【インタビュー】OLDCODEX「ズバッと切り裂くような切れ味のいい曲にしたかった」

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■立ち止まったままでは次の一歩を踏み出せない
■自分の表現としてできるのは曲を書くことだけだと思った


──ミュージックビデオはこれまでと違う手法になっていますね。

Ta_2:そうですね。前から人形劇みたいにパペットを使った映像を作ってみたくてYORKE.にも「いつかやりたいんだよね」っていう話をしてたけど、「Take On Fever」なら合うんじゃないかなって。今回のMVは新しい監督さんと組むタイミングでもあったので、ディスカッションしながら絵コンテと物語を考えてもらって、監督のアイディアと自分が考えていたことにほぼズレがなくて、YORKE.の入れたいエッセンスを加えていったり。「こんなこともできるんだ」ってビックリしました。

──どんな部分で驚いたんですか?

Ta_2:監督が「人間が入ってパラパラマンガみたいにできるんですよ」って撮影したものを映像に出力して作業していたりとか。初回盤のDVDでも言ってるんだけど、「これは人間を使ったアニメーションだね」って。例えば俺のアップの顔が2,000枚ぐらいコピー機で刷り出されていて、アニメーターがやっていることと同じだったりして、このミュージックビデオはOLDCODEXがやる意味があるなって。それと6thアルバム「LADDERLESS」の表題曲「Follow the Graph」との連続性も出したかったから出演するのは俺とYORKE.の2人だけにしたかったんです。

──それでバックメンバーはパペットになっているんですね。

Ta_2:そう。

YORKE.:僕は何も考えずにスタジオに行って、現場でひらめいたものを形にしたところもあったけど、基本は台本通りかな。監督に「そこに寝て」って言われて紙に埋められて「動かないで」って指示されたりとか、監督の頭の中にあるYORKE.になりきった感じだった。現場に漂っている空気感に「この監督はやばいなぁ」と思ったから素材の1つになろうって。僕がコラージュが得意なことも知っていて、うまく引き出してくれたし、いいミュージックビデオになったよね。Ta_2は最近、OLDCODEXは2人なんだっていうことを強く打ち出しているけど、それも間違ってはいないと思うし、監督次第でこんなに視点が変わるんだなと思った撮影でもあった。


▲「Take On Fever」【初回限定盤】


▲「Take On Fever」【通常盤】

──ジャケットの通常盤は2人の写真で構成されていますが、これも初の試みですよね。

YORKE.:これはTa_2が「写真で行きたい」っていうアイディアから。鏡に映る2人を撮るっていうカメラマンのアイディアが面白かったよ。写真を使ったパッケージのデザインは難しかったですけどね。

Ta_2:2人が映っている写真をちゃんとアートに持っていかないと意味がないと思っていたから熟考した上で決めました。YORKE.の絵やライブでのキャンバスのように写真もアートとして捉えられたらいいなって。

──アートロックを掲げているOLDCODEXとしてね。カップリングの「Nasty」は新鮮でした。シャッフルナンバーでゴシックな要素が盛り込まれつつ男っぽい曲に仕上がっている。

Ta_2:2人だからこそできることをもっと提示していきたいと思ったときに新しいビートを取り入れてみたくて、シャッフルはやったことなかったけど面白そうだなと。アレンジャーの小山くんと「ああしたい、こうしたい」ってやりとりしながらメロディで遊びたかった曲。生音を増やしたくてバスドラのケースを叩いたり、サウンドが思った以上に骨太になったのも嬉しかった。

──コーラスも面白いし。

Ta_2:遊び心がふんだんに詰め込まれてますね。OLDCODEXらしさも新しさもある。

YORKE.:歌詞は日本語をがっつりハメたらカッコいいなっていうところからスタートしたかな。

──「Nasty」ってどういうニュアンスでつけたんですか? ちょっと、やるせない感じが漂っていますけど。

YORKE.:ウダウダしているっていうか、鬱々とした感じをルーティーンなビートに乗せたたらいいんじゃないかと思ってつけたタイトルですね。「なんか、うまくいかねーな」とか「今日は晴れるって言ってたのにな」みたいな感情を男は大げさに捉えるというか、ある意味、ロマンティストなんだろうね。うまくいかないことを何かのせいにしたり。この主人公は自分のモヤっとした感情を自分でもよくわかっていないんですよね。昔の僕もこうだったのかもしれないってちょっと俯瞰で書いている歌詞。

──「Nasty」から繊細なアルペジオのイントロで始まる「painting of sorrow 」に移行する流れが泣けます。

Ta_2:「painting of sorrow 」に関しては自分の中で吐き出さずにはいられなかった曲ですね。ここで解消しないと立ち止まったままで次の一歩を踏み出せないなって。自分の表現としてできるのは曲を書くことだけだと思ったので、いまの感情を手紙みたいにしてメロディに乗せようと思って作った曲。そういう話をYORKE.にも伝えて。

YORKE.:僕は対象のひとりに向けて、ストレートな想いを言葉に乗せました。例えどんなに悲しいことがあったとしてもペインティングに変えていくよっていう。きっと聴いている人にも大切なものを失うことや悲しいことがあると思うし、そういうときに寄り添う曲になればって。だからこそエモーショナルに歌うんじゃなくて淡々とさせたほうがいいんじゃないかっていう話をして完成させた曲。もしかしたら僕らみたいに年を重ねたほうが響く曲かもしれないけれど、「ちょっと切ない曲だな」って聴いてもらってもいいし、“既読がいつまでも付かずに”とか恋愛にも当てはめて聴けるんじゃないかと思う。

──3曲なのに感情が忙しいというか、揺さぶられます。

Ta_2:(笑)忙しいって面白いね。そんな3曲かもしれない。

──ツアーはまだ続いていきますが、2020年はどんな1年にしたいと思っていますか?

Ta_2:知らない内に自分たちで作っていた柵みたいなものがあったけど、そこを超えて10年目に入ってからは、いろんな所へ行けたらいいなと思うし、そういうことを毎日考えている。あとは、よりライブを楽しんでいきたいですね。今回のツアーで俺はいろいろなものを受け取っている気がするから、2020年の4月から始まるツアー<OLDCODEX Tour 2020>にどう繋がっていくかも楽しみにしています。

YORKE.:いまやっていることに全力で立ち向かっているから、どこまで見せられるのかどこに辿り着くのかが個人的な目標でもあり、先のことはまだわからないけれど、表現を見せることが自分の仕事だし、夢見てライブに来てくれる人がまだたくさんいるから、それ以上のものを返していきたいですね。

取材・文●山本弘子

リリース情報

17th Single「Take On Fever」
2019.11.20リリース
【初回限定盤】
LACM-34945 / \1,800+tax
【通常盤】
LACM-14945 / \1,300+tax
[CD]
01.Take On Fever
02.Nasty
03.painting of sorrow
[DVD]
01.Take On Fever (Music Video)
02.Making of“Take On Fever”Music Video

ライブ・イベント情報

<OLDCODEX “LADDERLESS” Tour 2019・2020>
「OLDCODEX Tour 2019」
11.30(土)【香川】高松festhalle
12.1(日)【広島】広島BLUE LIVE
12.14(土)【神奈川】横浜BayHall
12.15(日)【神奈川】横浜BayHall

「OLDCODEX Tour 2020 」
4.25(土)【北海道】Zepp Sapporo
5.8(金)【 東京】Zepp DiverCityTokyo
5.9(土)【東京】Zepp DiverCityTokyo
5.23(土)【大阪】Zepp Osaka Bayside
5.24(日)【大阪】Zepp Osaka Bayside
5.30(土)【福岡】Zepp Fukuoka
6.3(水)【愛知】Zepp Nagoya

「MUCC Presents  Trigger In The Box 」
2019.12.28(土)@国立代々木競技場第一体育館

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