【インタビュー】17歳の早熟な歌姫・琴音が生み出す心の歌
■自己満足ですけど、大事なこと
──カップリング2曲についても聞きます。2曲目「ラブレター」は、琴音ちゃんのライブバンドのメンバーでもある神谷洵平さんのユニット「赤い靴」のプロデュース。
琴音:この曲は、歌い方をすごく考えた気がしますね。全体的に、情景を描くような曲なので。作った方々とお話ししてる中で、雰囲気を大事に歌うというか、そんな感じがいいんだなと思って、歌い方も2パターン考えついて、どっちがいいですか?とか言ったりして。「琴音ちゃんの好きなようでいいよ」って言われて、難しかったですけど、自分はけっこう気に入ってます。
──確かに、すごく雰囲気ある。スローで、幻想的というか。
琴音:これを歌ってると、お客さんが寝だすかもしれない(笑)。
──あはは。アルファ波が出る感じ。
琴音:それはそれでいいですよね。「寝てる人いる、よっしゃ!」みたいな(笑)。
──それは相当な技術ですよ。ちなみに、その2パターンってどんな感じ?
琴音:全部裏声みたいなやつと、裏声と地声と両方あるのと、どっちがいいでしょう?ということなって。一応両方歌ってみたんですけど、作り手側の方たちに、「作ってる時は地声が多い感じで考えてたんだけど」みたいなことを言われて「あ、そうなんだ」って。結局、裏声と地声と両方ある感じで歌って、こうなりました。でも雰囲気はやっぱり大事にしましたけどね。ふわーってなってる感じというか。
──歌詞もすごく優しい、純粋なラブソング。
琴音:かわいらしい感じで、良いなと思います。
──提供曲って勉強になるでしょう。自分の中にはないものだから。
琴音:そうですね。ずっと思ってることですけど、自分が作った曲との対比で、バラエティ性があったり、違う雰囲気があったりするので。お客さんは楽しんでくださるんじゃないかと思います。その人の世界観があるのが面白いなと思っていて、いいかなと思います。
▲琴音/「白く塗りつぶせ」
──そしてもう1曲。これも石崎光氏と共作の「まだ見ぬ今日が 未知なる明日が」。これはかなり激しめのロックチューン。
琴音:自分が「ロックしたいんです」と言ったら、そのテイストでアレンジしてくださいました。
──ロック、流行ってるのかな? 自分内で。
琴音:その時、椎名林檎さんの「どん底まで」という曲を聴いてて、「ロックってかっこいい」と思って。ロックテイストな曲を作れたら面白いなと思って、アレンジをこんな感じにしていただきました。
──間違いなく、今までで一番ロックで、アッパーな曲。すごく新鮮だった。
琴音:「やりたいことやってるぜ!」みたいな感じがあって、楽しかったですね。この曲はドラマとか関係ないんで、自分の表現がすごく大きかったし、アレンジも、最初に石崎さんから送られてきたものが全然ロックじゃなくて、ポップな感じだったんで。「ロックな感じがいいんですけど」と言って、そしたら本当にロックな感じになって、鳴り出しからキュイーン!ってなってるじゃないですか。「うわー、いいなあ」と思いました。
──歌詞は、今の自分のこと?
琴音:これは自分だと思います。
──不安とか不穏というワードを使って、未知なる未来を表現してる。
琴音:あまり表に出すタイプではないですけど、内側では感情の浮き沈みが激しかったりとか。そもそも、そんなにポジティブな性格ではないので、一人になった時とか、しょうもないことで落ち込んだりするんで。誰かしらであり自分も鼓舞するような歌詞になったらいいかなと思って書きました。
──それでも怖がらずに未来へ向かおうという。これも琴音ちゃん流の応援歌だと思います。
琴音:そうですね。「まだ見ぬ今日が 未知なる明日が」という題名は、自分が個人でやっていた時の先輩アーティストで、素敵だなと思っているバンドさんの、すごく好きな曲があるんですけど、実はその題名をもじってるところがあって。たぶん本人たちも気づかないと思うんですけど。自分の歴史というか、尊敬してる人たちの痕跡を小出しにしてる感じがあります。
──おお。そうなんだ。
琴音:このCDの初回限定盤(DISC2「Acoustic Studio Sessions 2019.8.24」)にも、個人でやっていた時にすごく尊敬していたアーティストさんのカバーをさせていただいていたり(吉井ミキ「夢の中」)。リスペクトしている人たちを追っているような感じに、勝手にしてるんですけど。
──それ大事なことかも。
琴音:実は今もリスペクトしてます、という事実を残しておくことは、自己満足ですけど、大事なことだと思ってます。
──タイアップあり、提供曲あり、新境地のロックあり。新しい面が見えるシングルになりました。どんな人に、どんなふうに届くといいですか。
琴音:全体的に、応援歌とか、提供曲は心が穏やかになるような感じですし、落ち込んだ時とかに聴いていただきたいですね。
──まさに、今の琴音ちゃんの年齢のように。将来に向けて、岐路に立つ時期にはぴったりだと思います。そしてこのあとは、ライブ?
琴音:はい。11月から12月にかけて2度目の全国ツアーがあります。会場の数が増えて、東京も追加公演があったりして。福岡、宮城は初めてツアーでお伺いします。
──どんなツアーにしたいですか。抱負をひとこと。
琴音:全体的なイメージは、「白く塗りつぶせ」みたいな打ち込みテイストのサウンドと、初回限定盤に入っているようなアコースティックサウンドを両方お届けできるといいなと思います。私自身、アコースティックも好きですし、打ち込みっぽい曲も思いついたりするので、いろんなことをやってるバラエティに富んだ感じを楽しんでいただけると嬉しいなと思います。
──前回も言いましたけど、琴音ちゃんは、今考えてることが曲に出るので。曲を聴けばわかるというか。
琴音:なんだかんだ、そうなってますね(笑)。
──来春、高校を卒業したら、どうなるんだろう。突然ウキウキする曲ができたりして(笑)。
琴音:逆に、めっちゃへこんでるじゃん、とか(笑)。一人暮らしすることになったら、自炊もしなきゃだし。
──そしたら、また来ますね。どんなふうに変化したのかを確かめに。
琴音:はい。お待ちしてます。
取材・文◎宮本英夫
2nd Single「白く塗りつぶせ」
■初回限定盤(2CD)
¥1,800(+税) / VIZL-1661
■通常盤(CD)
¥1,300(+税) / VICL-37503
[CD]
1. 白く塗りつぶせ ※テレビ東京系ドラマBiz『ハル 〜総合商社の女〜』オープニングテーマ
2. ラブレター
3. まだ見ぬ今日が 未知なる明日が
[初回限定盤収録CD]
「Acoustic Studio Sessions 2019.8.24」
1. 願い
2. 今日は君の日
3. 夢物語
4. 夢の中
5. ここにいること
<2nd note TOUR 2019 -白く塗りつぶせ->
11月23日(土・祝)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
11月30日(土)新潟・NIIGATA LOTS
12月1日(日)宮城・HooK SENDAI
12月7日(土)大阪・Music Club JANUS
12月8日(日)福岡・ROOMS
12月21日(土)東京・Veats SHIBUYA
[追加公演]
12月28日(土)東京・Veats SHIBUYA
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