【インタビュー】太陽とシスコムーン、初のバンド編成で魅せた「20年前の夢の続き」
■涙ぐましい努力があったんです
──メイキング映像では、開催に向けた準備の様子も見ることができました。3人で、カラオケボックスで練習しているシーンもありましたね。
小湊:やっぱりハーモニー練習なんかはバンドさんの前でやると時間がいくらあっても足りなくなるので、先に出来ることはやっておこうと。その時に、何かに使うかもしれないなと思ってケータイで撮影しておいたんです。
信田:個人的に、コミ(小湊)と2人でも練習に行ってるんですよ。そこで録った音を持って帰って覚えました。ああいうのも見せてあげたいよね。
小湊:あとスマホのアプリの鍵盤で音を鳴らしながらコーラスの部分を私が歌って、その手元の鍵盤の部分をもう1台のスマホで撮って送るっていうこともやってました。そうすると、自分でも「ここか」って鍵盤を鳴らしながら練習出来るじゃないですか。その頃ちょうど新しいスマホを買ったばかりで、2台あって本当によかったよ(笑)。
信田:もう本当に、ありがとうございます!
小湊:3声分自分で録音して2人にそれぞれ送ってたんですが、そういうことすらワクワクしながらやっていました。大変だったとは思うけど、本番は絶対に良くなると思っていましたから。
信田:曲の順番も全部決めてくれたんですよ。
小湊:バンマスさんと相談しながらね。ひょっとしたら2人にも、演出的に「こうしたい」とか「ああしたい」とかあったかもしれないけど……。
信田:全くない!
稲葉:曲数だって限られていますし、やったことない曲がもうないから(笑)。それに前回のライブもこの3人で、人数も同じだからね。
小湊:こんな感じで私に任せてくれていたので、10年前のライブとかぶらないように色々考えました。1部と2部でも多少は変化を出したかったので、メドレーの部分を変えてみたりして。
──そのアコースティックバージョンのメドレーは、とても聴きごたえがありました。
稲葉:10年前はちょっとやったけど、実際に活動していた時はこういうのをやってなかったですからね。
小湊:パート分けをするんですけど、RuRuのパートをどうするかというのは、10年前に一度やったものをある程度用いてやることができました。
稲葉:前回は全曲やるっていうコンセプトだったから、イントロだけみたいな曲もあったけど……。
小湊:今回はメドレーであってもしっかり聴いてもらいたかったので、1コーラスずつ歌うことにしたんです。
──そういうことだったんですね。
小湊:あとは、自分がファンだったらその人の声をちょっとでも長く聴きたいなっていうのがあると思ったので、それぞれの曲のサビは、レコーディングされた音源とは違って誰か1人をメインにするっていう構成にしました。で、あとの2人は上下でハモる。それを3人順番にやったらいいなってことで提案したんです。有無を言わさず、大決定させましたけど(笑)。
信田:私は心の中で「ヒエェ〜……」と思ってました。
小湊:だから、コーラスの音源もしっかり作って送りました。責任がありますから。
▲小湊美和
──そういう準備段階の話を聞くと、正座して見なきゃなと思ってしまいます(笑)。
小湊:涙ぐましい努力があったんです。
──でもライブって、そんなふうにして出来上がっているんですね。
小湊:ひょっとしたら、これに関してはちょっと“重い”のかもしれないです。自分だけのライブだったら、もっと軽やかにやっていると思いますよ。でもこれは、乗っかっているものが大きいですから。つんく♂さんの思いも崩したくないですし。あのオーディションから始まった私達の”何か”みたいなものが、この20年後にもやれるっていうことは……。重くのしかかってきますよね。気軽には出来ない。
信田:でもあの頃は思わなかったよね。20年後にまたみんな一緒に歌ってるとは。解散したら解散。シスコムーンとしてまた歌うなんて、考えたことなかったんですよ。
稲葉:10年前にやった時も、じゃあ次の10年後にまたやろうとは思ってなかったしね。
信田:これでもう一切ないなんてふうには思わなかっただろうけど……。
稲葉:次があると思ってやってないからね。だから全力投球できるというか。その結果、「あれ?もうちょっと出来んじゃね?」みたいな(笑)。
信田:みんな健康だし(笑)。下手に約束とかしてたら……。
稲葉:そう、逆に出来てなかったかもしれない。
▲稲葉貴子
──でも信田さん、「次は私の還暦のタイミングだから」って約束されてましたよね。「ドレスコードは赤で」とか(笑)。
小湊:バレてたか(笑)。
稲葉:でもそれは絶対面白いよ。
信田:還暦だったら、もう座って歌ったって許されるよね。
──(一同爆笑)。
小湊:そう、だからもう今回の時点でそうじゃない。“頑張る”っていうのとは絶対違う。……違うんだけど、本当に楽しみたいと思ってやってるんだけど、結構ストイックなことやってるっていう。すごく矛盾してるのもわかってるんだけど、グループに対する思い入れもあるし、ここまで個人でもいろんなことやってきてるからこそね。欲張っちゃうというか。
──ちなみにこの太陽とシスコムーンは、いわゆる「青春」みたいな表現にも当てはまりますか?
信田:私の場合はずっと体操をやってきたんですが、体操って、気づいた時にはもうレールの上を走らされていて、その中で戦ってきたから、これがやりたいと思って始めたものではなかったんですね。健康のためでしたから、辞める理由もなく。だけど歌は、人生で初めて自分でやりたいと思って掴み取ったもの、夢を叶えたいと思って叶えたものなんです。そういう意味では青春だし、だからこそ重みも違うんですよね。
稲葉:やっぱり、今でもシスコムーンが好きなんだなって単純に思う。今回は3人だったけど、出来れば4人でね、また歌うことができたらより幸せだろうなって思うんです。シスコムーンで歌えることの幸せっていうのを毎回噛みしめているし、年を重ねながら毎回違う、その時のシスコムーンでいられている感じ?もちろんそれなりに頑張らなきゃいけないことはたくさんあったけど、自分達にあった見せ方が出来ていることも、すごく幸せだなって思いますよね。
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