高校3年生のダンスシンガー・Meik、2018年ラストワンマン
高校3年生の女性ダンスシンガー、Meikが12月21日に渋谷Club Asiaにてワンマンライブ<Christmas LIVE ~Make a Wonderful Day~>を開催した。
◆ライブ画像
本公演は、年内最後のライブで、5カ月振りとなるワンマンライブだ。客電が落ちSEに乗せて男女4人のダンサーが登場し、オーディエンスをダンスで煽りまくる。早くもステージと一体になったファンがハンドクラップでMeikの登場を待ち受ける。
シュガーヒルギャングがサンプリングされたファンキーなSEにも、毎回オープニングを大事にしているというMeikのセンスが光る。そしてSEから綺麗に繋がる形で、ステージではなく客席サイドの階段からMeikが登場。ライブは「パーティーガールズ」で幕を開け、「今夜はメイク・ミー・ラヴ・ユー」と続く。80'sディスコファンクのエッセンスをしっかり吸収したMeikの楽曲が、グルーヴ全開の歌声とダンスパフォーマンスで会場をクラブ状態にしていく。
ダンサーを巧みに使い、ライブ用にアレンジした楽曲にダンスパートを効果的に挟み込む。振り付け構成は全てMeikが行っている。Meikはキッズダンサー時代から既に注目を集める存在で、幼少期からアーティストのミュージックビデオや大規模ツアーにダンサーとして帯同していたというキャリアを持つ。その経験は、現在の表現者としての基盤になっているのであろう。この日もキッズ時代からMeikのファンだという女子中学生、高校生の姿も多く見られた。
続く「Let’s Go」はEDMの高揚感とMeikの熱いヴォーカルで更に会場はヒートアップ。そして最新作「Make Cheer」から「Boom Boom Baby〜愛はまだわからない〜」。この曲もライブアレンジされ、ダンサーとMeikの圧巻のダンスパフォーマンスを魅せ、前半から圧倒的なエネルギーで飛ばしていく。
MCを挟み、ここでゲストミュージシャンの2人を呼び込む。まず、Meikの作品の多くでギターとして参加している元Λucifer(リュシフェル)加藤大祐。彼はジェジュンのツアーでバンドマスターも務める音楽コンポーザーで、Meikが信頼を寄せるギタリストだ。そしてヒューマンビートボクサーHIRONA。彼も多くのタイトルを獲得するビートボクサーとして知られている。
2人を迎えて、まずは挨拶代わりの「ジングルベル」を披露。クリスマスらしい温かな空気に、Meikが高校生らしいキュートな笑顔を見せる。続いてデビューミニアルバムから「Ktori」をアコースティックで披露。この曲はMeikが想いを馳せるマイケル・ジャクソンへの憧れをベースに、グループ時代を経てMeikがソロシンガーへと歩き出す時の心の動きが素直に歌われている。
そしてMeikがピアノを奏でながら歌うバラード「Shining Star」も。苦しみから立ち上がる自身の経験をせつなく、暖かく、感情豊かに歌うこの曲。Meikの弾き語りバージョンは、今回初披露となり、、オーディエンスの中には感動の涙をこぼす人もいた。新たな一面をサラリと魅せるMeikは、常にファンの想像の先にいるのかもしれない。
一転して、HIRONAのビートボックスに合わせてダンサー4名が登場し、圧巻のダンスパフォーマンスを披露する。キレのあるパフォーマンスで会場を沸かせると、再びMeikが登場し「恋するハート・ショット –Make Cheer EDIT-」でダンサブルなライブが展開される。
続いてサイケデリックなプリンスのナンバーを効果的にSEで使い「有機体」へ。この曲はMeikの楽曲の中でも異彩を放つ人気曲で、会場の空気を一気に変えてしまう。そしてここでもう一人のゲストが登場。Meikのデビューミニアルバムにプロデュースでも参加した、ベルリンで結成されたダンスミュージックユニット・APOTHEKEのヴォーカルShingoだ。
Shingoはミニアルバムのリード曲「LOVE 〜愛はディスコ〜」でMeikのfeat.ヴォーカルとして共演し、美しいファルセットで強烈なインパクトを放った。ShingoとMeikのデビューライブ以来1年半振りとなる東京での共演。これにはファンも大喜び。さらにAPOTHEKEのオリジナル曲「Dancin’」もデュエットし、「2人のソウルフルな歌をもっと楽しみたい!」そう思わせてくれた。
いよいよライブ後半戦。DJダイノジの大谷からの提案で実現したブラックビスケッツのカバー「Timing」。ダイノジがミュージックビデオにも出演し、今年は静岡で行われた<マグロックフェス>のメインステージでMeikとDJダイノジが共演も果たした話題の曲である。
Meikバージョンは原曲よりもファンキーさを増しているが、当時のままの振り付けで会場一体となって踊り盛り上がる。Meikが原曲のイメージを上手くアップデートした、素晴らしいカバーだった。そこから畳み掛けるように「In Da World」で迫力のヴォーカルとダンスパフォーマンスを魅せつけた。
そして本編ラストとなった「Just Move Your Soul」。プロフェットの音色が印象的な80'sフレーバー溢れるこの曲をエモーショナルに歌いあげ、シャウトするMeik。「どん底で未来信じてる、そこがボクのいいところ」という歌詞が、突き刺さる。
アンコールでは、2ndミニアルバムのリード曲「Feeling Good」も披露された。Meikの楽曲の中でも特に爽やかで夏の青空が似合うポップな楽曲だ。ベトナムの人気ビーチリゾート地・ダナンのオフィシャル観光テーマ曲に選ばれた曲でもある。爽やかでポジティブ、嬉しくて何故か涙が出てきそうな、そんな感動的な空気が会場を包み込んでいた。
そしてラストにMeikのテーマ曲とも言える「Let It Spin」を披露。激しいビート、爆発するような歌とシャウト、迫力のダンス、全てにMeikの魂のメッセージが込められている圧巻のパフォーマンス。この一曲でMeikというアーティストが持つエネルギーが全て伝わったかのような爆発力だった。
最後にこの日のライブを支えてくれたダンサー、ゲストミュージシャンを招き入れ全員が勢ぞろいし、いつも応援してくれるファンに感謝の気持ちをマイクをオフにして伝え、Meikは2018年のワンマンライブを締めくくった。“Make a Wonderful Day”というライブタイトル通りの、最高の1日になった。なお、3月にシングルをリリースするという嬉しい発表もあったので、2019年の活動も楽しみに待ちたい。
写真◎nonfixcreative 上野宏幸
◆Meik オフィシャルサイト