言ってくれ!(七星)」
「めっちゃ分かるよ(マモ)」
「R指定史上、絶対1番楽しかったよね(七星)」
「でも、最後の方、みんな楽屋で顔死んでたよね(マモ)」
「疲れが出てきたのかなぁ(笑)。まぁ、ロングツアーだから体の疲れは仕方ないよね。でも、心の疲れは皆さんのおかげで持ちましたよ、ありがとう(七星)」
「どう、武道館クラスのハコに立ってみて(マモ)」
「嬉しい。てか、武道館出禁じゃね、俺ら。今思い出した(七星)」
「だからこそ、両国国技館。ここ24時間テレビもやってたから、実質、武道館。(中略)たくさん思い出がある中で、今日はちょっとまとめてきました。実質、卒業式みたいなもんだから、卒業文集的な感じでまとめてきました。聞いて下さい。それじゃあ、ミュージックスターティン!(マモ)」
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