【対談】感覚ピエロ×夜の本気ダンス、「妖艶さはロックバンドとして大事な要素」
■ドラムがMCするバンドは意識しますね
■いかにお客さんに自分を下に見せるかで……
──今回、感覚ピエロが夜ダンを呼んだ理由を教えてもらえますか?
横山:このバンドとやったら絶対にいい夜になるだろう、というバンドが夜ダンなんですよ。
秋月:今回のツアーは全25ヵ所あって、一緒にやりたいバンドをリストアップしたときに、当たり前のように夜ダンは入ってましたからね。ウチのツアーが始まります、そこに夜ダンの名前がないのは逆にないんじゃないかな。だからスケジュール次第ですね。で、夜ダンの地元・京都で出てくれたのも嬉しくて。なので必然的というか。
──そういう言葉を受けて、夜ダン側はどうですか?
鈴鹿:僕らも対バンツアーのときに感エロの名前は必ず出ますし。ただ、よく名前が出るだけに、やり過ぎてもあかんなって。馴れ合いになってもちゃうし。名前は上がるけど、毎回呼ばないようにしてね。もっと成長した上で久しぶりにやる状態がお互いに一番バチバチできますから。
──過去に2マンは何度かあるみたいですが、関西で2マンをやるのは初なんですよね?
秋月:関西では初ですね。夜ダンのツアーで地方に呼んでもらったり、僕らのツアーで広島に夜ダンを呼んだことはあるんですけど。
マイケル:フェスとかで会うから久々な感じもないしね。
秋月:そう! フェスで会い過ぎてね。
──この2バンドの出会いはどこまで遡るんですか?
秋月:札幌のイベント<IMPACT!>(<FM NORTH WAVE & WESS presents IMPACT! VII>2015年3月18日(水)@札幌KRAPS HALL)だよね? 以前から面識はあったけど、ウチと夜ダンの対バンはそれが初やと思います。
鈴鹿:そのときもそんなに喋ってないけどな。
秋月:僕らも当時、尖ってましたからね。喋りたいし仲良くなりたいけど、“何なん?”みたいな空気は漂わせていたと思う(笑)。
鈴鹿:チャラかったやん? 「O・P・P・A・I」って歌ってる時点でチャラいねん! で、ホントに何かちょっとチャラかった。
秋月:チャラいしか言うてないやん(笑)!
マイケル:感覚ピエロの人気が急上昇してたから、こっちも警戒してたしな。
秋月:僕らが一番調子に乗っていた頃だったんで。調子に乗っていたというか、良くも悪くも先輩後輩関係なく、全員食ったるから!という空気感を出してたんで。今はそれがなくなったわけじゃないけど、その頃はすごく反骨心がありましたね。
──急速に2バンドの距離が縮まったきっかけは?
秋月:ぶっちゃけ、仲良くなったのはツアーに呼んでもらったときかな。
鈴鹿:広島ではそんなに話してない。
滝口:いや、広島の打ち上げのときにスターウォーズの話ですげえ盛り上がって。
鈴鹿:ああそうか! みんながジェダイやとわかった瞬間に(笑)。
秋月:西さんはそのときいなかったですよね?
西田:その日に祖父が亡くなったんで。
秋月:ズバーンと言うなあ(苦笑)。あの日に僕らと夜ダンのメンバーでゆっくり話して。僕らのツアーの広島公演に出てもらって、打ち上げでたくさん話したという。朝まで行くような勢いでしたもんね、スタッフが「ぼちぼち出るよ!」って。それがなかったら、朝まで飲んでましたね。
鈴鹿:健太さんがおしぼりで男性のシンボルを作ったりしてね(笑)。それがめちゃくちゃ上手くて、普通に机に置いてあったから。「それどうやって作るんですか?」って聞いて(笑)。
マイケル:それもあって、みんなで仲良くなったしな。
鈴鹿:連絡を取り合って、飲みに行くこともあったし。
秋月:あった! ウチも珍しくメンバー全体が夜ダンとは仲は良いですね。
──バンド同士の波長が合うんですね。
米田:飲みに行ったりもできるしね。要所要所で2マンをやっているくらい、お互いにリスペクトしているし。
米田:具体的に言うと、感覚ピエロのライブを長尺で観ると、やっぱりカッコいいんですよ。表現したいものが音から感じ取れるし、それに感動しますからね。あと、バンドとお客さんのコミュニケーションもええなと思う。
秋月:嬉しいですねえ。
横山:夜ダンはお客さんとの一体感がいつも凄くて。MCもそうだけど、息付く暇もないんですよ。誰一人置き去りにせず、みんなが楽しめる空間を作っている。それは簡単なことじゃないし、メンバーそれぞれのキャラもありますからね。
米田:それは僕らも逆に思いますね。
秋月:夜ダンの前々回のツアーに呼んでもらったときに、フェスでは絶対に味わえないものを観られた気がして。メンバー全員のキャラ立ちがはっきりしているし、ああ、やっぱりこの4人で夜ダンやなって。長尺のライブになると、そのバンドの深いところまで観られますからね。2マンに惹かれるのも、そういう理由ですね。夜ダンは何よりお客さんを一番大事にして楽しませようとする。その根本にある目線が一緒な気がするんですよ。お客さんが僕らと夜ダンの2マンを観て、楽しいと感じてもらえるのはそういうところなのかなと。やろうとしているニュアンスが似ているのかなと。
鈴鹿:僕は個人的に、ドラムがMCするバンドは意識しますね。MCはお客さんの緊張をほぐす役割もあるし、感覚ピエロもそこから曲に入る流れとかはさすがやなと思います。
マイケル:ウチの鈴鹿はMCを大事にしてますからね。曲を知らない人でもMCで心が動いて、それからライブに入れる人もいるから。
鈴鹿:いかにお客さんに自分を下に見せるかで……お客さんが上になったときに会場の緊張はほぐれますからね。
秋月:カッコええなあ。鈴鹿兄やんのMCにはマジで惚れたところもあるんですよ。
鈴鹿:ドラムに惚れろや!
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