【ライブレポート/インタビュー】澤野弘之、初の上海単独公演で描いた色鮮やかなる音世界

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上海のファンを熱狂させたライブを終えたばかりの澤野弘之をバックステージでキャッチ。初の海外公演への想いや、この日のステージの感想、さらに将来の海外活動に関する考えを語ってもらった。

■新鮮に感じる景色があると、テンションが高まるし
■またライブをやろうって気持ちになります

――ステージに立つ前、上海でのライブに対してどういう想いを持っていましたか?

澤野:ファンの人がいるというお話は聞いていましたけど、実際にやるまでは、お客さんがどういう反応をするのか正直わからないところがありました。でも、ライブが始まった時の歓声を聞いた時に、初めて自分の音楽を聴いてくれている方たちがここに集まってくれているんだなって思って。そして、何よりも上海の方たちが温かくて、ライブをやっていて本当に楽しかったです。

――今回のライブを経て、上海という土地は、澤野さんにとって重要な場所になりましたね。

澤野:そうですね。ライブとは関係ないのですが、上海の近未来感のある街に惹かれました。『ブレードランナー』とか『攻殻機動隊』のようなサイバーな感じがしたんですよ。車で移動している間にビルとかを見ていて、テンションが上がっているのを実感して。自分って、ああいうものに興味があって、すごく刺激を受けるんでしょうね。だから、よく考えてみると、東京の景色も好きなんですよね。上海はもっと奇抜なデザインのビルもあって、日本の都市とも少し違っていて面白いなって思いました。中国は華やかな色合いを使うイメージもあって、そのあたりのセンスも面白いですね。

――今回のライブ会場もリニューアルされたばかりでモダンな感じでしたよね。クラシックコンサートホールというのも独特でしたし。

澤野:そうですね。ステージの後ろにもお客さんがいるのは初めての経験でしたし、どこを見てもお客さんがいるのはすごく新鮮でした。いろんな意味でやりやすく楽しかったです。

――個人的には、鮮やかな照明も印象的でした。

澤野:今回は、日本でも僕のライブを手がけてくれているいつものチームが来てくれたので、日本でやっている形のまま見せてくれたのだと思います。ただ、演奏をしていて、いつもとは違う色の感じはしていましたね。

――今回、思い出深かった曲は?

澤野:TielleさんとGemieさんに普段歌ってもらっていないサウンドトラックの曲を歌ってもらったりしたので、その辺の反応がどうなるかな?って思っていたんです。でも、よい反応があってありがたかったですね。

――確かに「ninelie」の時の歓声は大きかったですね。

澤野:「ninelie」はイントロが始まった瞬間から反響が大きくて嬉しかったですね。

――あと、「Before my body is dry」でのGemieさんのラップには驚きました。

澤野:僕もリハから女性ラップいいなって思っていたので、あの2人でやる感じも面白いと思っていて。日本でもやってみたいと思いました。

――次の上海での公演も楽しみにしています。

澤野:そうですね。実際に来る前は、どれくらいの方が自分の音楽を聴いてくれているのか不安があったんです。確かにスタンティングではないということもありましたが、手拍子をしてくれたり、曲が終わったあとの歓声とかで温かく迎えてもらえたことがわかって、そこは本当に嬉しかったです。個人的には、また機会があるんだったら来たいなって思っています。日本、海外問わず、ライブは毎回お客さんの反応だなって思っていて。以前Zepp DiverCityで2日間やった時に、2日目の「Barricades」で、お客さんがみんな一緒に歌ってくれたことをすごく新鮮に感じたんですよ。そういう新鮮に感じる景色があると、自分のテンションが高まりますし、またやろうって気持ちになります。今日の上海の方たちの反応は、日本の方たちとはまた違うものだったので、またみなさんが興味を持ってくれるのであれば、やってみたいなって思っています。

――その日が近い将来に訪れることを期待しています。

澤野:そうですね。でも、また飛行機に乗らなくちゃいけない。まあ、そこはもう諦めました(笑)。場所によってお客さんの反応が違うことがわかったので、ほかの国も見てみたいなと。徐々に徐々にですけど(笑)。
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