小坂忠『ほうろう』再現ライブで荒井由実、矢野顕子、細野晴臣ら夢の競演。WOWOWで来春放送
Photo by 中嶌英雄
武部聡志プロデュースによる一夜限りのコンサート<新日本製薬 presents SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」>が、11月26日(月)、東京・東京国際フォーラム ホールAにて開催された。
◆<SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」>画像
<SONGS & FRIENDS>は、武部聡志が選ぶ“100年後も聴き続けてほしいアルバム”、すなわち“名盤・名作”を、その音楽の遺伝子を受け継ぐアーティストたちが再現するというプレミアムなコンサートシリーズだ。荒井由実の1stアルバム『ひこうき雲』にスポットを当てた2018年3月の第1弾に続いて、今回は1975年にリリースされた小坂忠の『ほうろう』をフィーチャー。総合演出は第1弾に引き続き松任谷正隆が担当し、本企画ならではのスペシャルコラボレーションも多数交えて豪華な競演が繰り広げられた。以下、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。
◆ ◆ ◆
大きく分けて4部構成になっている今回のコンサート。鬼無宣寿ゴスペルクワイアによる「You Are So Beautiful」、そして小坂の娘・Asiahのボーカルと武部聡志のピアノによる「Unforgettable」からスタートした第1部には、1972年に結成された「小坂忠とフォージョーハーフ」のメンバーが登場。松任谷正隆、林立夫、後藤次利、駒沢裕城という豪華メンバーと一緒にアルバム『もっともっと』に収録されている「好きなんだから」「どろんこまつり」を演奏。さらに、その頃から親交があった高橋幸宏を呼び込み、「からす」も披露した。
第2部は、ゲストミュージシャンたちが武部バンド(武部聡志、小倉博和、根岸孝旨、屋敷豪太)の演奏で、小坂の楽曲を独自の解釈で歌い、演奏するコーナー。さかいゆうによる「氷雨月のスケッチ」、田島貴男を加えてソウルフルに歌い上げた「流星都市」、槇原敬之によるスライ・ストーン風アレンジの「機関車」、Charがギターと歌で魅せた「Hot or cold」など、オリジナルとは違った魅力を感じさせてくれた。
Photos by 中嶌英雄
第3部はアコースティックコーナー。ここで登場したのは、小坂の1stソロアルバム『ありがとう』にスタジオミュージシャンとして参加していた荒井由実である。ステージに登場したユーミンは、「六本木に“SPEED”というディスコがあって、そこにエイプリル・フールというバンドで出てらしたのを見た、中学生の時に」と初対面のエピソードを語った。「その忠さんのエイプリル・フールを見て、すごいかっこいい!と思った。ロン毛のパンチで、チャイナサンダルを履き潰していて、パンタロンを履いて、ヒッピーでしたね。ベースが細野(晴臣)さんで、ドラムが松本(隆)さんで。洋楽みたいって言い方も変だけど」と、続けてその当時の印象を語った。さらに「有名な話ですけど、はっぴいえんどのボーカルに本当は誘われてたんでしょう?」と質問をすると、小坂は「そういう将来のバンド活動の話をした時も、一緒にやるというハッキリとした話はなかった」と答えたが、「でも、松本さんはそう言ってたよ」とユーミンが言うと、「じゃあ、ハッキリ言って欲しかったな(笑)」と答えて会場を和ませた。その流れで、小坂と2人で「みちくさ」を聴かせてくれた。その後も、BEGINや矢野顕子が登場するなど、豪華なアーティストリレーは続いた。
Photos by 三浦麻旅子
第4部はレジェンドバンドのコーナー。松任谷正隆、武部聡志、鈴木茂、林立夫、小原礼と「流星都市」「氷雨月のスケッチ」を、吉田美奈子を呼び込んで「しらけちまうぜ」を、尾崎亜美が登場して「機関車」を演奏。そして『ほうろう』のプロデューサーを務めた細野晴臣が満を持して登場する。「本当に『ほうろう』のマルチトラックを聴いた時に、感激しました。細野くんのベースが」「いつの話?」「2010年」「あ、あれね。いいアルバムだね」「20代のみんなの演奏が素晴らしい」「20代っていうのはピチピチしてますから(笑)」と語り合い、「音楽はね、年取っても良くなる。渋くなる。ますます歌、いいですよね。素晴らしい」と細野が話した後、「ふうらい坊」「ほうろう」へ。そして、「Jesus Loves Me~Amazing Grace」で本編を締めくくった。
Photo by 西岡浩記
ここまででも十分豪華な内容だったが、アンコールでは出演者全員が登場し、「ゆうがたラブ」を、ゲストミュージシャンたちのソロを交えて聴かせるという大サービス。そして、小坂と武部による「You are so Beautiful」が、映画のエンドロールのように、この伝説的な一夜の余韻を味わせてくれた。
“奇跡”が裏テーマだとMCで語っていた通り、レジェンド級のミュージシャンたちが一堂に会したこのコンサートはまさに奇跡と言って過言ではない。
Photo by 西岡浩記
◆ ◆ ◆
なお、このコンサートの模様は2019年春にWOWOWで放送されることが決定している。
出演(※五十音順):
小坂忠、荒井由実、Asiah、尾崎亜美、さかいゆう、高橋幸宏、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、Char、BEGIN、槇原敬之、矢野顕子
後藤次利 (fromフォージョーハーフ)
駒沢裕城 (fromフォージョーハーフ)
吉田美奈子
鈴木茂 (from ティン・パン・アレー)
林立夫 (from ティン・パン・アレー/フォージョーハーフ)
松任谷正隆 (from ティン・パン・アレー/フォージョーハーフ)
小原礼
武部聡志(keyboard)、小倉博和(guitar)、根岸孝旨(bass)、屋敷豪太(drums)
総合演出:松任谷正隆
プロデュース:武部聡志
オリジナルプロデューサー:細野晴臣
公式サイト: http://www.wowow.co.jp/s_f
武部聡志プロデュースによる一夜限りのコンサート<新日本製薬 presents SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」>が、11月26日(月)、東京・東京国際フォーラム ホールAにて開催された。
◆<SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」>画像
<SONGS & FRIENDS>は、武部聡志が選ぶ“100年後も聴き続けてほしいアルバム”、すなわち“名盤・名作”を、その音楽の遺伝子を受け継ぐアーティストたちが再現するというプレミアムなコンサートシリーズだ。荒井由実の1stアルバム『ひこうき雲』にスポットを当てた2018年3月の第1弾に続いて、今回は1975年にリリースされた小坂忠の『ほうろう』をフィーチャー。総合演出は第1弾に引き続き松任谷正隆が担当し、本企画ならではのスペシャルコラボレーションも多数交えて豪華な競演が繰り広げられた。以下、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。
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大きく分けて4部構成になっている今回のコンサート。鬼無宣寿ゴスペルクワイアによる「You Are So Beautiful」、そして小坂の娘・Asiahのボーカルと武部聡志のピアノによる「Unforgettable」からスタートした第1部には、1972年に結成された「小坂忠とフォージョーハーフ」のメンバーが登場。松任谷正隆、林立夫、後藤次利、駒沢裕城という豪華メンバーと一緒にアルバム『もっともっと』に収録されている「好きなんだから」「どろんこまつり」を演奏。さらに、その頃から親交があった高橋幸宏を呼び込み、「からす」も披露した。
第2部は、ゲストミュージシャンたちが武部バンド(武部聡志、小倉博和、根岸孝旨、屋敷豪太)の演奏で、小坂の楽曲を独自の解釈で歌い、演奏するコーナー。さかいゆうによる「氷雨月のスケッチ」、田島貴男を加えてソウルフルに歌い上げた「流星都市」、槇原敬之によるスライ・ストーン風アレンジの「機関車」、Charがギターと歌で魅せた「Hot or cold」など、オリジナルとは違った魅力を感じさせてくれた。
Photos by 中嶌英雄
第3部はアコースティックコーナー。ここで登場したのは、小坂の1stソロアルバム『ありがとう』にスタジオミュージシャンとして参加していた荒井由実である。ステージに登場したユーミンは、「六本木に“SPEED”というディスコがあって、そこにエイプリル・フールというバンドで出てらしたのを見た、中学生の時に」と初対面のエピソードを語った。「その忠さんのエイプリル・フールを見て、すごいかっこいい!と思った。ロン毛のパンチで、チャイナサンダルを履き潰していて、パンタロンを履いて、ヒッピーでしたね。ベースが細野(晴臣)さんで、ドラムが松本(隆)さんで。洋楽みたいって言い方も変だけど」と、続けてその当時の印象を語った。さらに「有名な話ですけど、はっぴいえんどのボーカルに本当は誘われてたんでしょう?」と質問をすると、小坂は「そういう将来のバンド活動の話をした時も、一緒にやるというハッキリとした話はなかった」と答えたが、「でも、松本さんはそう言ってたよ」とユーミンが言うと、「じゃあ、ハッキリ言って欲しかったな(笑)」と答えて会場を和ませた。その流れで、小坂と2人で「みちくさ」を聴かせてくれた。その後も、BEGINや矢野顕子が登場するなど、豪華なアーティストリレーは続いた。
Photos by 三浦麻旅子
第4部はレジェンドバンドのコーナー。松任谷正隆、武部聡志、鈴木茂、林立夫、小原礼と「流星都市」「氷雨月のスケッチ」を、吉田美奈子を呼び込んで「しらけちまうぜ」を、尾崎亜美が登場して「機関車」を演奏。そして『ほうろう』のプロデューサーを務めた細野晴臣が満を持して登場する。「本当に『ほうろう』のマルチトラックを聴いた時に、感激しました。細野くんのベースが」「いつの話?」「2010年」「あ、あれね。いいアルバムだね」「20代のみんなの演奏が素晴らしい」「20代っていうのはピチピチしてますから(笑)」と語り合い、「音楽はね、年取っても良くなる。渋くなる。ますます歌、いいですよね。素晴らしい」と細野が話した後、「ふうらい坊」「ほうろう」へ。そして、「Jesus Loves Me~Amazing Grace」で本編を締めくくった。
Photo by 西岡浩記
ここまででも十分豪華な内容だったが、アンコールでは出演者全員が登場し、「ゆうがたラブ」を、ゲストミュージシャンたちのソロを交えて聴かせるという大サービス。そして、小坂と武部による「You are so Beautiful」が、映画のエンドロールのように、この伝説的な一夜の余韻を味わせてくれた。
“奇跡”が裏テーマだとMCで語っていた通り、レジェンド級のミュージシャンたちが一堂に会したこのコンサートはまさに奇跡と言って過言ではない。
Photo by 西岡浩記
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なお、このコンサートの模様は2019年春にWOWOWで放送されることが決定している。
<新日本製薬 presents SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」>
出演(※五十音順):
小坂忠、荒井由実、Asiah、尾崎亜美、さかいゆう、高橋幸宏、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、Char、BEGIN、槇原敬之、矢野顕子
後藤次利 (fromフォージョーハーフ)
駒沢裕城 (fromフォージョーハーフ)
吉田美奈子
鈴木茂 (from ティン・パン・アレー)
林立夫 (from ティン・パン・アレー/フォージョーハーフ)
松任谷正隆 (from ティン・パン・アレー/フォージョーハーフ)
小原礼
武部聡志(keyboard)、小倉博和(guitar)、根岸孝旨(bass)、屋敷豪太(drums)
総合演出:松任谷正隆
プロデュース:武部聡志
オリジナルプロデューサー:細野晴臣
WOWOW『新日本製薬:presents SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」』
公式サイト: http://www.wowow.co.jp/s_f
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