【インタビュー】島キクジロウ、パンクロッカーがなぜ弁護士に?「相手が国だろうが大企業だろうが戦える」

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■いい歌をうたって
■いい裁判するためにやってる

──では、いまの音楽シーンについては、どう見ていらっしゃいます?

島:「コイツら、しっかりしてるな」って思った若い連中が、気づいたら若者じゃなくなってた(笑)。BRAHMANのTOSHI-LOWやASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤くんとは以前から一緒に話する機会があって、「オマエらみたいな若い連中が引っぱっていかなきゃいけないんだよ」って言ったら、「俺たち、もう40歳ですよ」って言われたり(笑)。

──とはいえ、世代を超えた繋がりですね。

島:原発のことを発信している連中とは繫がりがありますね。BRAHMANは前から好きだったからイベントに出てもらったりしてるし、ハイスタ(Hi-STANDARD)の連中とかELLEGARDENの細美武士、佐藤タイジもそう。

──みなさん、震災復興やエネルギー問題に対して目を背けない方々です。

島:あとは、同世代だと甲本ヒロトはTHE BLUE HEARTS時代から話も合うし、お互いクラッシュが大好きだから、今も飲んだら5時間くらいクラッシュの話してるとかね。ヒロトはTHE HIGH-LOWS以降、社会的メッセージを発信しないじゃないですか。たまにそういう話もするんだけど「当たり前に考えてることなら、当たり前に歌うのって普通じゃん」って僕が言うと、「俺にとってロックンロールは手段じゃなくて目的だから。いいロックンロールをやりたくて、そのために生命賭けてるんだ」って。実際、ザ・クロマニヨンズのライブ見たら文句つけようがないぐらい最高だしね。

──ちなみに、島キクジロウ&NO NUKES RIGHTSは現在、全国ツアー中で各地を細かく廻られていますが、どうやって弁護士の仕事と両立されているんですか?

島:いや、はっきり言って死にそうですけどね(笑)。ただ、PC持っていけば東京を離れてもある程度の仕事はできるし、部下の弁護士もいるからそんな弊害なくやれてます。ライブをやってないと自分がいまどこにいて、どこに向かってるのかわからなくなるんですよ。常に成長したいと思ってるから。毎朝、筋トレして走ってるんだけど、それはいい歌をうたって、いい裁判するためにやってる。

──最後に島さんにとってロックとは?

島:月並みだけど、愛のあるもの。ジョン・レノン曰く、チャック・ベリーってロックンロールで最初に社会的な歌詞を書いた人なんだけど、そのジョンは労働者階級に向けて発信した曲を歌った。ローリング・ストーンズもストリートで闘う人たちに目を向け、生まれの卑しい人々に乾杯した。視点に愛があるってことだよね。

取材・文◎山本弘子




■アルバム『KNOW YOUR RIGHTS』

2019年9月4日発売 SDR-3004
Swingin' Dog Records
01. Dance to the 9
02. Dance to the 13
03. No Nuke Justice (Dance to the 14)
04. Dance to the 21
05. Fuckin’Wonderful World
06. アル・バンナの夢
07. Knockin’on the Next Door
08. ジュゴンの丘より
09. おそうじオジサン
10. Sunday
11. まだ見ぬ自由へ (Dance to the 97) - prologue -

■<島キクジロウ&NO NUKES RIGHTS 2ndAlbum『KNOW YOUR RIGHTS』Tour>

08月23日(金) 札幌 Bar STINGRAY
08月24日(土) “とまロック” 北海道岩内町 岩内港 旧フエリー埠頭 緑地公園
08月25日(日) 小樽 cru-z
09月07日(土) 高松 スタジオ・ナッシュビル
09月08日(日) 徳島 ホットロッド
09月21日(土) 高知 リバー
09月22日(日) 松山 星空ジェット
09月23日(月) 神戸 ハッピーローラ
09月29日(日) 藤枝 ココペリ
09月30日(月) 名古屋 K.D ハポン
10月11日(金) 渋谷 GLAD ※レコ発ワンマン
10月13日(日) 梅田 ハードレイン
10月14日(月) 岡山 BUDDHA
11月08日(金) 郡山 フォーク酒場6575
11月09日(土) 仙台 Bar TAKE
11月23日(土) 京都 音まかす
11月24日(日) 津 タワーズ


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