【ライブレポート】Mii、未来が楽しみなシンガーがまた一人、夢の舞台へと飛び出してゆく
Mii(ミイ)というシンガーを知っているだろうか。今年の7月にデビューしたばかり、大学に通いながら活動している21歳の新人だが、そのキャリアは意外に長い。3歳から歌とダンスのスクールに通い、2012年にダンス・ボーカルユニット「Dancing Dolls」のメイン・ボーカルとしてメジャーデビュー。HIPHOPダンスを取り入れた華やかなパフォーマンスを武器に、海外を含む多くのステージを経験してきた、“若いながらも歴史あり”な美女シンガーだ。
そんな彼女が、ソロデビューに先駆けてオープニング・アクトとして「清水翔太LIVE TOUR 2018“WHITE”」の東京公演、日本武道館のステージに立つと聞いて、さっそく足を運んだ。午後6時半。オープニング・アクトの紹介を受け、二人のダンサーを従えてステージに現れたMiiは、大胆なサイドスリット入りの赤いパンツにノースリーブ、ポニーテールを高く結んだスタイル。もしかしてアウェーかも?と思ったが、清水翔太のファンは温かく、ペンライトを振りながら声援を送る。Miiはすでにファミリーの一員として受け入れられているようだ。
1曲目は「my castle」。ゆったりと、しかし力強いビートのR&Bチューンに乗って、長い手足を生かしたキレのいいステップが映える。声質はウィスパー成分多め、しかしハイトーンは高く伸びやかに、柔らかいのに芯があるアルデンテのような仕上がりの歌声。ストリート感のあるファッションと、エレガントな身のこなし。二つの要素の間をゆらゆら揺れる、魅力的なパフォーマンスだ。
「はじめまして、Miiです。大先輩の翔太さんのオープニング・アクトとして、ツアーを回らせていただいています。武道館は本当に憧れの地です。ペンライトを大きく掲げて、踊ってくれたらうれしいです」
2曲目は、「大先輩の翔太さん」が彼女のデビューのために書き下した「What You Say」。トロピカル・ハウス・スタイルの心地よいビート、涼しげなシンセのリフは、音源で聴くよりも生の方がよりダイナミックでアッパーに響く。ダンサーとの息もぴったりで、止める、流れる、ちょっとした動きのディテールが、クールな曲調に生き生きとした表情を付け加える。女性から男性へ誘いをかける、かなり大胆なラブソングを、コケティッシュなフェロモンと、キュートな少女らしさの間で、繊細に表現するMii。広い武道館のスタンドからも、その魅力はよくわかる。
「ありがとうございました。このあと翔太さんのライブ、熱く盛り上がりましょう。またどこかでお会いしましょう。Miiでした!」
わずか2曲、されど2曲。今回のツアーで初めてMiiを見て、ファンになったという人も多いと聞いた。確かなキャリアと経験をジャンピング・ボードに、ソロ・シンガーとしてどこまで高く跳べるか。未来が楽しみなシンガーがまた一人、夢の舞台へと飛び出してゆく。
取材・文●宮本英夫
リリース情報
2018年7月4日リリース
CRCP-10402 / ¥1,389+税
DISC1(CD)
1. What You Say
2. my castle
3. You Better Not...
4. What You Say (Instrumental)
DISC2(DVD)
・What You Say (Music Clip)
・What You Say (Making Clip)
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