【インタビュー】竹内アンナ、21歳とは思えない感性と才能で注目を集めるシンガーソングライター

ポスト

■作っている自分が楽しいと感じているかどうかが大事
■自分が楽しくないと楽しいと思ってもらえないはずだから


――さてここまではアンナさんの好きな音楽について伺ってきましたが、ご自身の作品に関してはいかがですか?いろんな音楽を幅広く聴いてきたけど、じゃあ自分は何を表現したいのか、どんなことを歌いたいのかなど、その辺りの話を聞かせてください。

竹内:基本的には自分が良いと思うものをまず自分の中にインプットして、言葉の使い方やメロディーの乗せ方、コード進行などを自分なりに消化してアウトプットするんですが、その時に大事にしているのは、作っている自分が楽しいと感じているかどうかです。まず自分が楽しくないと、みんなもきっと楽しいとかいいなって思ってもらえないはずだから。そこはすごく大事にしています。でもその楽しいと思える感覚っていうのは、曲調とかではないんです。メジャーとかマイナーとかじゃなくて、聴いた先に救いがあるかどうかみたいな。私は根がかなりポジティブな方なので、ただ落ち込むような曲を書くんじゃなくて、落ち込んでもいいんだけど、その先には前向きなキーワードがあるような曲を書きたいと思っています。サウンド面でも、だんだん上昇していくような雰囲気を作ったり。そういうところが、自分らしさを作っているものかなと思います。

――なるほど、そういう気持ちがベースにあるんですね。

竹内:音楽は自分にとってお守りとかおまじないみたいなものなので、自分が作る音楽も、そういうものになっていくといいなと思っています。あとは、シンガーソングライターという枠に囚われすぎない。これも大事なことだと思っています。最初から「これは無理なんじゃないか」って決めつけるのではなく、シンガーソングライターだけどアコギと打ち込みでも曲を作るし、ライブの時はギター1本に拘らず手元のルーパーだって使う。自分自身が枠に囚われないようにして曲を作ることを心がけてきましたね。

――その感覚は、これまで発表された3枚のEPでもしっかり貫かれていますね。

竹内:ありがとうございます。あの3枚は、それぞれその時に自分がインプットしていたものを鮮度の良い状態でアウトプットしたものになっていると思います。『at ONE」には、中学生の時に初めて作った「Ordinary days」という曲も入っているので、今までの竹内アンナみたいな一面もあるかなと思うんですが、『at TWO』はより今の自分というか、今やりたいものを詰め込んだ感があります。『at THREE』は、さらにその先で自分の可能性が広がればいいなと思いながら作っていきました。


――アンナさんの楽曲って、カラオケで歌いたいなとかカバーしてみたいなと思っている人もたくさんいると思うんです。

竹内:嬉しい!ぜひ歌ってみてほしいです。

――でも、聴くのと歌うのでは全然違うなと感じるものも結構あるなと思いました。『at TWO』に収録されている「ペチュニアの花」なんて、絶対に弾けないし歌えないなと(笑)。

竹内:あ、あの曲に関しては、実は簡単にはカバーさせないぞって思いながら作りました(笑)。

――やっぱり(笑)。

竹内:もちろんどんどん歌ってほしいし、カバーとかもしてくれたらめちゃくちゃ嬉しいんですよ(笑)。でも自分自身やっぱりギターが大好きでずっと続けてきたから、ギターのコード感にはめちゃくちゃこだわりを持って作り続けているんです。シンプルこそが良い場合もありますが、やっぱりギターに重点を置いているものは、そういうところにも注目してもらえたら嬉しいなと思います。

――同じく『at TWO』には「TOKYO NITE」という曲もありますが、アンナさんは5歳までロサンゼルスで暮らして現在は京都在住。あの歌詞を書いた頃と今と、東京という街に対する気持ちに変化はありますか?

竹内:あの曲は、初めて東京に来た時のことを思い出しながら書きました。普段京都に住んでいるので、東京にはものすごい憧れがあったんです。キラキラしているし、全部が集まっているし、私が住んでいる京都の田舎にはないものがたくさんあるから憧れの対象のひとつだったんです。でも実際に来てみると、人は多いし、怖いし付いていけないって思ってしまって。しかも来てみたはいいけど、来たから何かが変わるわけじゃないっていうことも思い知らされました。もちろん良い部分もたくさんあるんですが、なんだか現実を見せられたというか(笑)。今は大学も実家も京都なのでお仕事がある週末などに東京へ来ているんですが、すごく充実しています。学校も音楽も、自分がやりたいと思ってやっていることなので。

――素晴らしいです。

竹内:卒業後はおそらく東京に住むことになると思うんですが、1人で東京に出てきたからこそ書ける歌もきっとあるだろうなと思います。それはすごく楽しみなところですね。

――そういえば、今こうしてお話ししているアンナさんは関西弁じゃないですね。

竹内:東京でお仕事している時なんかは出ないですね。でもテンションが上がった時や、電車に乗っている時は関西弁が出ちゃいます(笑)。

――電車に乗っている時に?

竹内:なんかちょっと、わざと出しちゃうっていうか(笑)。関西人のプライドが変なとこで出ちゃうんです(笑)。友達と乗っている時は「なんでやねん!」みたいなことを結構大きな声で言ったりしています(笑)。

――それって意外と”あるある”かもしれないですね(笑)。でもそんな東京には、すでに音楽を一緒に作る先輩や仲間がたくさんいるわけで。堂島孝平with竹内アンナとして11月に発表した「やや群青」も素晴らしかったです。

竹内:ありがとうございます。誰かの曲に参加させていただくのは初めてだったのでお話しいただいた時はすごく嬉しかったし、「こういう可能性もあるんだ!」っていうことを堂島さんから教わりました。そもそもすごくいい曲でしたから、ご一緒させていただいてすごく幸せでした。

――今後もいろんな可能性が広がっていくといいですね。

竹内:はい。今後はもっと勉強して、他の楽器もそうですし、アレンジなんかも手掛けられるようになりたいと思っています。また、大学では音楽とは別のことを学んでいるんですが、それも自分にとってすごくいい刺激になっていて。雅-MIYAVI-さんがUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使をされていますが、将来自分もあんな風に影響力のある人間になって、そういう支援活動にも携わりたいという夢も持っています。

――アンナさんの将来がどんな風に広がっていくのか、本当に楽しみになってきました。楽しみといえば、現在フルアルバムを制作中だそうですね。

竹内:基本的には私がざっくりしたデモトラックを作って雰囲気を伝え、サウンドプロデューサーの名村さんとやり取りをしながら作っています。これまで発表した3枚のEPは、芯の部分は一貫しつつもサウンド面ではバラエティに富んでいるので、そこからの楽曲も楽しんでいただきながら、新しい一面もしっかりと感じてもらえる作品になっていくと思います。このアルバムで初めて聴いてくださる方にも、今まで聴いてくださっていた方にも、「竹内アンナが伝えたいメッセージ、竹内アンナがやりたい音楽ってこういうことなんだね!」っていうのがわかりやすく伝わる、そんな1枚になればなと思っています。

――制作もきっとすごく楽しいんでしょうね。

竹内:そうなんです!あれも入れたいこれも入れたいって思いますし、作っている最中に「あ、でもこういう曲も作りたい」っていう新しいアイデアが浮かんできたりもするんですよ。自分が本当に良いと思ったもの、楽しいと思いながら作っているものばかりなので、自信を持ってお届けできると思っています。アルバムがリリースされたらいろんなところでライブもやりたいと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください。

取材・文●山田邦子



リリース情報

「B.M.B」
2019.11.27 release

ライブ・イベント情報

<Styles Vol’4>
2019/12/14(土) 日本橋CITAN
ソロ形態で出演します
【出演者】
SHE IS SUMMER (Acoustic Set) / 竹内アンナ

<FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2019>
2019/12/25(水) インテックス大阪
【出演者】
FM802弾き語り部 (松本大/LAMP IN TERREN and more...) / 竹内アンナ and more...

<BARIYOKA ROCK 2019>
2019/12/28(土) Zepp Fukuoka
ソロ形態で15:30~出演します
【出演者】
ポルカドットスティングレイ / Saucy Dog / 秋山黄色 / LAMP IN TERREN / 竹内アンナ / BLUE ENCOUNT [O.A] Mega Shinnosuke

<メッチャドスエダモンデ ~2020 新春~>
2020/01/19(日) 梅田Shangri-La
ソロ形態で出演します
【出演者】
竹内アンナ / 坂口有望 / 崎山蒼志

<HAPPY JACK 2020 ~Show Must Go On~>
2020/03/14(土) 熊本B.9 V1・V2 / Django / ぺいあのPLUS’
2020/03/15(日) 熊本B.9 V1・V2 / Django / ぺいあのPLUS’

<The Songbards × 竹内アンナ>
2020/04/10(金) 札幌 Crazy Monkey
【出演者】
The Songbards / 竹内アンナ

◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報