来日25周年を迎えたニック・ザ・レコードが紡ぐ珠玉のオールナイト・セット

ニック・ザ・レコードは、93年に日本のウェアハウス・パーティの先駆けである＜Lifeforce＞に初来日して以来、90年代UKクラブカルチャー“レイヴ”の真髄と、ディスコを礎にした現行クラブカルチャーの進化を僕らと共有してきた。

＜TAICOCLUB＞のような野外ステージに舞うブリージンなカリビアン・ディスコや、煙たい地下の匂いが漂うべニューで体感したコズミックなレフトフィールド、それともハウス愛に包まれたベースラインに揺れるあの子の腰つき。全てはまだ若くトランスキッズだった僕らが、それと同様の恍惚を見出し、傾倒していったニック・ザ・レコードという現象の一端だ。

その現象は、今日まで25年という長い年月、流動的な日本のシーンに鎮座し、そのユースカルチャーの激流に研磨されながら輝きを増し続けている。彼のセットが僕らを育んだように、僕らが彼のセットを育み、彼のopen to lastのプレイを最も理解しているフロアがここに在ると感じる。DJとクラウド、互いの信頼関係こそが、明け方のカタルシスの開放に必要だ。さあ25年目のニック・ザ・レコードを体験しよう。


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