写真家･鋤田正義作品が生み出した、＜SUKITA MUSIC 再現＆進化形ライブ＞とは？

＜SUKITA MUSIC 再現＆進化形ライブ＞が10月19日(金)、福岡市科学館サイエンスホールで開催される。

◆＜SUKITA MUSIC 再現＆進化形ライブ＞ 画像

「SUKITA MUSIC」とは、デヴィッド・ボウイやマーク・ボラン (T-REX)、YMOなどの写真で世界的に知られる写真家・鋤田正義が、2018年4月から5月にかけて開催した写真展＜鋤田正義写真展 IN NOGATA 2018「ただいま。」＞のために制作された楽曲のこと。同写真展は、鋤田の生まれ故郷である福岡県直方市で初めて企画されたもので、来場者数が累計1万人を超える大注目のイベントとなった。

通常、こうした写真展では、被写体に関係する既成の楽曲が館内BGMとして使用されることが多いが、「それでは面白くない」という、同写真展実行委員会の伊佐高吉(88Studio)のアイデアで、異例となる写真展オリジナルの楽曲を制作。その作曲を、福岡で活動する音楽プロデューサー堤秀樹(A-HEAD RECORDS)が手がけ、写真展の会場を彩った。今回の＜SUKITA MUSIC 再現＆進化形ライブ＞は、そのオリジナル楽曲をフィーチャーしたライブとなる。

「写真展で流していた楽曲は、『MUSIC FOR SUKITA PHOTO EXHIBITION』として、会場の直方谷尾美術館などで発売したのですが、CDとしてリリースするだけではもったいないし、鋤田さんの写真展が終わって、それで“さようなら”となるのは寂しいなと感じていたんです。そうした時に、制作を依頼した堤さんから、「これをライブで再現したい」と話がきて、この企画がスタートしました」──伊佐高吉 (統括プロデューサー)

今回のライブは、堤が統括音楽監督を務め、山崎箜山(尺八)や浦ヒロノリ(Sax)、HAKU(Vo)ら、同作品に参加した福岡を拠点に活動するミュージシャンたちに加え、スペシャルゲストとしてJUON (G / from FUZZY CONTROL)も参加。彼らが生み出すサウンドにプラスして、Lyosuke Saitoh (ダンサー)のパフォーマンスや、レーザー＆プロジェクションマッピングといった先進的なビジュアルアートを融合し、鋤田が写真として切り取ってきた世界を、さらに多次元的に発展／進化させようというエンタテインメントになっている。しかも、そうした試みを、一年前に福岡市内に誕生した話題のスポット、福岡市科学館から発信するという意味でも注目のイベントといえよう。

「写真展用に作った楽曲はエンビエントミュージックで、もちろん歌のないインストゥルメンタル曲が中心だったんですが、今回のライブ用に一部の曲に詞をつけたり、新曲も加えて披露する予定です。唯一無二のブレッシーボイスが魅力のHAKUのボーカルや、純邦楽と西洋音楽とのバイリンガル的な存在である山崎箜山先生の天才的な尺八、そして浦ヒロノリさんのサックスやpepe伊藤くんのガットギターなど、挙げればキリがないのですが、その場でしか体験できない演奏を、ぜひと堪能していただきたいと思っています。さらにスペシャルゲストとしてJUONくんも参加してくれることになりました。僕は、彼が14歳の頃からの付き合いなので、僕自身、とても楽しみにしています。ライブは昼夜の二部公演で、構成そのものは同じ内容となりますが、インプロビゼーション的な要素が強いパフォーマンスですから、両公演とも、違った楽しみ方ができると思います」──堤秀樹 (統括音楽監督)

「ディープな音楽ファンの方はもちろん、写真展に来ていただいたような鋤田写真のファンの方、そして音とビジュアルの新しい体験も出来る空間ですので、小中学生のお子さんにも、ぜひお越しいただきたいと思っています」──伊佐高吉 (統括プロデューサー)

なお、当日のオープニングには、直方市に伝わる日若踊りの実演も披露される。鋤田が最初に撮った作品として知られる母親の写真、その姿こそが日若踊りに向かうシーンであり、そうした鋤田の原点と、そこからの発展形として生まれた「SUKITA MUSIC」が同時に体感できる、またとない機会となりそうだ。