【ライブレポート】SING LIKE TALKING30周年記念ライブスタート、鏡開き&振る舞い酒も
SING LIKE TALKING(以下、SLT)が9月24日、大阪・フェスティバルホールよりデビュー30周年を記念した<SING LIKE TALKING 30th Anniversary Live Amusement Pocket “FESTIVE”>をスタートさせた。
◆ライブ画像
今回のツアーでは公演前にメンバーが鏡開きをする「振る舞い酒企画」も実施され、厳選なる抽選により選ばれたファンを前に、30年の感謝の気持ちを述べた3人。挨拶後は鏡開きをフライングしてしまう一幕がありつつも、終始和気あいあいとした空気の中で企画は行われていた。
そして本編では、江口信夫(Dr)、塩谷哲(Pf)、高水健司(B)、大儀見元(Per)、渕上祥人(Cho&G)、露崎春女(Cho)、FIRE HORNS(Atsuki(Tp)、Juny-a(Sax)、Tocchi(Tb))という9人のサポートメンバーがまずはステージへ。続いて登場したSLTの3人を加えた総勢12人の荘厳なアカペラからコンサートは始まり、佐藤竹善(Vo)が目の前の2500人もの心に火を点けるように歌い上げれば、観客は一気に総立ちに。冒頭から30年にわたり日本の音楽シーンを走ったハイクオリティなサウンドを聴かせていく。
「ただいま大阪! 奇跡の30周年、まさかの30周年。1998年にデビューして以来、誰一人あの世に行くことなく(笑)、30周年を迎えられて本当に嬉しく思っております! デビューアルバムから付き合いがあります先輩から若手のミュージシャンまで、30周年を象徴するメンバーで回らせていただきます。SLTでのフェスティバルホールは久しぶりで、ホールが新しくなってからは初めてでございます。そして、今日は久しぶりにも関わらず、満員でございます。じゃあ、最初で最後のメンバーの声を(笑)」(佐藤)
「おかげさまで30周年を無事に迎えることができました。これもひとえに皆様のおかげでございます。正直、実感がなかったんですが、このライブが始まって、“あ、30周年かも”という気持ちになってきました(笑)。今日は盛り上がっていきたいと思います!」(西村智彦/G)
「おめでとうございました! 何でそう言うかというと、周年って僕らから皆さんに感謝する日だなと思いまして。本当に皆さんのおかげですし、皆さんと30周年を一緒に迎えられることを嬉しく思っています。意外と気持ちは盛り上がっているので(笑)、最後までこの調子でいきますよ!」(藤田千章/Key)
「今日は30周年ですから、曲はたっぷりやります。スタレビ(スターダスト☆レビュー)みたいに100曲ということはないですが(笑)、ゆっくりと楽しんでいってください!」(佐藤)
そんなMCの後も、日本の最高峰のミュージシャンたちによる演奏で、SLTの歴代の名曲が次々と披露されていく。コンサートも中盤に差し掛かろうかという時点でも、幅広い時代からの選曲は、まさに彼らの偉大なる足跡をたどるようなセットリストだ。年齢と共に衰えるどころか熟成していく佐藤のボーカルは、やはり一級品。圧倒的な歌唱力で広大なホールにその歌声が響き渡る。
そんな佐藤がデビュー前に歌唱を担当したCM曲「I feel Coke ’87」をひと節歌った際には、大いに盛り上がる会場。また、2004〜2010年の活動休止期間を振り返り、大阪のラジオ局FM802のライブイベントに誘われたことが再始動のきっかけとなったことを話し、「これからはもう6年休むとかはしませんので。いい曲を書いて、こつこつと自分たちのスキルを上げて、コンサートができる環境をシンプルに整える。そういうところを目指していこうと思います」との発言にも、会場から惜しみない拍手が送られた。
後半戦は、ジャジーなアレンジも情熱的な「Together」で幕を開け、総立ちの観客の手拍子と共にじわじわと会場の熱気が高まっていく。「30年前のデビュー曲です」(佐藤)と披露した「Dancin’ With Your Lies」といい、このツアーのために選び抜かれた新旧の楽曲群がまるで色褪せることなく響くのは、まさにSLTのソングライティングの妙。「Burnin’ Love」も、「いい曲をいい演奏で」という当たり前のことをきっちり更新し続けてきたSLTならではのパフォーマンスで、本当に非の打ちどころがない。
ここで、最新シングル「Vox Humana」のミュージックビデオで即興ダンスを披露した、ダンサーの島地保武がゲストで登場。「彼の素晴らしいダンスをぜひ生で見てほしくて」と佐藤も絶賛した島地はステージ上を縦横無尽に舞い、楽曲の世界観を身体1つでダイナミックに伝えていくその躍動的で美しい姿に、思わず目を奪われる。
終盤も、ライブの定番曲「La La La」や「Rise」、佐藤のピアノの調べに観客の手拍子がシンクロしていくという感動的な光景を生み出した名曲「Spirit Of Love」などを披露し、満場のフェスティバルホールを沸かせたSLT。20曲以上もの楽曲を約3時半かけて演奏した3人は最後に肩を組み、ファンに感謝を込めて手を振る。そんな3人をいつまでも見送る拍手が止まらないという多幸感に包まれながら、初日の大阪公演は幕を閉じた。
なお、アニバーサリーツアーは、9月29日(土)東京・東京国際フォーラム ホールA、10月8日(月・祝)埼玉・大宮ソニックシティ、同21日(日)青森・リンクステーション青森と続く。今後も30周年の様々なプロジェクトが控えるSLTに注目だ。
Text by 奥“ボウイ”昌史
<SING LIKE TALKING 30th Anniversary Live Amusement Pocket “FESTIVE”>
9月29日(土)東京・東京国際フォーラムホール A
10月8日(月・祝)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
10月21日(日)青森・リンクステーションホール青森
※終了公演は割愛
[バンドメンバー]
江口信夫(Drums)、塩谷哲(Piano)、高水健司(Bass)、大儀見元(Percussion)、渕上祥人(Chorus&Guitar)、露崎春女(Chorus)、FIRE HORNS Atsuki(Trumpet)、Juny-a(Saxophone)、Tocchi (Trombone)
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