<Reborn-Art Festival>櫻井和寿、宮本浩次ら共演のOPコンサートをWOWOWオンエア
総合芸術祭<Reborn-Art Festival 2019>にて行われたオープニングコンサート<転がる、詩>の模様が、10月26日(土)にWOWOWで放送される。放送を前にレポートが到着したのでお届けしよう。
◆<転がる、詩>ライブ写真
▲小林武史
2年ぶりに、8月3日から9月29日にかけて開催された総合芸術祭<Reborn-Art Festival 2019>。そのオープニングを飾るスペシャルな音楽ライブが、石巻市総合体育館で開催された。イベントの仕掛け人であるReborn-Art Festival実行委員長 / 音楽プロデューサー・小林武史に、縁の深い豪華アーティストが想いを歌に乗せて届けた。
オープニングでは、小林がカジュアルな姿で登場。「暑い中、お越しいただきありがとうございます。すごいライブです、本当に!」と挨拶。続いて、開催をサポートする自治体の長である知事と市長も登壇し、開演が告げられた。
▲青葉市子
にわかに、ドヴォルザーク原曲で「遠き山に日は落ちて」で知られるノスタルジックなナンバーを歌う、繊細なアカペラが聴こえてきた。それは、トップバッターを任された青葉市子の歌声だった。アンビエンシーなサウンドに乗せ、エアリーなヴォイスで「かなしいゆめをみたら」や「レースのむこう」などを歌唱。大きなスクリーンに映し出された、宇宙の映像と美しいコラボレーションを描いていた。
▲Salyu
続いて、小林に招き入れられたのはSalyuだった。彼女がそこに立つだけで、凛とした空気に包まれたような気がするから不思議だ。「回復する傷」を透明感あふれる歌声で届け、「HALFWAY」では徐々に内なるエネルギーの高まりを感じさせる歌声が、会場の観客の胸深くにまで響いたに違いない。
▲宮本浩次
小林が、「この辺からすごいアツいエネルギーを持ったアーティストが登場します」と紹介したのは宮本浩次だ。ギターをかき鳴らしながら「孤独な旅人」で会場の熱をさらに高め、「いろいろあるけどやってやろう」と呼びかけて「風に吹かれて」で観客を鼓舞した宮本。2001年に小林とニューヨークレコーディングしたエピソードを交えて、届けられた「普通の日々」のメッセージは会場の隅々にまで届いただろう。最後は人気の高いナンバー「今宵の月のように」で、観客と一体になった宮本。飾り気がなく飄々としていながら、煮えたぎるようなアツさも持ち合わせる彼らしい圧巻のステージングだった。
▲櫻井和寿
オープニングライブもいよいよ佳境となり、小林が「最後は、この人!」と招き入れたのはもちろん櫻井和寿。大歓声の中、ステージに歩み出た櫻井は小林の奏でる清らかなピアノの旋律に導かれるように、「ねえ くるみ…」と歌いかけ、ライブは再び動き始めた。
歌い終えると、満面の笑みを浮かべながら「この場所で、この距離感で歌えてすごく嬉しい。自然と心が歌にこもります」と語った櫻井。地方の体育館ににわかに設えられたライブ会場は、音響設備も完璧でないだろうし派手な演出もできない。だが、そこにこそが小林の届けたい音楽の本質があるのだろう。「派手な演出ではなく、歌が、そして日本人としての言葉が届くライブにしようと小林さんと話し合った」と櫻井も話していたように。
この日のセットリストは、櫻井が小林とともに選んだのだという。折々に、“生きる”とは何かという命題に真摯に向き合い、それを音楽にして届けてきた櫻井。そんなライブへの溢れる想いを語るMCでは、まるで旧知の友と話をするように、自らの想いを伝えていたのが印象的だった。
親密な空気に包まれる中、歌われた「ラララ」。解放感と温かみに溢れた「ロードムービー」で観客の背中を押し、甘酸っぱい「花の匂い」では誰かを思うことの素晴らしさを歌に乗せた。小林が弾き始めたイントロで歓声が沸いた「Tomorrow never knows」は、会場に居た全ての人に捧げた歌だったに違いない。
感動も冷めやらぬまま、アンコールで再登壇した小林。Salyuと櫻井も、再び招き入れられると、割れんばかりの拍手が起こった。この日、ライブが繰り広げられる間に映し出されていた映像は、アーティストがその場で描いていたものだと小林が打ち明けた。このような新しい才能、新しい表現を見出し、発信することもまた、このライブの大きな意義となっている。
▲櫻井和寿、Salyu
アンコールの最初に演奏された「MESSAGE -メッセージ-」は、18年に6年ぶりの開催となった「ap bank fes」で披露されたもの。言葉少ない小林が、「この歌をここで披露できることは、とってもうれしい」と喜びを隠せないほど、特別な想いを込めた楽曲だ。その意思を受け取った櫻井とSalyuの、真心が詰まった歌に会場は皆聴き入っていた。
「to U」もまた、そこに込められた想いを歌声に乗せるように力強く、それでいて温かく歌い上げた2人。カーテンコールで、出演者が手を取り合って礼をするときの輝くような笑顔が、このオープニングライブの成功を何よりも物語っていた。小林という俊才を軸に集うきら星たちが魅せた光は、東北の夜を美しく照らしたに違いない。
唯一無二の存在感を放つ豪華アーティストの共演は華やかで、それだけで見ごたえがある。そればかりか、最初から最後まで伝えたい“想い”がひしひしと伝わってくる。地域とのつながりや総合芸術を随所に取り込みながら、手作りの温もりが感じられるライブはあまり例がないのではないだろうか。そんな希少で貴重な音楽体験を、ぜひじっくりと堪能してほしいものだ。
写真:沼田孝彦、NAKANO Yukihide、Takehiro Goto
■WOWOW『Reborn-Art Festival 2019 オープニングライブ「転がる、詩」』
*放送楽曲については未定です。
【関連番組】
速報!Reborn-Art Festival 2019
10/19(土)よる10:25 *無料放送!
10/25(金)よる8:00 *無料放送!
Reborn-Art Festival 2019 オペラ「四次元の賢治 -完結編-」
10/25(金)よる8:30
【番組サイト】
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