【ライブレポート】マンウィズ、sumika、あいみょん、ラスベガスらが競演<バズリズム LIVE2018>初日
日本テレビの音楽番組『バズリズム02』が発信する音楽イベント<バズリズム LIVE2018>の初日公演が11月3日、神奈川・横浜アリーナにて開催された。2015年にスタートした同イベントは今回で4年目を迎え、初日には6組のアーティストが出演。4時間に渡って競演を繰り広げ、集まった14000人の観客を沸かせた。
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16時の定刻通りに幕を開けたイベント、オープニングアクトは1月に放送された番組内コーナー「コレはバズるぞ2018」で1位に選ばれたCHAI。全員が鮮やかなピンクのコスチュームで登場し80s風のチープさとキュート&ポップさを併せ持つ独特のサウンドでグイグイと客席を引きつける。バンドで生演奏したかと思うと、フロント3人がPC同期演奏で楽器を持たずに歌ったり。また、双子のツイン・ヴォーカルのマナとカナがMCをするかと思うと、ドラムのユナがMCをしたりと、定形に嵌らないフリーなスタイルでオーディエンスを翻弄し続け、20分という短い時間ながら鮮やかなパフォーマンスでオープニングアクトを務めた。
ステージにはバカリズムと日テレ佐藤梨那アナが登場。最上段まで埋まった客席を見回し「ちょっと雑なコール&レスポンスでもやりますか!」と呼びかけ、バカリズムがゆる〜くコールすると、会場からは凄まじい音量でのレスポンス。これには「超気持ちいい!」とバカリズムもすっかりご満悦で最初のアーティストを紹介。その名前がアナウンスされるや、物凄い歓声が上がる。なんと、まさかのMAN WITH A MISSIONがトップ・バッターだ。1曲目の「Raise your flag」から、テンションMAX。サビに合わせてステージ前方から炎があがり、まさに熱すぎる演出。ジャン・ケン・ジョニーが「可愛イラシイ女ノ子ノ後二続イテ、唯一の獣バンドデス! ヤレンノカ人間ノ野郎ドモ! 思ウ存分カカッテコイヤ!」と客席を煽って「2045」「Emotions」「DON'T LOSE YOURSELF」を立て続けに演奏。中盤のMCでは、番組出演時にバカリズムやスタッフに音楽と関係ないところで弄り倒されると、こぼす一幕も。しかし「呼ンデ下サッテ、アリガトウゴザイマス!」とイベントへの参加に感謝し、ラスト2曲に突入。「FLY AGAIN」での、オーディエンス全員が両腕を掲げて左右に振る様は壮観。目の覚めるような圧巻のパフォーマンスであった。
続いてはsumikaの4人。パフォーマンスは4月にリリースされた「フィクション」でスタート。1曲目を終え、ボーカルの片岡健太は「CHAIとマンウィズの激アツのステージが続いてちょっと疲れたかな? そんな時にみんなにかける回復の魔法があるんだけどね」と「ふっかつのじゅもん」に続ける。ロック、ポップにスカなど様々なサウンドが飛び出してくるのに、違和感なく融合させるのが彼らの真骨頂。何よりもメンバー全員が実に楽しそうに演奏をしている。「マイリッチサマーブルース」では、片岡が「もっと盛り上がりる為に必要なアイテムって知ってますか?」とタオルを掲げると、オーディエンスも右手でタオルをグルグルと回して応える。まるでレゲエ系のアーティストかと見紛うばかりで、ステージと客席が完全に一体化。この盛り上がりをキープして、一挙にラストまでなだれ込む。最後は「このマイクの先に必ず“人”が居て、ちゃんと“人”と“人”の間を繋いでくれる感じがします。今日みたいな1日があって、その答え合わせができました。」とこの場所に立てた事を感謝。さらに「(自分たちと)出会ってくれてありがとうございます! 愛すべき者の全てに!」と「Lovers」で締めた。
そしてステージは<バズリズム LIVE>お馴染みのバカリズムとのコラボコーナーに。4月に番組にゲスト出演した大原櫻子と盛り上がり、この日のためのコラボレーションユニット“大原バカリ子”が誕生したという。作詞はバカリズム、作曲はいきものがかりの水野良樹。制作に半年を費やした大作「多目的スペースのバラード」が遂に披露される。テーマは会議や講演会、ダンス、歌のレッスンなどに使われる多目的スペース。なぜか右腕にトロフィーを抱え、ダブルのスーツに蝶ネクタイ姿のバカリズムに、白いワンピースの大原櫻子がおもむろに登場。二人の胸には赤いバラのコサージュが。いったい何のコスプレ?と戸惑う観客をよそに二人は大真面目に朗々と歌い上げる。曲の1番では多目的スペースの素晴らしさを、2番では真逆の多目的スペースの不便さを。歌うバカリズムの目には大粒の涙も。どうやら、これは歌謡祭などの授賞式の出で立ち。なんでも20年ほど歌い続けてきた男女デュオの曲が、ようやく報われ晴れて受賞したという設定だとバカリズムが明かすと、大原が「わたし、22歳なんですけど……」と突っ込む。確かにバカリズムは老けたメイク。この細かすぎるシチュエーションに観客も大爆笑し、最後には「天国にいる(作曲者の)水野良樹さんも受賞を喜んでいると思います!」と、バカリズムからのブラックジョークも飛び出した。
大原バカリ子の爆笑コーナーを経て、ステージには<バズリズム LIVE>初登場のあいみょん。アコースティックギターをかき鳴らしながらステージに登場。オーディエンスをアジテーションするように歌う様は、アメリカのフォークシンガー、ジョーン・バエズを彷彿させ、実にカッコいい。客席も見守るようにじっと聴き入る。MCでは「初めて呼んでもらって、横浜アリーナも初めてで、決まった時からソワソワして、緊張してました。今日はいい1日になりそうです」と話し、11月14日にリリースされる日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』主題歌の「今夜このまま」を歌う。ここで、本人も緊張がほぐれたのかリラックスした様子で「番組の“これがバズるぞ”2017で24位。ところが2018年度は圏外……。まさか呼んでもらえるとは思ってませんでした」と明かしたあとに、番組出演のきっかけになったと思うという楽曲「マリーゴールド」を歌う。続いての「愛を伝えたいだとか」は前半のフォーク系と打って変わってブラックミュージックのエッセンスが取り込まれたナンバー。この柔軟さが素晴らしい。最後はデビュー曲「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」を力強く、畳み込むように歌い35分のステージを終えた。
<バズリズム LIVE>初日の大トリは、2年前のこのイベントで3番手に出演したFear, and Loathing in Las Vegas。SEが響き渡る中、猛ダッシュでステージに登場し、Soの「テンション上げて行くぞ!」の掛け声で「Return to Zero」がスタート。オートチューンを駆使したSoのハイトーンに、Minamiのスクリーミング系のツインボーカルの対比は例えるなら、白と黒もしくは天使と悪魔。相反するボーカルが間断なく響き、そこへ重厚なインダストリアルサウンドが絡み合いトランスで混沌=カオスな空間を作り出す。この凄まじいまでの音の洪水に客席も否応なしに引き込まれていく。Soは「こんだけ、でっかい会場で、こんだけたくさんの人が来てくれて嬉しい!」と話し、「バンド名長過ぎですよね、自分でもそう思います。今日はなんちゃらラスベガスでも大丈夫やから、みんな好き放題で踊りまくって!」とパーティチューンの「Party Boys」に、ドラマチックな「The Sun Also Rises」と続け、オーディエンスを興奮の坩堝に叩き込んだ。「またどっかで絶対会おうな!」と残して、ステージを降り4時間におよんだ初日公演は終了した。
なお<バズリズム LIVE2018>2日目も同じく横浜アリーナで開催され、BiSH、04 Limited Sazabys、ポルノグラフィティ、My Hair is Bad、UNISON SQUARE GARDEN、SUNNY CAR WASH(O.A)が出演。当日券も販売される。また、イベントの模様は11月30日と12月7日の『バズリズム02』で2週にわたって放送予定だ。
撮影◎山内洋枝
<バズリズム LIVE 2018>初日セットリスト
01.ボーイズ・セコ・メン
02.自己紹介
03.N.E.O.
04.We Are Musician
05.sayonara complex
☆MAN WITH A MISSION
01.Raise your flag
02.Get Off of My Way
03.2045
04.Emotions
05.DON'T LOSE YOURSELF
06.Take me under
07.FLY AGAIN
☆sumika
01.フィクション
02.ふっかつのじゅもん
03.マイリッチサマーブルース
04.ファンファーレ
05.Summer Vacation
06.Lovers
☆大原バカリ子
01.多目的スペースのバラード
☆あいみょん
01.憧れてきたんだ
02.生きていたんだよな
03.君はロックを聴かない
04.今夜このまま
05.マリーゴールド
06.愛を伝えたいだとか
07.貴方解剖純愛歌〜死ね〜
☆Fear, and Loathing in Las Vegas
01.Return to Zero
02.Rave-Up Tonight
03. Greedy
04.Keep the Heat and Fire Yourself Up
05.LLLD
06.Party Boys
07.The Sun Also Rises
MC / 進行:バカリズム / 佐藤梨那(日本テレビアナウンサー)
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