【インタビュー】WANIMA、2ndアルバム発売「音楽で伝えたいし、音楽で答え合わせしたい」
■ 今まで出してなかったWANIMAがいます
── 曲ごとに色合いがハッキリとしていますよね。練り上げ方も以前とは違った考えが働いていたんですか?
KENTA:そうですね。僕たち3人のなかでは、スタジオやバンド練習の合間でやってきたことなんですけど、みんなにまだこういう曲を届けられていなかったよねってものもありました。それで幅広くなって、でも曲ごとにハッキリしていた。3人が楽しみながら、グッと来るポイントも探しながら音楽できたので、このアルバムではいろんなWANIMAに触れていただけると思います。もちろん今までのWANIMAも入ってます。「JOY」ではドーンと速かったりとか。でも曲が進むと、今まで出してなかったWANIMAがいます。
── 「BOUNCE」では、引き算のアレンジも印象的で、一歩踏み込んだと感じました。
KENTA:一息ついて、なにも考えずに自分を許せるような曲を創れたらいいなと思っていた時期で。僕も「BOUNCE」ができたときには、次に進める、一皮むけるって気がしたので、創った僕自身もすごく嬉しかったです。その晩はちょっと奮発しちゃいましたね(笑)。<Everybody!! TOUR >や<1CHANCE NIGHT TOUR 2018→2019>をやっていたなかで、こんな曲があったらいいなって思っていたんです。そういう曲のひとつが「BOUNCE」だった。ずっと抱いていたイメージを形にできた嬉しさがあります。
── あとエロ格好いい曲の「Baby Sniper」では、今までWANIMAにはないロカビリー要素を詰め込んでますね。しかもKO-SHINクンがグレッチを使ったと思われるギター・ソロが、これまたいかす。
KENTA:気づいてもらって嬉しいです。もちろんレコーディングではグレッチを使…。
KO-SHIN:…いました。
FUJI:KO-SHINクンが言わないかんセリフだけん反応してくれてよかった(笑)。
KENTA:ギリギリやけどね。グレッチ、レコーディングに間に合って良かったです。
KO-SHIN:この「Baby Sniper」のためにグレッチを買いました。
KENTA:このインタビューを読んでる方は、多分、“グレッチ”と“ロカビリー”を検索されていると思います。僕はロカビリーってのがなんなのか詳しく分からないですけど、大きいギターっていうんですか、箱モノのギターでジャンジャン弾くような曲をWANIMAがやったらどうなるかな、みたいなのがありました。
── ロカビリーが分からないって、そこを敢えて狙った曲ではなかったんですか!?
FUJI:耳にしたことはあるんですけど、そんなに深くは。
KENTA:取材でロカビリーだねとか、ジャジーだねとか言われて、ああ、そうなんだって感じです。歌詞の飛んでくるワードとかで、ちょっと妖しい感じを出したかったので、こういう曲にしていきました。この曲では、でっかいベース…なんて言うんでしたっけ?
FUJI:ウッドベース?
KENTA:そう。ウッドベースを弾かずに、ステージ袖に置いときたいですね、ライブでは。とりあえず雰囲気モンってことで(笑)。でも創っていて気持ちよかったです。
FUJI:ロカビリーがよく分からないのに、一から創り上げた結果がこうなりました。
KENTA:最近すごく親戚が増えた(笑)。先祖にアコーディオンを弾いていたおじさんがいたらしい。松本家の先祖に、町でも有名なアコーディオン奏者が。増えた親戚から「あの人に似たんじゃないか」って言われとったんです。もしかしたら、そのおじさんから派生したところに、ロカビリーのおじさんがいたかもわからんですね。
FUJI:まずアコーディオン奏者が先祖にいないと思う、おそらく。
── つまり、あなた、嘘を言いましたね(笑)。
KENTA:いやいや、ほんとに親戚がそう言ってた。だから僕の世代で出せてよかったですね。ロカビリーおじさんの素養を。
── (笑)。この「Baby Sniper」にしろ、続く「渚の泡沫」にしろ、昔からWANIMAが持っているエロ格好いい部分も詞に落とし込んでいて、すごく安心もしました。バンドが大きくなればなるほど出しづらくもなりそうなのに、WANIMAは変わることなく、ちゃんといるなって。
KENTA:テレビとかではやれない曲はあるんですけど、ライブでは変わらずにやってますからね。アルバムには1曲、こういうのを入れているので。そういうところではこれからも変わらんです。
FUJI:好きなようにやらせて頂いてます。
KENTA:だから逆にテレビとか観たり、三ツ矢サイダーのCMで「夏のどこかへ」を聴いたり、ワンピースの主題歌の「GONG」とか聴いた方が、エッチな曲を聴いたら「エッ!?」とかなりそうじゃないですか。「WANIMAってイメージ・チェンジしたの?」って。いやいや、でも僕らは昔からエッチな曲も歌っとるし、君たちが生まれる前からエッチだったんだよって(笑)。色んな所が膨らんで来ただろ?って。そこは書かなくていいんですけど。
── いや、書くし(笑)。
KENTA:ずっとやっていることも、ちゃんとやってますよっていう。変にブレているわけじゃないっていうことです。それでも15曲、すごいバリエーションだと思います。
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