【インタビュー】breakin' holiday、サバの味噌煮と最高のアルバム
DELUHI、12012、アンドで活躍してきたメンバーが揃い、前身バンドZERO MIND INFINITYを経て2018年に始動したbreakin' holiday。
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今回BARKSが主催する<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>の東京、名古屋、大阪の3公演に出演することが決定している。ツアーへの参加を記念し、現在絶賛制作中だというニューアルバムについてインタビューを行った。
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──前身バンドのZERO MIND INFINITYを経て、昨年1月、新たにbreakin' holidayとしての活動がスタートしたわけですが、どんな変化がありましたか?
Aggy(B):サウンドは以前よりソリッドになったと思います。余分なものがそぎ落とされて、さらに濃くなったというか。
Aggy:Juriのボーカルだっていうのが一発でわかりますよね。
KAJI(Dr):しかも彼は、このところ絶対的に上手くなっているんですよ。まだまだ伸びしろがあると思います。
Juri(Vo):僕も最近、自分が成長できたなって感じたキッカケがあったんです。
──それはどんなキッカケだったんですか?
Juri:DELUHIからZERO MIND INFINITYの活動を経験して感じてきたことはたくさんあって。例えば、自分がライブを見た時の衝動を大切にして、いろんなことを発見してきたいなとか。まさにそれを感じたのが、8月7日に開催された<渋谷が大変 2019>っていうイベントだったんです。そこでたくさん他のバンドさんを見る機会があって、気になってたバンドさんも見れたし、自分にないものを持っている人もたくさん発見できたことがすごく面白かったんです。
──今も自身にないものを貪欲に吸収しているんですね。
酒井洋明(G):そもそもJuriって、器用なんですよ。僕もいろんなボーカリストを見てきたけど、こんな器用な人いないんじゃないかと思う。言ったことはすぐに出来るし。それに加えて、今Juriは何かひとつ掴みかけてる時期だと思うんです。そこが今まさに制作中のアルバムやライブを通じて見つかれば、ウチらももっとすごいバンドになるんじゃないかなって感じてます。
──そのアルバムなんですが、制作前にイメージは固まっていたんですか?
Aggy:“こういうアルバムにしようか”っていうテーマは特にないかな。僕の勝手な体感なんですけど、僕は歌詞を書くとき、“Juriだったらこういう感じで歌うんだろうな”っていう前提で考えることが多いんです。でも、実際に歌録りしていくと曲がひとり歩きしていくような気がするんですよ。
──つまり、イメージに沿って作っていっても、それを上回ったものが完成していくと?
Aggy:そういう感覚ですね。だから、思った通りに制作が進むという感じではないんですよ、いい意味で。
酒井洋明:先行リリースワンマンは、自分達を追い込むためっていうのもありますね。breakin' holidayって音源先行ではなく、ライブ先行で楽曲を披露しているんですよ。つまりお客さんの多くが曲をあまり知らずにライブに来てくれているってことだから、そろそろちゃんと音源にしてあげたいっていう思いもあって。待たせた分、中途半端な作品にはしたくないから頑張って制作しています!
──でもライブで披露しているということは、既に仕上がっている楽曲も多いのでは?
酒井洋明:いや、既にライブで聴かせているだけに、音源ではそれ以上のものにしないとと思うんです。
Aggy:まぁ、ライブでよくやっているし、一発録りでレコーディングするのもカッコいいと思いますけど、僕はライブとCDって全然違うものだと思っているんですよ。だから、ライブと同じ物を作るつもりはないです。
KAJI:それと、歌詞の問題もね。
──歌詞?
KAJI:ライブではJuriがアドリブで歌っているんですよ。それが器用だなって思うところでもあるんです。それをいざきちんと歌詞にしようと思うと、Aggyが書いた詞とJuriくんが歌って気持ちいい言葉ってやっぱり違いが出ちゃって。そこをどうつなげるかっていう作業が大切なんです。
Juri:そこはやっぱり時間がかかりますね。
KAJI:この部分の声の伸びはよかったけど、ブレスの位置は前の方がよかったね、じゃあもう1回録ろうか……っていうのを延々とやっています。
──かなり妥協ナシの作業なんですね。さすがのこだわりです。アルバムには激しい曲以外にもバラードが収録されていて、この振り幅もいいなと思いました。
KAJI:「ICE」ですね。
──そうです! こういうテンポの曲もアリなんだと。意外な要素が入ってくるのは、各メンバーが持つ音楽的なバックグラウンドの違いが影響しているのかもしれないですね。皆さん、好きな音楽はバラバラなんですか?
KAJI:俺は何でも聴きますよ。演歌からクラシックまで(笑)。
Aggy:俺もいろいろ聞くけど、演歌は聴かない(笑)。最近はラヴァーズロックとか聴いてるかな。
酒井洋明:breakin' holidayってメタル色が強いと思われがちだけど、俺自身はメタルがあまり好きじゃないんですよ。むしろUK寄りのロックが好きで。とはいえ単純に音楽が大好きなんで、このバンドでメタルっぽいサウンドをやらせてもらっているのはすごく楽しいです。原曲もバリバリのメタルで上がってくるんですが、それも新鮮だし、アレンジするのも楽しいです。
Juri:自分が音楽にハマったキッカケはGLAYだったんです。でも、今のボーカルスタイルになったのは、DELUHI時代にリンキン・パークを知ってからだと思います。
Juri:いや〜。自分のボーカルスタイルはすごく神経質だと思います。
KAJI:そう! メッチャ神経質ですよ! ボーカル録りをする日に、俺がサバの味噌煮を食べてたら、彼がその匂いで歌えなくなっちゃって……。俺も「なんだよそれ」ってムッとしちゃって、逆ギレして帰りましたけどね(笑)。
Aggy:僕はそこに合流する予定だったんだけど、着いたらKAJIがいないんですよ(笑)。で、Juriに“どうした?”って言ったら“魚の匂いがダメで……”って。KAJIも3回くらい謝ったらしいんだけど、シカトされたんで怒って出たっていう流れだったらしいです。
Juri:レコーディングする時に魚の匂いがしたことは今まで一度もなかったんで(苦笑)。自分の中でテンパっちゃったんですよ。でもシカトしたわけじゃないですよ。僕自身はもう歌に集中してたんで、何か言われてるけど、落ち着かなきゃって焦ってたんです。
──あー、Juriさんのストイックさや真面目さが見えるエピソードですね。
KAJI:でも、そのあと歌録りしたらメッチャよかったんですよ。それが「ICE」です。
──そこに繋がる! さすがにあの曲に鯖は似合いませんね(笑)。ちなみに現時点(取材日:9月10日)でアルバムは何割ぐらいの完成度なんですか?
Aggy:6割ぐらいかな? でも、この先さらにハードルが上がる可能性もあるんですよ(苦笑)。
KAJI:夜、仕上がった時に聴いたらカッコよかったのに、翌朝聴いたらダメだったりとか、あるあるですよね……。
──とはいえ、アルバムタイトルはすでに『PALOMER KNOT』に決まってますよね。これはフックやルアーをラインに結びつける結び方で、釣り用語……だと思いますが。
KAJI:そうです。
酒井洋明:発案はKAJIくんなんですよ。
──KAJIさん、釣りをされるとか?
KAJI:いえ(笑)。リード曲の「怪物」の歌詞に着眼してみたんです。歌詞はAggyが書いていて、たぶん彼は広くみんなに受け取って欲しいっていう思いで書いたんでしょうけど、僕はバンドに当てはめて、結束っていうイメージが浮かんだんです。
──なるほど、そう受け止めることもできそうです。
KAJI:で、結束から紐を連想して、最強の結び方だと思って固結びの英訳を調べたらあまりピンとこなくて。それで他の結び方をいろいろ調べていたら、“PALOMER KNOT”という言葉が出てきたんです。Aggyは最初から“アルバムはbreakin' holiday”っていうタイトルにしたいってこだわってたんですよね。
Aggy:俺はかなり強く“breakin' holiday”にしたいって思ってたんですが、“PALOMER KNOT”という言葉を聞いてそれが揺らいだから、この言葉には何かあるのかなって感じましたね。
Aggy:このツアーは、もう単純に楽しくやろうと思ってます。最近は、あまり対バン相手がどうこうとか考えないようにしているんですよ。変な意味じゃなくね。その時の自分達の気持ちを大事にしたいっていうか。
KAJI:単純にステージに立ったら気持ちよくやれればいいよね。その武器が楽曲だと思うし、自分達には『PALOMER KNOT』という最強の武器がありますからね!
──そうですよね! 『PALOMER KNOT』の楽曲が聞けること、楽しみにしています。
酒井洋明:『PALOMER KNOT』については、ファンのみんなに“お待たせしました”って感じです。曲を知らない中、ライブに足を運んでくれたわけですからね。特にbreakin' holidayのファンって音楽が好きな子が多いし、いい恩返しができるアルバムになると思います。だから、楽しみにしていて欲しいですね。
Juri:これって、breakin' holidayにとって初のアルバムなんですよね。自分もまだボーカルスタイルは探り探りではあるんですが、そのもがいている感じも表現されていると思います。まだ成長段階ではありますけど、しっかり曲を聴いてライブに来てくれたら嬉しいです。
KAJI:お客さんからはよく“breakin' holidayってメタルだから”って言われるんですけど、実はもっと幅広い音楽をやっているつもりなんですよ。あと、“ドラムをもっと速く叩いて欲しい”って意見をもらったり。ただね、俺らってテクニック重視のバンドじゃないんです。もちろんJuriはメチャクチャ歌がうまいけど、楽器隊は危うさを持っていたいんでね。
Aggy:そうそう、上手い自分を見て欲しいっていうのは一切ないんですよ。そこはみんな一緒だと思います。
KAJI:ライブはライブ、音源は音源、それぞれ違う部分を楽しんで欲しいですね。
Aggy:前身バンド・ZERO MIND INFINITYの5人からbreakin' holidayとして4人になって、単純な足し算引き算でもなく、そぎ落としたうま味だけが詰まったアルバムになったんじゃないかな。例えるなら、麻婆豆腐や揚げ出し豆腐みたいに味をつけているわけじゃなくて、豆腐と醤油だけなのにメッチャいい醤油を使ってるから豆腐が美味しい、みたいな(笑)。
──豆腐と醤油! まさに素材の良さが光る、breakin' holidayっぽい例えです。
Aggy:職人っぽくやっていると思いますよ。そんな感じで最高のアルバムを作っているので、楽しみにしていてください!
取材・文◎海江敦士
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breakin' holidayが出演するBARKS主催イベントツアー<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>は、下記にてチケット発売中。
■チケット一般発売
8月10日(土)12:00〜各公演前日まで
名古屋公演:https://eplus.jp/sf/detail/3015650001-P0030001
大阪公演:https://eplus.jp/sf/detail/3011420001-P0030001
東京公演:https://eplus.jp/sf/detail/3011430001-P0030001
<千歌繚乱 1st LIVE TOUR 〜錦秋の候〜>
日時:2019年10月10日(木)開場 16:30 開演 17:00
出演:AXESSORY / 極東ロマンス / K / JILUKA / Develop One's Faculties / breakin’ holiday
会場:名古屋ell.FITS ALL
料金:【先行チケット】4,000円(整理番号A)【一般チケット】4,200円(整理番号B)【当日券】4,500円※ドリンク代別途
■大阪公演
日時:2019年10月11日(金)開場 16:30 開演 17:00
出演:AXESSORY / 極東ロマンス / K / JILUKA / Develop One's Faculties / breakin’ holiday
会場:大阪RUIDO
料金:【先行チケット】4,000円(整理番号A)【一般チケット】4,200円(整理番号B)【当日券】4,500円※ドリンク代別途
■東京公演
日時:2019年10月22日(火・祝)開場 15:30 開演 16:00
出演:AXESSORY / K / JILUKA / Develop One's Faculties/ defspiral / breakin’ holiday / THE MICRO HEAD 4N'S
会場:高田馬場AREA
料金:【先行チケット】4,200円(整理番号A) 【一般チケット】4,500円(整理番号B)【当日券】4,800円※ドリンク代別途
チケット一般発売
8月10日(土)12:00〜各公演前日まで
名古屋公演:https://eplus.jp/sf/detail/3015650001-P0030001
大阪公演:https://eplus.jp/sf/detail/3011420001-P0030001
東京公演:https://eplus.jp/sf/detail/3011430001-P0030001
主催:BARKS(ジャパンミュージックネットワーク株式会社)
制作:rivabook
<breakin’holiday presents breakin' party vol.2 ~KAJI Birthday~>
開場 : 18:30/ 開演 : 19:00
前売 : ¥3,240/ 当日 : ¥3,780/ DRINK :¥500
チケット発売中
受付URL:https://eplus.jp/sf/detail/3051810001-P0030001