【ライブレポート】吉川晃司、ポリープ乗り越え歌手活動再開「笑顔の再会をありがとう!」

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吉川晃司による<KIKKAWA KOJI 35th Anniversary Live>日本武道館2daysの初日公演が2月1日に開催された。オフィシャルから届いたレポートを掲載する。

◆吉川晃司 ライブ画像

吉川がステージに立つのは昨年2018年1月20、21日の武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ以来、約1年ぶりである。35年にわたり限界に挑み続けてきた吉川は、喉のポリープの影響もあり、メンテナンスの期間が必要だった。音楽活動をしばし休止し、その間に『下町ロケット』『黒書院の六兵衛』など俳優活動を行いながら体調を整え、日々の鍛錬を経てのぞんだこの日、吉川は圧倒的な歌声とダイナミックなパフォーマンスを披露した。デビュー35年を観客とともに盛大に祝い、完全な復活と音楽活動の新たなる始まりを高らかに宣言するステージを展開した。



デビューシングル「モニカ」がリリースされたのは、35年前の1984年2月1日。節目の日を祝うのにふさわしく、初期のシングル曲、代表曲が並ぶスペシャルな構成となり、会場内は熱狂と感動の渦に包まれた。オープニングからいきなりクライマックスに突入、通常は本編のラスト近辺に位置する曲「Juicy Jungle」からライブがスタートしたのだ。客席から喜びと驚きのどよめきがあがったのも無理はない。吉川が華麗なステップを踏みながら歌い、銀テープが舞い、たくさんのリストバンドが光り、観客もともに歌い踊るカラフルな祝祭空間が出現した。さらにライブでいつも大盛り上がりとなる代表曲が繰り出され、ハンドクラップ、シンガロングが起こった。また序盤で早くもシンバルキックが炸裂し、豪華なスタート・ダッシュとなった。喉も体も良好だ。

「みなさん、笑顔の再会をありがとう! 超満員に集まっていただいて、感謝、感激、エトセトラ……」との挨拶もあった。「モニカ」「LA VIE EN ROSE」など、初期のシングル曲もたくさん演奏されたが、懐かしさよりも新鮮さが上回っていたのは、80年代のテイストを活かしながらも、今の時代の息吹きをミックスして、エネルギッシュな歌と演奏を展開していたからだろう。吉川がギターを手にしての「スティングレイ」ではソリッドかつ重厚なバンドサウンドのもとで、強靱な歌声を披露。ホッピー神山のキーボードの調べに続いてアカペラで始まり、ピアノと対話するように歌われたのは1stアルバム『パラシュートが落ちた夏』収録曲の「I'm in blue」。柔らかさ、軽やかさ、ニュアンスの豊かさを兼ね備えた歌声か染みる。人間としての成長がそのまま歌にも反映され、深みのある歌声を響かせた。

ここ数年かけて築き上げてきたバンドサウンドにも新風が吹き込んだ。生形真一(G)、ウエノコウジ(B)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)というお馴染みのメンバーに加えて、新たに70年代からソロ、バンド、プロデューサーなど、多方面で活動している土屋昌巳がギタリストとして参加したのだ。

「声は聴いていただいたとおり、治りました。ポリープさんはいなくなりまして。ざまあみやがれ」との言葉にはたくさんの拍手が起こった。手術することなく、消滅してしまったとのこと。休養充分の声帯から発せられる歌声はパワフルで伸びやか、かつ艶やかだった。

切れ味抜群のソリッドな歌と重心の低い演奏がズシッと響いてきたのは「SAMURAI ROCK」だ。ハンドマイクで下手へ、上手へと走りながら歌われた「モニカ」は35年の節目の日に歌われることによって、さらなる特別なパワーが宿り、コール&レスポンスもひときわ大きくなった。“武道館の夜だぜ”“アニバーサリーの夜だぜ”というフレーズが加わって、武道館内が一体となってシンガロングした「恋をとめないで」からは怒濤の流れ。吉川がギターを弾いていて左手が攣ってしまう場面もあったが、全身をフル稼働させてパフォーマンスをする吉川らしいアクシデントでもあった。本編ラストでは、愛と闘志が詰まった歌声をダイレクトに届けた。



「往生際が悪く、これからも歌っていきたいと思います。失敗を恐れず、新しいことをやって、挑んでいきたいなと思っています」と挨拶。さらに「オリンピックまで応援の意を込めて、そして自分を鼓舞する歌でもあります」との言葉に続き、水球日本代表Poseidon Japan公式応援ソング「Over The Rainbow」が演奏された。自分自身を鼓舞することが、結果的に会場内の全員を鼓舞することに繋がっていく── 多くの人々の胸に炎を灯していくような真摯な歌声だ。アンコールラストは「SPEED」。この曲の“なぜこんなに渇いているんだろう”というフレーズと、朝日新聞に掲載された35周年の全面広告の“ずっと渇いていた。”というキャッチがリンク。35年、吉川がここまで走り続けてくることが出来たのは、現状に満足することなく、新たなる挑戦を続けてきたからだろう。そして、ここまで歌い続けてくることが出来たのはそこにステージがあるから、そしてそのステージを見つめるたくさんのまなざしがあるからだろう。観客への愛と感謝とが詰まった歌声が武道館内に響き渡り、最後はシンバルキックでのフィニッシュとなった。

冒頭でスタート・ダッシュと表現したが、そのスピードのまま、ラストまで駆け抜けていくような渾身のステージとなった。5月から9月8日の幕張メッセ国際展示場まで、全国ツアーは続いていく。楽曲制作も本格化していく予定だ。ステージに戻ってきた吉川晃司は36年目に向けて、鮮やかなスタートを切った。

また、吉川晃司35周年を記念して、シンバルキック、腹筋、料理、泳ぐ姿など、いろんな吉川晃司をGIF化。漫画家ナカタニD.氏描き下ろしによるGIFアニメーションと吉川晃司のステージアクションGIFが2月1日(金)よりフリー配信中だ。

ライブ写真撮影◎平野タカシ
編集◎BARKS

■GIFアニメーション詳細

https://wmg.jp/kikkawa/news/82916/

GIFMAGAZINE:
https://bit.ly/2sUYYKM

GIPHY:
https://giphy.com/channel/kikkawa

ナカタニD.(漫画家)
「少年ジャンプ」でデビュー。吉川晃司ファンクラブ会報誌では「K2伝説」を連載し人気企画に。また、コンサートグッズ制作に参加した事もある。
今回のGIFアニメはナカタニD.氏描き下ろしの新作。主な作品:リバーシブルマン、リバーシブルマン、百合子のひとりめし、上司と部下の職場系心理学、お聞くさん等

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