【インタビュー】渡辺真史&HUE「<MIXNUTS>でインスピレーションを受けた人たちが、なんか違うことを起こしていけたら良いんじゃない?」

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音楽にファッション、今や世界中の関心事項となった東京のカルチャー。今まさに<Amazon Fashion Week TOKYO>で沸くこの街で、その締めくくりにふさわしいイベント<MIXNUTS 2>が開催される。感度の高い洒落者や、あらゆるジャンルのミュージックフリークの間ですでに話題になっているこの試みは、ストリートで確かなプロップスを得ている2ブランドを主宰するクリエイターが仕掛けたもの。渡辺真史(BEDWIN & THE HEARTBREAKERS ディレクター)とHUE(DELUXEデザイナー)、幼馴染でもある彼らが<MIXNUTS>発起の経緯とそこに込めた想いを語る。

◆ ◆ ◆

■いろんなナッツたちがいっぱい集まって
■来てくれる人たちがそれを楽しんでくれるといい

──<MIXNUTS>の初回はTRUNK HOTELで開催されたと伺いました。そもそも、どのような形で始まったんですか?

渡辺真史(以下、M):最初に友人から「その日、TRUNK空いてるみたいだから何かやったら?」って言われて。「いろんなブランドとか呼んで、みんなで集まったりとか」って、ふわっとした感じで(笑)。HUEは普段からいろんなブランドの人たちと仲が良いし、HUEに相談して。「じゃあ、声かけてみようか」ってなって、それが始まりです。

HUE(以下、H):で、ここ(BEDWINのオフィス)で、みんなに電話かけたんだけど、意外とみんな協力的で良い返事を頂き、じゃあ本格的にやろうっていう流れですね。

──かなりカジュアルなスタートですね(笑)。

M:そうですね(笑)。じゃあ今度はイベント名が無いとね、ってなって、いくつか2人で出し合って。そのなかでHUEが出した案に“MIX NUTS”ってのがあったんです。あ、っぽいね、って言って。いろんなナッツたちがいっぱい集まって、来てくれる人たちがそれを楽しんでくれるといいな、って思って。

──参加ブランドやクルーを見ると、かなり錚々たるラインナップですね。普段はライバルでもあるはずの方々がこうして一堂に会するのが面白いですよね。

M:コンペティターでもあるんだけどファミリーでもあるみたいな、その雰囲気がすごくいいなあと思ってて。

H:参加してくれてるのは、例えばクラブとかの夜遊びとかで自然にハングアウトする人たちで、本当に政治とかじゃなく、もっとオーガニックでヘルシーな感じで無理なく声掛けられる人たち。それで、似たようなブランド(ナッツ)ばっかりあってもいまいち美味しくないだろうから、いろんな味を入れよう、って。

──マカダミアだらけじゃない方が良いと(笑)?

M&H:じゃない方が良い(笑)。

M:高いヘーゼルナッツだけでも飽きますし。俺らみたいにピーナッツみたいなのもあれば……(笑)。

H:ピスタチオみたいなのもあったりとか。

M:例えばいろんなバンドが集まってイベントをやったりとか、今で言ったらそれこそフェスみたいなものって、僕らがファッションに関わり始めた90年代にはすでにあったんです。最近のコンプレックスコンとかハイプフェスとかもそうですよね。

──クラシックストリートな渡辺さんの今日のスタイルを見えると、そのころの感覚が強まってるのかな、という気がしますね。

M:BEDWINもDELUXEももう15年くらい続いていて、いろんな機会を与えてもらってきている中で、若いブランドと自分たちのお客さんを仲介してあげたいって気持ちもあるし、僕らも若いブランドたちともっと仲良くなりたいなっていつも思ってて。だから変名なブランドだけでやりたいってのはまったくないです。NYでランウェイしてるようなコレクションブランドからストリート、はたまたEVISEN、W-BASEとかのスケートボードやBMXを軸に置いているところまで、いろんなところが入ってます。

H:自分たちの周りにも、自然とそういう人たちがいましたしね。

──例えばお二人が小学校からの幼馴染で、そういう経験や遊び方を共有されてきたことも、若いBEDWINファン、DELUXEファンは知らない人も多いでしょうし、好きなブランドのバックグラウンドや生の姿を見られる良い機会ですよね。

H:そうですね。そう言えばこの前、僕らのことを同一人物だと思ってる子もいましたね(笑)。

M:(笑)。でも、そういう場所があることが大事なのかもね。同じようなTシャツを作っているブランドでも違う部分が見えててきたりとか、ブランドのフィロソフィーにも興味を持ってくれると思いますし。

──でも、あまり前例のない試みですし、実際に実現するまでは苦労も多かったんじゃないですか?

M:俺たちはそもそもイベント屋じゃないからね、そりゃまぁ大変ですよ。今回もまだ進行形です(笑)。

──今回は会場が渋谷・SOUND MUSEUM VISIONですし、大きくなった分余計に大変ですよね。

M:大きくしたつもりも無いんですけどね。たまたま今回はハコがこうなっただけで、次は小ちゃいところで2〜3ブランドでやるかもしれないし、そもそも<MIXNUTS>がブランドになるかもわからない。あんまり決めないで楽しもうと思ってます。あまり決めすぎちゃうと政治も働いてきて利害関係ができてみんなやりづらいと思うし、まずはほんとに、オーガニックな感じを楽しみたいなあって。もちろんポテンシャルはすごくあると思ってるし、いろんなところが興味をもってくれてるんだなとは感じてるんですけどね。


■<Amazon Fashion Week TOKYO>にぶつけるっていうのが
■自分たちの向かっている方向的に良いんじゃないか

──今回<Amazon Fashion Week TOKYO>の一環として行われる運びになったのは偶然だったんですか?

H:ベベタン(渡辺さん)がプランニングしてるとき、<Amazon Fashion Week TOKYO>が東京を盛り上げている中で、自分たちもリアルに“東京のファッション”を掲げてるわけだし、じゃあそこで<Amazon Fashion Week TOKYO>にぶつけるっていうのが、自分たちの向かっている方向的に良いんじゃないか、って。どうせなら、“@TOKYO”ってタイトルが付いた形で。

M:ハコがVISIONになったのも普段から自分たちが行ってるハコだから(代表の村田)大造さんや(取締役の人見)太志くんたちも11ブランドの人たちと同じく力を貸してくれて。

H:そこに今回はビーツ・バイ(ドクター)ドレとアディダス(オリジナルス)もサポートで参加してくれてます。

──みなさんそれぞれ、どのような形でこの企画には参加されているんですか?

M:一番はDJですね。全ブランド、アマゾンにすら「DJを選出してください」って言って。あとは、ビーツとアディダスはそれぞれ専用の部屋を作ったり。アディダスは“NEVER MADE”っていう、60、70、80年代のモデルのアッパーとソールを組み替えたようなシューズが今後発表されるんですけど、それをディスプレイしたり、アマゾンをフィーチャーした長い通路では11ブランドみんなで作ったTシャツをディスプレイしつつ“和”をテーマに部屋を作ってたりとか。で、その奥には東京ローカルのラウンジがある感じです。そう言えば、あそこのライティング決めた?

H:まだ。今決めてるところ(笑)。

──鋭意製作中ですね(笑)。ライブアクトやDJについても詳細を教えてください。

M:メインフロアでは、ファレル(・ウィリアムス)のレーベル、i am otherに所属してるLA、コンプトンのラッパーのBUDDYや(THE OTOGIBANASHI’Sの)BIMくんがライブで、MUROさんがDJで参加してくれました。

──参加ブランドが多様な分、客層も幅広そうですけど、ヒップホップ以外のジャンルの方も多いですし、出演者の方々もテイストや世代がさまざまですね。

M:そうですね。でも、大人はもちろんですけど、やっぱり若い人たちに楽しんでもらいたくて。主役はみんなで良いじゃん、とは思っているんだけど、そう言いつつどうしても年長が多くなりがちじゃない? 今回はそれは必要ないと思う。かといっておくに引っ込めるのも必要ないし、みんなフラットがいいかな。92年くらいかな? HUEとNYのクラブに行ってびっくりしたのが、ゲイとかハードコアな人が同じフロアにいたんだけど、その中に年寄りもいて、ガッツリ踊ってて。自分たちが若い頃、東京でもそいうところに行くのが楽しかったし、そのぐちゃぐちゃになった雑多な感じがストリートカルチャーらしいと思うんです。

──なるほど。そういう場所が昔に比べて減ってしまったなあって思われます?

M:どうなんだろう。

H:もちろん知らない場所もあると思うけど、自分たちの行ってる場所に関してはちょっと減ったのかなあって気はするかな。ル バロン(ド パリ)みたいなところはモードもストリートも混ざってて、ああいうところでハイファッションの人たちと知り合ったし。

──参加ブランドの多様さから、イベントのイメージが掴み切れななかったんですが、だんだん全容が見えてきました。

M:こんな感じです(笑)。「コラボTシャツ、ゲットできるんですか!?」とか気になると思うんだけど、その1日自体がコラボだし、本当の体験。そこでインスピレーションを受けた人たちが、なんか違うことを起こしていけたら良いんじゃない? と思ってます。

H:TシャツはアマゾンのECでしか買えないので、当日はその場の音や会話やお酒を楽しんでもらえたらと思ってます。そのTシャツも、その空気を実際に知った上で着ることに意味があると思うから。

photograph:SATOSHI OHMURA
interview&text:RUI KONNO



<MIXNUTS 2>

10月19日(金)
SOUND MUSEUM VISION
OPEN 22:00
DOOR ¥3,500 ADV ¥2,800

■GAIA
Supported by:Amazon
SPECIAL:
BUDDY
BIM (THE OTOGIBANASHI’S)
DJ:
MURO
YUKIBEB (SOULECTION)

■Deep Space
DJ:YOPPI [Hombre Nino]
YO.AN(Hole and Holland)
DJ NONAKA (N.hoolywood)
DJ SHOTA (W-BASE / Clumsy )
tatsu (DELUXE)
KAZUMA TAKAHASHI (DELUXE)

■WHITE
Supported by:adidas
DJ Letterpack (CUO AND CONE)
REN (BEDWIN & THE HEARTBREAKERS)
2caps (YOSUKEAIZAWA ,TOMONORI IZUTA / White Mountaineering N. Hoolywood )

■D-LOUNGE
Supported by:BEATS
m.a.s.u. (UNITED ARROWS & SONS)
haship (UNITED ARROWS & SONS )
Disk Nagataki Tokyo Vitamin

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