【ライブレポート】R指定、全国ツアースタート。初日から新曲続々披露
R指定が7月7日より東京・品川ステラボールを皮切りに全国ツアー<R-Shitei Oneman Tour 2018 ANNIHILATION>をスタートさせた。
◆ライブ画像
7月25日に発売されるニューアルバム『死海文書』を掲げた久しぶりのロングツアー。初日から『死海文書』に収録される新曲も披露されるとあって、ライヴが始まる前はフロアから若干の緊張が伝わってきた。が、オープニングSEに合わせてメンバーがゆっくりとした足取りでステージへと現われると観客のボルテージもジワジワと上がってくる。
“死海文書”と描かれたバックドロップを背に1曲目に届けられたのは、新曲「予言」。エスニックなリズムに乗せ、マモ(Vo)が顔の前で手をゆるやかに泳がせる。魔術師のような振る舞いで観客を翻弄してみせると、そこから一気に曲が展開を見せていった。激しくなるサウンドに、ヘッドバンキングを繰り返していく観客の姿は一種の儀式のようであり、恐ろしいまでの一体感がそこにあった。続いて「アポカリプティックサウンド」を披露。冒頭のギターの音色が印象を残しながらも、その後に繋がるスピーディーさとキャッチーさがR指定らしさを感じさせる。
新曲が続けて披露されたにも関わらずフロアが盛り上がっていたのは、すでに聴いていた人が多かったからだろう。今回、アルバムのリリースより先にiTunesにて先行配信が開始されていたので『死海文書』の浸透率が早かったのだ。この後に演奏された「パラレル世界」や「あのこ」でも、新曲とは思えないほど観客は揃った動きを見せる。
ライヴ中盤には往年のヴィジュアル系を彷彿とさせるミステリアスな「月が綺麗ですね。」と、全編英詞でパンキッシュに進んでいく「NEVADA」を。その後、SEが流れてマモがステージから姿を消すと、楽器隊だけでインストゥルメンタル曲「死の祭壇」が始まった。
R指定のアルバムにはもはや欠かせない存在となっているインストゥルメンタル曲だが、「死の祭壇」もアルバム『死海文書』の中で良いアクセントとなっているだけでなく、ライヴの場でも異彩を放っていた。曲の途中からマモが再登場すると、手に持っていた本をパラパラとめくり言葉をつぶやいていく。そのままページを引きちぎって上部に向かって撒くという視覚的演出も観客の心をわしづかみにした。
ライヴ後半では新曲の「SODOM」が目を惹いた。内から燃え上がるような炎を形にしたかのような熱さを持っているだけに、観客は己の拳を突き上げ声を張り上げる。ここで「俺もお前と同じで未来が不安で仕方ねえよ」と力強く歌い上げるマモの姿に共感を覚えた人も多かったに違いない。そして、本編ラストには「命日」を演奏。『死海文書』でも最後を飾るこの曲は“いのちのひ”と謳っているだけに、あなたにとって生きる意味とは何なのか、という重たいテーマがありながらも決して説教くさくはない。それどころか実際には「この世界にあなたがいればそれだけでいい」と歌詞にもあるように、無駄な命なんてひとつもないのだから自分を大切にしてほしいというR指定からのメッセージにも思える。彼らが曲を通して伝えたいものというのが明確になった本編でもあった。
アンコールは、メンバー全員がツアーグッズのTシャツに着替えリラックスした様子で臨む。新曲「シンクロ」と、アカペラ始まりで魅せた「飴玉」の後には、本編には見られなかった長いMCを挟んでいく。今日が七夕ということを意識してか、「あ、そうだ。織姫の皆様、どうもマモ星です」と会場の笑いを誘う。この後もメンバー同士わきあいあいとした様子で会話のやり取りをするなど、アンコールならではといったラフさを見せてくれた。
ツアー初日ということで新曲を演奏する際はメンバーもさすがに緊張したらしいが、「これからこの新曲たちはどんどん進化していくと思うので、それをお楽しみにしてください」と宏崇(Dr)がツアーに関して意気込みを語る。「初日ということでこれだけの人が集まってくれて本当に嬉しいです。こっからは多分、知っている曲しかないのでみんなもハジけていけると思うので、アンコールも楽しんでいきましょう!」とマモがあおり、「規制虫」で盛り上げていく。
畳み掛けるように数曲演奏すると、ラストに「魅惑のサマーキラーズ」を持ってきてライヴは終了した。…ように見えたのだが、観客の声援の大きさに応えメンバーはステージへと戻ってきた。こうして、まったく予定にはなかったダブルアンコールが行われた。「初日だから今日だけ大サービスでやります」と言い、観客とのコールアンドレスポンスから「殺したいくらい愛してる」が初日の大トリを飾り、約2時間に及ぶステージは終了した。最後に「これからあと20箇所全国廻って、ファイナル・福岡市民会館、結構デカいホールでやるので良かったらお越しください。とりあえず、会えて良かったよ。7月7日、七夕の日に“ファンのみんなと会いたい”という願いが叶いました」とマモが言うと、会場は笑顔に包まれた。
文◎水谷エリ
『死海文書』
■初回限定盤
SERIAL NO:S.D.R-336-A
PRICE:¥3,500(tax out)
[CD]
1.予言
2.アポカリプティックサウンド
3.-SHAMBARA-
4.パラレル世界
5.あのこ
6.規制虫
7.月が綺麗ですね。
8.シンクロ
9.forest
10.死の祭壇
11.-ZANGE-
12.NEVADA
13.魅惑のサマーキラーズ
14.SODOM
15.毒廻る
16.命日
[DVD]
予言 MUSIC CLIP、予言 MUSIC CLIPメイキング
■通常盤
SERIAL NO:S.D.R-336-B
PRICE:¥3,000(tax out)
[CD]
1.予言
2.アポカリプティックサウンド
3.-SHAMBARA-
4.パラレル世界
5.あのこ
6.規制虫
7.月が綺麗ですね。
8.シンクロ
9.forest
10.死の祭壇
11.-ZANGE-
12.NEVADA
13.魅惑のサマーキラーズ
14.SODOM
15.毒廻る
16.命日
<R-Shitei Oneman Tour 2018 ANNIHILATION>
2018年7月14日(土)京都 FANJ
2018年7月15日(日)神戸VARIT.
2018年7月16日(月・祝)高松MONSTER
2018年7月18日(水)松山サロンキティ
2018年7月21日(土)熊本B.9
2018年7月22日(日)大分DRUM Be-0
2018年7月24日(火)広島CLUB QUATTRO
2018年7月25日(水)岡山IMAGE
2018年7月26日(木)米子AZTiC laughs
2018年7月28日(土)名古屋ダイアモンドホール
2018年7月31日(火)郡山 CLUB #9
2018年8月2日(木)盛岡CLUB CHANGE WAVE
2018年8月3日(金)仙台Rensa
2018年8月5日(日)札幌ペニーレーン24
2018年8月8日(水)青森 QUARTER
2018年8月10日(金)長野CLUB JUNK BOX
2018年8月11日(土)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2018年8月12日(日)金沢AZ
2018年8月18日(土)なんばHatch
2018年9月1日(土)福岡市民会館
◆R指定 オフィシャルサイト
この記事の関連情報
【ライブレポート】R指定・楓のソロプロジェクト「KiD」、1stワンマンツアー完走
【ライブレポート】生憎の雨。が見せた音楽に対する信念
【ライブレポート】生憎の雨。、アイドル×劇団×V系が混ざり合う主催ライブ開催「音楽が1番の精神薬だよな?」
ミオヤマザキ、生憎の雨。(R指定マモ)とのコラボ曲MV公開
ミオヤマザキ、ニューアルバムに生憎の雨。(R指定マモ)とのコラボ曲収録
パラダイム、ライブハウス支援対談企画『痛分 –いたみわけ-』を配信
12012の宮脇渉とR指定の宏崇を中心としたゲームストリーミングチーム“SHIBUYA GGAMING”始動、紹介動画公開
【ライブレポート】R指定、凍結「青春を1度お返しします」
【ライブレポート】R指定、47都道府県ツアーへ「元気でいてください。いってきます!」