【ライブレポート】B'z、<LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE->にメッセージ「新しい音楽の旅を」
「音楽的な新たな刺激を求めアルバム制作とツアーに入って、新しいB'zの音楽の旅を続けています」──2019年9月3日(火)、<B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE->幕張メッセ公演での本編最後の曲となった「兵、走る」を演奏する前に、稲葉浩志はそう語り、B'zの音楽の旅を共にするファンへの感謝と温かい声援に対する幸せを口にした。
◆B'z 画像
2018年にデビュー30周年という大きなアニバーサリーを終え、「次、何かな」と自らを問いただしたとき、B'zのふたりから出てきた答えは「まだまだ音楽的な刺激を求めている」というシンプルな思いだったという。枯れることのないロックの衝動に素直であろうとする松本孝弘と稲葉浩志は、完璧を期していたB'zのバンドメンバーを解体するという戻れぬ過去を以てして、情熱の行き先を未来だけに向けた。
時を同じくして『NEW LOVE』が誕生した。ワクワクするような生々しくピュアなロックアルバム『NEW LOVE』が中心に添えられたツアーであればこそ、<B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE->は整理整頓された高度な構築美ではなく、瞬発力と研ぎ澄まされた表現力でねじ伏せるような熱きアンサンブルが楽しめるものと多大な期待をもってライブ会場に身を運んでみたが、そこには思い描いていた音像を遥かに凌ぐ、野生のような脈動で会場を震わせる新しいB'zの音があった。
もちろんメンバーの再構成が直接的な要因ではあろうけれども、鉄壁なアンサンブルよりもその場のエモーションがグルーブを先導する原石のような情炎が、サポートメンバーや周りのスタッフに多大なる影響を与えたのは想像に難くない。作り込まれたFATのアンプ群ではなく、歴史をまとったいろんなアンプをステージ上に並べたかったという松本孝弘の心模様も、ロックの歴史と同調するようなネイキッドなスピリットを感じさせるものだ。
とにかくその音は、生々しく肉感的な唸りをあげるものだった。誤解を恐れずにいうならば、「呼吸で腰が動くバンドサウンド」で、縦に音が重なり合っていく理知的なアンサンブルではなく、メンバー自体をも動かされるような有機的なエネルギーが会場を支配していく。各メンバーの音パズルのピースが、心地よいサウンドスポットに次々とはまっていく感覚は、近年のB'zにはなかった新機軸だ。
ステージ上の仕掛けや約束事も最小限で、自由さに溢れるようなナチュラルなステージングは、スペクタクルなライブショーから、ピュアなロックライブへ変貌を遂げたかのようでもある。過去の作品…例えば「juice」などにおいても、テンポ感がまるで違い、爆走列車のような力強さとエネルギー感に溢れ、そこから生まれるコールアンドレスポンスも予測不能な生々しさが前面に押し出されていた。稲葉浩志から飛び出してきた「Achilles Last Stand(アキレス最後の戦い)」(レッド・ツェッペリン)のロバート・プラントばりのシャウトも、想定外のスポンティニアスなプレイに見えてくる。
躍動的なパフォーマンス、修練される前の原石のような荒々しさをも携えたロックの音…これまでの服を脱ぎ捨てて新たなスタートを切るという、ここからの成長と伸びしろで設計された全く新しいLIVE-GYMの誕生となっていた。
ロックでドライブする。そのピュアな精神性を妨げるものはなにもなかった。小さなライブハウスから巨大なスタジアムまで、B'zの表現エリアには制約もないだろう。「SICK」の最後では、タンバリンを頭上高くに放り投げた稲葉浩志だったが、それを無事にキャッチし安堵の笑顔をバンドメンバーに見せたその瞬間にも、バンド初期衝動そのものでステージを楽しんでいる無邪気さが顔を覗かせていた。ロックの礎と共にした30年を経てもなお、いつだって新人になれることを自然体のままに見せつけるという、胸を衝く2019年のLIVE-GYMだった。
「変わらぬ決意」「変化していく勇気」「色褪せぬ希望」「描き続ける夢」、そして「切磋琢磨の美学」…、LIVE-GYMから受け取れる多様なメッセージには、人の数だけ濃密な「LOVE」が息づいているようにみえた。
取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也
■<B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE->2019年9月3日(火)@幕張メッセ 幕張イベントホールSETLIST
02. MR. ARMOUR
03. WOLF
04. 俺よカルマを生きろ
05. トワニワカク
06. 今夜月の見える丘に
07. 有頂天
08. ultra soul
09. 恋鴉
10. ゴールデンルーキー
11. Rain & Dream
12. SICK
13. マジェスティック
14. 裸足の女神
15. きみとなら
16. RED
17. イチブトゼンブ
18. Still Alive
19. デウス
20. 兵、走る
encore
en1. juice
en2. さまよえる蒼い弾丸
■<B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE->ライブ・ビューイング
9月14日(土) 13:00開演
9月15日(日) 18:00開演
9月16日(月祝) 18:00開演
【会場】
全国の映画館 ※詳細はB'z公式HPにてご確認ください
【チケット】
4,800円(全席指定 / 税込)
※3歳未満のお客様は膝上鑑賞無料です(保護者1名に対し1名まで)が、座席が必要な場合はチケットをお買い求めください。
※3歳以上はチケットが必要となります。
※映画館でのツアーグッズのお取り扱いはございません。
▼一般発売・ディレイ上映 (先着販売)申込受付期間:9月11日(水)12:00~
■<B’z LIVE-GYM 2019>
6月09日(日) 鹿児島アリーナ
6月14日(金) 三重県営サンアリーナ
6月15日(土) 三重県営サンアリーナ
6月19日(水) 神戸ワールド記念ホール
6月20日(木) 神戸ワールド記念ホール
6月22日(土) 神戸ワールド記念ホール
6月23日(日) 神戸ワールド記念ホール
6月28日(金) サンドーム福井
6月29日(土) サンドーム福井
7月03日(水) 大阪城ホール
7月05日(金) 大阪城ホール
7月06日(土) 大阪城ホール
7月09日(火) 横浜アリーナ
7月10日(水) 横浜アリーナ
7月16日(火) Zepp Nagoya
7月18日(木) Zepp Nagoya
7月19日(金) Zepp Nagoya
7月26日(金) 愛媛県武道館
7月27日(土) 愛媛県武道館
7月30日(火) さいたまスーパーアリーナ
7月31日(水) さいたまスーパーアリーナ
8月03日(土) Zepp Fukuoka
8月04日(日) Zepp Fukuoka
8月08日(木) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
8月10日(土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
8月11日(日) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
8月24日(土) 高崎アリーナ
8月25日(日) 高崎アリーナ
8月30日(金) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
8月31日(土) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
9月03日(火) 幕張メッセ 幕張イベントホール
9月04日(水) 幕張メッセ 幕張イベントホール
9月07日(土) 広島グリーンアリーナ
9月08日(日) 広島グリーンアリーナ
9月10日(火) マリンメッセ福岡
▼新サポートメンバー
BRIAN TICHY(Drums) / YUKIHIDE “YT” TAKIYAMA(Guitar) / MOHINI DEY(Bass) / SAM POMANTI(Keyboard)
この記事の関連情報
B'z、朝ドラ『おむすび』主題歌「イルミネーション」のMV公開+キャンペーン始動
B'z、新曲「鞭」がABEMAドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』主題歌に決定「みなさんはどうでしょうか?」
松本孝弘と稲葉浩志、単独インタビューや最新ツアー映像など4ヵ月連続特番を10月より放送/配信
B'z、朝ドラ『おむすび』主題歌「イルミネーション」を10/7配信開始+オープニング映像公開
エピフォン、B'z松本孝弘の最新シグネチャー1955 Les Paul Standardが10/16に販売開始
B'z、NHK連続テレビ小説『おむすび』主題歌に新曲「イルミネーション」書き下ろし
松本孝弘サウンドが飛び出す「YAMAHA THR30II Wireless TAK MATSUMOTO」、8月に発売
B'z、ライブ映像作品『B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-』を4月リリース
B'zの松本孝弘と稲葉浩志、ソロツアーを2024年春開催